おいしくできたみからまいとしおとどけします めしませ

 日曜出勤の朝、先ずネットで共通テスト(←名称嫌)国語の問題に目を通して……唖然。え、何なの? これ、去年の追々試(←そんなものは無い)かなんかなの?
 いや、これ、センター試験と同じじゃん? 古賀シュウかよってくらい変わってないじゃん? と。
 試行テストであれだけ騒がれ、予備校模試や市販の問題集が追従しまくった実用文とやらが影も形も無くなった(残像くらいはあると言い張れば言い張れないこともない)のは正に「大山鳴動して鼠一匹」、長い目で見たら(入試改悪の頓挫なのだったら)ひとまず安堵なのかも知れませんが、振り回された今年の受験生は可哀想どころではなく。

 まぁ、言いたいことは置いておいて、仕事として先ずは評論・小説の解説プリントを作成します。評論の出典は香川雅信『江戸の妖怪革命』、水木チルドレンとして個人的には嬉しい(2005年の本は発売直後に読んでいますので、就職直後ということになりますね)。ただ、問題の善し悪しは別でして。例えば。
 最後の設問で芥川「歯車」の一節が引用されているのが新機軸(?)なんでしょうが、選択肢を消去法で削る時の決め手となる要素がその「歯車」の読解如何のみで、事実上、評論本文(との有機的連関)の理解が問われていないことは作問として弱いとしか言いようがなく。これはもう誰かが指摘しているかも、と各予備校の解答速報を見たら、大手の中ではT予備校だけが正しく指摘していました。
 あと一つだけ。本文3行目に「世界に属する」の表現があって、その3行後に「ミンゾク(民俗)」の漢字4択問題(問1)がある(正解は「公序リョウゾク(良俗)に反する」)。で、その3つしかない誤答選択肢に「楽団にショゾクする」を入れるってのは私なら絶対にやらない。どんだけチェックが甘いんだ検索一発のことじゃないか、と思うんですけどこれは重箱なんですかね。知らんけど。或いは、逆にミスリードになると思ったのかしら(単純な書き取りではない選択問題だし)。書き取りと言えば、東大も17年の第一問(伊藤徹)の漢字で「キュウサイ(救済)」を問うているその近くに「経済」の語が出てくるってのをやっているので、作ってる人は案外あんまり気にしないのかも知れません。
 とまぁ、設問に野矢茂樹『論理トレーニング』(駒場時代の基礎演習で先生ご自身から習うという幸運を得ました)っぽい箇所があったり、何しろテーマが妖怪ですし、解答体験は割と楽しいものだったとは言えます。類題は……京大志望者なら寺田寅彦「化物の進化」とか?

 繰り返しになりますけど。
 これまで常々「共通テスト(←名称嫌)国語用の対策はしない、センター過去問だけ」と言い続けてきた理由は、
 ①実用文など現代文の授業で扱いたくない。
 ②対策しなくてもF校生は対応出来る。
 ③複数文章並列なんて就職以来ずっとやってる。
 ④逆張りのオレ格好よき(←恥)。
 等々ですが、まさか「結局センターと殆ど変わらない」という結果は流石に予想外でした。別段激しく難癖をつける問題ではないという結論になったのに腑に落ちないというか座りが悪いというか。先日までの「大山鳴動」即ち施行テストの阿呆みたいな実用文に数々の模試・問題集が追従したここ暫くの混乱は何だったのよ、と。施行調査の結果や反響やを経て作り手側がはた「この方向性は無理・無意味」だと悟ったとでもいうのかしらん。

 1/17の「自粛御膳」。
 冷や汁メバル煮付け・浅漬け・小鉢6種。
 昨日の冷や汁の残り、今日は白飯で(朝、冷蔵庫で冷たく冷やしておきました)。本格的に煮付けを作ったのは初めてで、以前「もりき」マスターに教わった「1:1:1」の魔法通りに煮汁を作ったら成功しました。