ク。ウ、ク。……わらわないね。

 11時半に登戸駅を出発する専用のシャトルバスで移動、車内ギュウギュウでおこわみたいになってる乗客はこれ全て幼児園児とその家族、オッサン1人なんてのは私以外に誰一人おらず、先日訪問したら大変面白かったとお薦め下さったオツカル様ですらお姉様とお出かけになったという訳で、孤立無援ぶらり旅の場違い感たるや到着する前から若干の後悔を感じたというのが正直な事実で、向かう先は川崎市藤子・F・不二雄ミュージアム。
 何も考えずに旅行前のK市ローソンで時間指定のチケットを購入してたんですけれども、入場時にもらったミュージアム案内によれば本日火曜は本来なら休館、これは春休み特別開館ということなのでしょうか。ミュージアム入り口前には既にして百人単位のお子たち親御たちが並び。

 入館後、最初にウェイティングルーム(展示室への入り口に入る前の、50人くらい入る小スペース)にて、館内の注意事項を聞く。わさびの声で注意されるのかと思ったら普通のお姉さんの声で、F校の生徒程度の集中力すらない年齢1桁世代のお子たちはわーきゃー騒いで注意事項どころじゃねぇ。
 展示室入り口で音声ガイド端末「おはなしデンワ」を受け取る……前に全力でカフェコーナーに走って整理券を取れ! とオツカル様に言われてたんでそうしたんですけど、やっぱり春休み激混みデーなんだから10時入場の最初の回じゃないとカフェに入る権利すら与えられないみたいで120分待ち。

 まぁ、待ってる間に展示を見て回れば良いのか、と先ずは本丸(なのかどうかは知りませんが)のFシアターから攻める。ミュージアム限定の短編映画、タイトルは、すすめロボケット&ドラえもん「決戦! 雲の上の竜巻城」。
 シアターは客でぎっしり。一番後ろのいちばん端っこ、群れの境界から鑑賞した後、隣に座った少年がお父さんに聞いていた「ねぇ、パパ、ロボケットって何?」という質問に全てが端的に集約される子ども置いてけぼりやんけというのが真っ先に浮かぶ感想。ロボケットって、ワシも知らんぞ。映画の中身は「雲の王国」のパチもんみたいなやつで、短編だからしょうがないんでしょうけれども筋も小ネタも中途半端。エンドロールの映像がいちばん面白かったかも知れません。あ、あと、地上から竜巻で吸い上げられた車や建物やが雲の上の世界でグッチャグチャに瓦礫化してたシーンを観て、震災から3年経ったんだなぁ、ということをしみじみと感じました。
 観客退場時にいちばんのサプライズがあるんですけど、こういうのを「出オチ」って言うんですかね。

 個人的には、数々の作品の原画展のコーナーが最も興味深く、これは解説不要の輝き。あと、子どもスペースみたいなコーナでF先生原作アニメ(白黒・カラー)のオープニング・エンディングの映像が流れるのは、高校時代までがっつりアニソン好きだった身体が久しぶりに震えましたよ。
 「おはなしデンワ」を耳に当てながら、藤子漫画が出来るまでの流れや、F先生の年表・生活やを追うというのも(まあまあ)楽しかった。
 常設展の方が、企画展「のび太の大魔境展」よりも充実してました(というか、個人的に興味深かった)。

 館内至る所に散るキャラクターの銅像や置物は、まぁそらこういうとこなら置いてるでしょうねそりゃ、程度の認識。「きれいなジャイアン」も子どもの行列が凄かったですけど、遠くから一回見たら十分で近づいてみようかなとまでは思わず。
 屋外「はらっぱ」コーナーで、ドラミちゃんの名前を冠したメロンパンをもぎゅもぎゅ。普通で美味しい。
 そして、これがいちばんの目的だと言っても過言ではないんですけれども、ギフトコーナーで「アンキパンラスク」を買い込む。1枚130円とそうアホほど高くはなく、しかもまとめ買いをするとブック型のパッケージボックスに入っていてこれを欲しがる人もいそう、ラスクだから日持ちもするし、何より勉強できるようになりそうで験が良い、ということでA組メンバーと職員室へのお土産に5箱60枚を。

 一通り館内ぐるりの時点で120分は余裕で超過していたのですが、ミュージアムカフェに行ったらまだ待ち時間が1時間近くありそうだったので早々に断念して(朝食・昼食を抜くのは得意なので)、真っ直ぐ退館、池袋へ直帰。

 面白かったと言えば面白かった。実際、子どもだけでなく(かつて子どもだった)大人が楽しめる(漫画が出来るまでとか、F先生の詳細な年表とかに子どもが強く興味を持つとは思えません)場だったので、訪れているお客さんは、子どもは勿論大人も生き生きとした表情で楽しんでいたのです……グズる子どもに怒りをぶつけるヒステリックな母親(一定数必ず居るんですね)以外は。
 私個人が二回目に行くことがあるかと言えば、空いてる時期なら行ってもかまんかな、程度の感覚で私が東京に行くのは長期休みの時だけなのでこれは二度と行かない可能性が高いということでしょう……あ、それよりもその前にまだ行ったことがない「ジブリ博物館」に行ってみたいな。 

 池袋に戻り、ホテルに荷物(アンキパンラスクが嵩張ること)を置き、夜の約束までは東京でいちばんのお気に入りネカフェに入って仕事したり日記書いたり本読んだり。
 待ち合わせの時間に合わせ、山手線ぐるりで渋谷。池袋から渋谷って、副都心線より山手線の方が(歩く時間を考えたら)結局早いんですよねぇ?

 同窓同僚先生を除けば、F高卒業生の中でいちばんの仲良し、55回生Tくんとさし飲みをするのが今回の上京旅行のフィナーレ、なんですけどもこれを書いてる2014年8月15日の時点で、何という店に行ったのかを全く覚えていない(多分、Tくんも覚えてない)。渋谷駅の中でもここはレベルが高すぎだろ見つけられないっつーの、という出口近くのビルの4階だか5階だかにあるイタリアンに1時間くらい滞在して、その後同じビルの地下にある九州丸だしの焼酎居酒屋に行った、ってのは覚えてるんですけどどっちの店も「美味!」ってほどじゃなかったから屋号の記憶がない。しかも2014年8月15日現在、Tくんとは今月頭に一緒に行った神泉の「ぽつらぽつら」って店がヒットしすぎて完全に記憶が上書きされてるんですよ(あっこは良かった、んで次の上京でも絶対に行く)。だから今日の飲み日記はメタ的な書き方で誤魔化してお~しまい。

 健康就寝。