電車は今日もスシヅメ のびる線路が拍車をかける

 5月の井上陽水のライブ、先行抽選が当選の結果。当てもなく2枚購入しましたが、そう言えば明後日からの母君の入院(F校入試期間に学校缶詰になるために、ショートステイ代わり)に関する保証人をHさんにお願いしていたんでした、その御礼にしましょう。

 えらいてんちょう『しょぼい企業で生きていく』読了、★★★★。帯は内田樹先生。万人に毛細血管レベルでSNSが普及したら、小商い互助・向こう三軒両隣で小さく生きていくコミュニティが自然発生的に増えていった、って面白いですね。筆者が企業就職出世街道を「off course」したのは満員電車に耐えられないだろうという直観で、これは私が就活を諦めた理由と全く同じなので、冒頭から共感しながら読み通しました。と言っても、私の場合は高い確率でF校に就職できるという読みがあったから就活を(具体的には、人生初の就職セミナー会場に向かう満員の丸ノ内線を)降りることが出来たわけで、それがなかったら満員電車を我慢する人生を歩んでいただろうと思います。うん、やっぱり筆者凄い。前進も転進も、やっぱりはじめの一歩ですね。

 本日は授業なし。午前中は福岡市へ出張(お昼に間に合わないので、母君の昼食はコンビニ弁当をお渡し)、午後は学校で添削や授業準備のデスクワーク。午前中の出張は薬院にあるK塾に学年主任地理先生・副担任数学先生とご一緒し、全国規模のセンター自己採点のデータ分析を聞きました。今年のセンターはやはり「やや易」だったようで、例えば九大医学部や東大文一や、ボーダーが810(9割)を超えています。大手予備校による個人データが学校に送られ、明日の学年集会でそれが配布されたら、生徒個々人は自分が志願する大学・学部を(F校入試休み期間の1/26~1/29を中心に)熟考することになります。分析報告会の後、午後から授業の主任先生・数学先生は直接学校へ、私は天神に出て「ジュンク堂」を覗いてから学校に戻りました。

 夕方に帰宅して母君の入浴、お食事。自分の入浴を終えたら珍しく19時を回っており、明日も授業がなく添削の進度にも余裕がある、ということで繁華街に出ることにして、タクシーで小料理屋「A」に新年初訪問。ママさんからご無沙汰で心配していたと遠回りなことを言われましたが、センター試験までは動けなかったと返せば、F校の事情にもお詳しいかたなので即座に納得、労いの言葉を頂戴しました。
 1時間ほど滞在の後、ライブバー「A」に。単独訪問は珍しく、マスターからは「いらっしゃい」の前に「あれ、事務嬢さんは?」と聞かれ。
 私「来週末がアカペラサークルの発表会。お忙しいのです」
 マ「だから独りなわけね」
 私「ちょっと気が楽」
 マ「それ、失言じゃない? あ、人妻と二人でバーに来るのが緊張する、とか?」
 私「それは、ない」
 きっぱり否定したら、横からビール持ってきたバイトのHくんに「女子会ですもんね」って言われました。小指立ててグラス持ったったわ。

 事務嬢さんと「A」に行くのは問答無用で楽しい。ただ、一点だけ気を抜いてはいけないことがあって、事務嬢さんがたまに放つ「あれ歌って」攻撃の「あれ」を判読するのが相当難しいというのがありまして。お酒が入ると、指令が雑になるんです。例えば「どうして~、ってやつ歌って」がサカナクションアイデンティティ」だとか、「こ~えを、ってやつ」ってのがANATAKIKOU「シンデレラ」だとかいうのは簡単です。でも、「ザッ・ザッ・ザッ、ってやつ」からモノブライト孤独の太陽」を導き出すとか、「ピアノの女性が『あっ!』って叫ぶやつ」が小谷美紗子「嘆きの雪」だと気づくとか、「イエ~、ってやつ」がウルフルズ「バンザイ」なのかはたまたフジファブリックの「カンヌの休日」か「All Right」かなのかを判断するとか、そういう咄嗟のやつがね、難しいんです。