そこが知りたい

 4時起床、書斎で本日の特講(文系東大最終回、09年は原研哉『白』)の板書計画。入浴後、母君に朝食をお出しして、8時オープンの10分前に自宅徒歩3分の病院へ。10分前で一番乗り、入口が開くまでにご高齢の男性が2人後ろに並びました。
 場合によっちゃ何日か以上休まないといけない不調なんじゃないだろうか、それよかお酒が飲めなくなるんじゃないだろうか、とか考えながら先生に状況をお伝えして、その後で採血・レントゲン・エコー検査。丸々3時間以上かかりましたが、結果はホワイトもホワイトでした。一応数種類の薬を(一週間分)貰いましたが病気その他の心配はないと判って安心。しかも検査の序でに、γ-GDPも大丈夫で脂肪肝でもなかった(先生に「まぁまぁOK」という微妙な判定を)という「お酒飲んでも良いよ!」という折り紙まで。生まれて初めて「病院に行って良かった!」と感じました。
 採血の時に看護師さんから「アルコールは大丈夫ですか?」と聞かれたとき「それを知りたくて通院してるんです」と、答えはしませんでしたけれども。

 実は1~3限に授業が入っていたのですが、偶然にも50分まるまるテスト(センター現代文100点分を丸ごと解く)という内容だったので、配布回収をそれぞれのクラスの生徒に(昨日のうちに)依頼していたのです。授業に穴を空けるのは本当に申し訳なかった。5・6限のテスト監督は私がやりました。

 さて、放課後は東大文系現代文特別講義。本日は最終回で、最終回は09年の原研哉『白』を扱うと決めています(63・64回生に続いて3回目)。表現とは「白」を掻くことで、個人とはその「表現」の責任主体。白い解答用紙に向かって時間いっぱい推敲を続ける生徒諸氏は、本文で言われているような「表現」への恐れ/畏れをその身で理解してくれているんじゃないか、と期待。添削が楽しみです。

 因みに、東大の現代文の漢字書き取りでは、よく同音異義語の文脈判断が求められます。例えば今回の『白』では「断定しない言説に【シンギ】がつけられない」を「真偽」と書くよう求められ、何人かの生徒が「審議」と書きました。採点しながら、「ああっ、仲島ひとみ『大人のための学習マンガ それゆけ! 論理さん』の第二章を皆が読んでいれば絶対に間違えないのに!」と説明口調で悔しがってみたり。
 こんな木っ端ブログでは宣伝にもなりませんし、売れるだろうから宣伝の必要もないでしょうが、同書、名著ですよ。

 「……というわけで、我らが国分町の名医さんが『飲んでいいよ!』って勧めるもんだから仕方なく飲むんだけど」と、いつものハーフグラスではなく八勺グラスで日本酒(雪の茅舎「美酒の設計」)を注文する私にマスターも呆れ顔の「もりき」独酌。