ただ時が経っただけで

 4時起床(相当な寝だめですね)、6時前学校入りで授業準備。今日は、文系対象の現代文二次対策授業が1限に。東大の高樹のぶ子『熱い手紙』を本文とする文系専用問題を解いてもらいました。
 2限以降は授業も会議もなかったので、10時からノンストップで15時までかけて添削。帰りのSHRで返したら「早い!」と驚かれましたが、どこが早いというのでしょうか。

 私は現代文の添削を2色ボールペンで行います。青はアドバイスや解説、赤は実際の解答書き換え例、と使い分けるんですね。ですので、単なる○×採点よりは1枚あたりの時間は少し余分にかかります。今回の高樹のぶ子設問は記述が3題あったのですが、○×式なら1枚30秒で終わる採点が、添削だと1枚あたり大体6分程度かかります。で、45枚の解答用紙が手元にやってきたので、添削にかかる時間は6×45で5時間弱です。10時から15時で添削は終わり、帰りのSHR(15時30分)に返却可能だと、これは小学生でも計算できますね。
 添削1枚に6分というのがスピードとして早いか早くないかは生徒には分からないでしょうが国語の教員なら分かります、これは別に極端に遅くも早くもない平均的なスピードです。だから、要は途中で止まらなければ良いということですね。休むと間に合わない、かつ中断を挟むとその前後で採点・添削の基準がブレる恐れがあって不公平になるかも知れない。この、休まずサボらず手を抜かずという当たり前のことに関して驚く人が生徒には居るかもしれませんが教員にはいません。

 数年前のひと頃、職員室で盛んに「率先垂範」ということが言われたことがありました。今は殆ど使われていないので、局地的な流行語の一種だったのでしょう。私も職員室のメンバーなので、勉強は休まずサボらず手を抜かずかつ機嫌良くということの「率先垂範」が出来るような人間にならねばと思ったものでした(それは控えめに言っても至難の業で、自分がその山の2~3合目に届いたという意識すらありません)。あれが流行した当時、しかし何を「率先垂範」するのかということに関しては誰も何も言っていなかったように記憶している(或いは、単に私が聞き逃していただけなのかも知れません)ので、その解釈についてはかなり恣意的なんですけどね。