二人はラチされた 何も知らぬ 他の客は楽しげに

 5時入りで来週頭の授業準備、扱うのは林達夫の『歴史の暮方』。理性の言語と命令の言語という別、昭和16年にようもまぁこんな文章出せたねって思うんですけれども、昨今の政治家の話し方(私は政治を全然、子供よりも知りませんが、たまにメディアで目にする様々な政治家の「話し方」には少しだけ興味があります)を見るにつけ名文は古びないの思いを強くします(或いは60年周期?)。国語科恩師先生は林達夫の文章を「読むと元気が出る」と仰っていました(私が読むと元気が出ると思うのは誰だろう……霜山徳爾と山本夏彦かなぁ)。

 今日の朝は忙しい、始業前に更に学年通信発想業務(封入と糊付け)、更に現代文授業用の朗読テープ吹き込み。
 現代文の授業で行われる生徒による教科書朗読。私はあれを好みません。初めて本文を読む生徒が出席番号と日付が同じだとかいう理由でいきなり「読め」と言われて、巧く読めるわけがない。意味が分からずに読んでいる朗読は、抑揚、息継ぎのタイミング、スピード、滑舌、どこをとっても「あぁ、この人は本文の内容が分かってないんだなぁ」ということをしみじみと感じさせるもので、満座50人の教室でそんなの強制されるのを轢き逃げか落雷にあったと思って諦めろというのは余りに残酷だし逆にそんな朗読聴かされる方も損だし。という訳で、朗読は全て事前に生徒による吹き込みテープを作るのです。立候補した生徒に事前に本文を渡して読んできてもらい、LL教室横にある録音室で吹き込み。事前に読んで本文内容を理解してきた生徒の朗読はスムーズです。授業中の指名(命令)ではなくお仕事でやってもらいますので、きちんとお礼(図書カード)も渡します。今日の吹き込みは演劇部の生徒でした。巧い。
 あ、そういえば、「滑舌」って日常語に非ずのジャーゴン扱いなんですかね。私が今使っているパソコンの変換候補にはありませんし、確か広辞苑にも載ってないんじゃなかったかな。

 さて、土曜半ドンの1~4限を駆け抜けるように高2現代文授業。終了後、帰りのSHRと掃除を副担任世界史先生に託し、私は学校を飛び出るのです。乗り換え新幹線2本を使い、目指すは一路京都。2週間前の振り替え上洛、土曜午後の出張会議のために一泊二日の出張仕事。会議の後は、58回生の医大生某氏と飲みの予定。

 行きの新幹線の中で、56回生某氏からメール。国家一種を経て現在は警察庁エリート2年目でいらっしゃる氏が、こたび警察庁のパンフレット表紙に載ったとのこと。そういえば彼は顔面偏差値の高いお方、頭良くてエリート(就職1年目の階級が『こち亀』大原部長より上って言ってたもんな)で顔まで良いって神様何物与えてんだよってなもんですけれどもそれが「倍率ドン! 更に倍!」で双子だっつーんですから最早何をか言わんや、格差社会糾弾とかいう崇高な社会活動も空しく思えてきます。その彼と機会があったら飲みましょう的な流れのメールやりとりしながら、待てよこいつ今の勤務先大阪じゃねーか機会っつーなら今夜じゃんかと気づき、58回生氏もそういう人見知りはしなさそうという勝手な判断で急遽合流けってーい。

 京都着、即駅内ホテルにチェックイン、部屋に荷物を置いたらそく会議場へ。会議内容は秘密。

 後、医学生58氏・警察官僚56氏と3人で飲み会。駅近くの串かつ屋で健啖。
 58氏の体育会系学生寮の上下関係・飲み会話は相変わらず下品で面白い。前に聞いた「ケツからシャウエッセン事件」も面白かったけれども、今回の「先輩×××××事件(←書けるわきゃない)」もかなりキてた。
 でもって56氏のエリート話も。何だよ80万の時計てそんなもんつけて串かつ屋になんてお越しあそばしてんじゃねぇよってか俺そんなやつに飲み代奢んのかよ、ってな感じ。
 一番凄かったのは、初対面の二人、医者と警察だから共通の話題が事件事故にまつわる話に尽きてたこと。次から次から出てくる話にへぇへぇと傾聴しつつ、神経の細やかな人だったら飲み食いはできんなこれは、と思う(書かずもがなですが私は無問題)。

 日付跨ぐか跨がないかの時間にホテルに戻る。健康就寝。