前の人は他人 横の人は他人 ぼくの母はママ

 昨日の日記に書いた通り、「男く祭」に教員として全く関与していないので、出勤も8時20分ギリギリでよく。雨天なのでタクシー出勤、何もない日なら正門からでも裏門からでも車で中に入れるのですが、本日は入場規制が行われているため学校の手前で降車して少し歩きました。一般入場口には、開場1時間前の時点で(高校生の保護者を中心に)長蛇の列。開場前の早い時間から並んでいる保護者の中には、明後日(2日目)の「シティプラザ会場」の観覧チケット(枚数限定、先着順)を狙っている方も多いのでしょう。
 本日、第54回「男く祭」、副題は「さいは投げられた」。F校会場(保護者・外部のお客様をお招きして)が2年連続で雨天だったのは残念ですが、昨年同様の盛り上がりを期待。今年も使われることのない野外ステージの写真を撮ってから職員室に入りました。バックには入魂の装飾、賽・祭・彩・菜・犀・採……様々な「さい」が描かれています。
 野外ステージのイベントは体育館に移るなど、雨バージョンの手筈もしっかり整っている様子。野外と屋内とに客が別れないので、開場後の校舎内は人がバッテラの米みたいにぎゅうぎゅうになるでしょう(昨年はそうでした)。

 コロナ以前のF校会場は、屋内にも屋外にも食べもの屋台ばっかりあった印象ですが、コロナ以降めっきり減ってしまいました。売り物も、コロナ後の数年間は既製品(完成品)以外禁止されていたので、元に戻った現在でも既製品・半既製品が多い印象。開場直後に一通りの店を見て回ったのですが、立場上「先生、買っていって下さい!」と声をかけてくれる生徒が皆無だったので、何となく気になったテント店で肉巻きおにぎり・たこせんを購入して食べるだけにしました(美味しかったです)。というか、開場後10分もしたら教員が列に並ぶなんてとんでもないという勢いで外部のお客様がどの店にも市をなしており。

 食べものの店が減った代わりに、文化部の展示やイベントが激増して、何だか随分「文化」に寄った感じ。一時期跋扈した「ニューノーマル」という後はいけ好かないものでしたが、善い変化だったり学びだったりがあるという事実自体は否認するものではなく。
 あと、最近のF校会場には「小さいお友達」が沢山来てくれるようになりました。最近は、そういうお友達が喜んでくれる企画が目白押しなのが目立った傾向。伝統の「F校(ピタゴラ)スイッチ」は勿論、今年も駄菓子のつかみ取り・クイズ大会・アミューズメントパーク・謎解きラリー・人生ゲーム・参加型アート……と盛りだくさん。そして、男子も女子も、小さい子たちの相手を務めるのが上手だし楽しそうだし。或る先生は「基本的に、ウチの生徒は子どもを可愛がるのが好きなんだと思う」と仰り、或る先生は「生徒だけで学校説明会(学校の宣伝)をやってくれてる」と仰り。

 そして、私が今日の展示で芯から驚いたのは、今年が初展示となる鉄道研究会。1部屋使ってNゲージ、もう1部屋使ってプラレールと規模がでかく、その他の展示も運転台シミュレーター(『電車でGO』及び自作ソフト)、鉄道部品、切符、写真、と質量ともに圧巻。首謀者(?)以下担当生徒全員が国鉄の制服を着ているという凝りようです(朝、校内の準備風景を移しておられた出入りの写真館さんが走り寄って撮っておいででした)。鉄道部品の中には、今は無き折尾駅鷹見口の駅名標と、それが本物であることを示す証明書まであって笑ってしまいましたね。あと、プラレールの部屋では、駅員さん(?)が車内放送まで再現して下さるとのことで、お願いして、新大阪発東京行きのひかり号の放送再現を録画させてもらいました。
 2歳くらいまでは電車だとか駅だとかの名前が全部言える(三代目魚武に殴られそうな)タイプだったそうですが今は鉄分ゼロの私、それでもこれだけのクオリティを見せつけられたら目が輝きます。少なくとも2時間くらいは見てたんじゃないかな。後日、顧問の同窓同僚数学(←鉄分多め)に「凄かったね、あれ!」と言ったら当日が出張で見られなかったらしく甚く残念がってました。
 終了後の展示片づけ(体育館で1日目のエンディングが行われている裏での作業)も張り付きで見学。一切手伝わずに、駅員さん(?)たちの機敏な働きをスマホで動画撮影する『解体キングダム』。あっという間の手際でレールを解体・分類整理。車両は床に直置きしてはいけない、など最後までプロフェッショナルな彼彼女たちなのでした。教員のくせに勝手に燥ぐだけ燥いで部屋を出る帰り際、後ろから「有難う御座いました!」と言われたときにはあまりの人間の出来具合にゾクッとした程。

 夜、後輩数学先生と2人で月イチの懐石「G」。新年度から中1の担任を務めておられる数学先生は、前年度まで6年かけて高校72回生を育ててこられました……ので、私「高3から中1の落差、凄いでしょ?」 数「もうヤバいですよ!」と、6年ぶりの中1に張り切る先生のエピソードを聞きながら絶品の旬菜に舌鼓。
 八寸、眼張の沢煮、刺盛り、鱒蕗味噌焼き、牛ロース低温調理、碓井豆おこわ・赤出汁、デザート。