読め!

 健康気象、京都駅で生徒44人分のお土産を買ってK市へ。直で学校入りして昼から授業準備その他の仕事。只中の職員室へ、本日から高校寮に入寮する生徒が尋ねてくる。用件を曰く、本を貸してほしい。はいはいいいですよ、本を貸してと言われて貸さない貸せないのは国語教師ではない。

 入寮生徒、空き部屋の都合で両側3部屋ずつが空きという孤島感の中一人部屋なんですけど、「隣の部屋を入口の小窓から覗いたらお札が貼ってあってバカ怖い」とのたまう。施錠されてて中に入れないから確言はできないですが、多分あれは「九大祈願札」。ではあるんですけれどもそっちの方が面白そうなんてとりあえず分からないフリをして、本は伊藤潤二『うずまき』やら木原浩勝・中山市朗『新耳袋 第四夜』やら中野京子『怖い絵』やらの背筋悪寒系の諸々を貸して差し上げました。

 図書室で古い本を借りたら、本の最後に挟まっていた貸し出しカードに国語科恩師先生のサインが。ツイッターのような共時的な繋がりもそうではありますが、この通時的な繋がりを感じた時の喜びはひとしおです。蔵書貸し出しの電子管理化以降、消えゆく感覚になりました。本は渡辺一夫渡辺一夫著作集12』、先生も私と同じく「偽善のすすめ」の一文をお使いになりたかったのでは、と想像します。

 土屋賢二『不要家族』読了、★★★。