妬み僻み嫉みで日が暮れて

 半ドンの出勤中はデスクワークで、今日は今年度の東大漢文の解答解説プリントの作成を。書き下しと現代語訳とは(掲載されている本があるのか知らないので)取りあえず我流でやっておくしかありません。改めて書き下しや現代語訳やをしながら設問を読み返してみると、うん、やっぱり難しいですよねぇ。作成したプリントは、来年度以降の授業で使いますが、その前に今月末の国語科会議にて入試分析の資料となります。

 出張なのでタクシーチケットを使ってJRの駅へ。今年頭から、それまで駅近くに店舗を構えていた老舗ラーメン「R」が駅構内に移転しているのですが、今日は夜に質の高いものを食べるので昼はジャンクにと決めて入店。K市最古の「R」は元々は屋台出身、そもそも屋台料理とは背徳感をスパイスにするのが流儀だとでもいうのか、とにかく豚骨臭とケミカル感との波状攻撃は一口ごとに自分の身体への申し訳なさが募ります。素面で食べるもんじゃないな、と確認。

 博多出張は会議なのですが、折角だからと早めに到着して駅ビルの中の「丸善」へ。この店舗は訪問回数が少なくて棚の配置に慣れていないので、背表紙読書の店内逍遙がややぎこちなくなって……その代わりに注意深くなったりするのかな、久々に、通り直ぎ様に視界を掠めた本(の、タイトルの一部)に一瞬遅れてから「惚れる」というセレンディピティが起こりました。引き返して棚から取り出し、目次と前書きとを斜め読みしたら果たしてで、20年末に刊行のこの本からは確実に構内模試現代文が作れます。

 某予備校(博多校)に九州の進学校の教員が集まって、先般行われた高1・高2対象の模擬試験の結果検討会です。国語分科会には、F高から私含め2名の他、九州の人間なら大抵知っているという進学校の先生がお二人。たった4人での会議ではなく、四国の先生はご自宅からZoomで、大阪会場にはもっと大勢の(とは言っても10名弱の)先生方がおられ、3箇所をオンラインで繋いで行うとのこと(司会は予備校の担当者氏)。途中、音声が途切れたりするシステムの障害はありましたが総じて順調に会議は進み、2学年4題ずつ(評論・小説・古文・漢文)の文章・設問について様々な先生が様々な発言を……私も振られて何度か喋りました。オンラインの会議は初、経験することだけでも価値ですよね。

 会議については違和感不満等はない(所詮一介のボンクラ教員なんで)んですけれども、時々「ん?」と思うことがあって、それは「関東の先生方は~」と司会の方が仰る時。こういう会議は、大抵の場合東日本と西日本(っつか関東と関西)とで行うみたいで、今回も我々西日本組の前に既に東日本組の会議が終わってたらしいんですけれども、そういう時に司会の方が「関東の先生方からはこのようなご意見が」と仰る時のその意見の取り上げ方が、単に参考レベルで投げてるというだけなら別に良いんですけど時として「向こう(様)がこう仰ってるんだからこっちもそれで落としませんか」という微妙な圧や急かしやを感じさせることがあるんですね。ど田舎被害妄想7割だとしても、3割くらいは合ってると思う。でもって、そういう時に「悪いですけど、それ多分違って、それじゃ落とせませんよ」と言ったら大体引かれて、違和感不満等はないんですけれども、何というか、困っちゃうんです。

 私「……というわけで、困っちゃうんですよ。反論不要ならわざわざモブ参加者に聞くなよ、と」
 数「それはそれは。でも、予備校側も会議の残り時間だ人間関係だと調整しなきゃならんことが多いんでしょうから」
 私「解ってますよぅ。っつか東だ西だっつー以前に、個人レベルで『偉い』教員とそうじゃない教員がいるっつーんでしょ? 昔、××(←某社。内緒)から模試作成頼まれて一回だけやったんですけど、その時の会議で思い知らされましたもん。でも正味の話、そんなん知らんがな、って思いません?」
 数「またそういうやさぐれたことを言う(微苦笑)。で、今日の東京の意見はどう間違ってたんです?」
 博多の居酒屋。私は一気にビールを呷る、一緒に高2担当の数学先生は宥める振りして若造を煽る、悪い会合です。折角の博多ですから、私がK市へ、数学先生が北九州へと別れて帰る前に短く1軒だけ、となりまして。

 3/13も「自粛御膳」をお休み(いや、いつか再開しますよ、ホントに)。博多出張の機に乗じて居酒屋「太郎源」にて、先輩数学先生と差し向かい。
 刺盛り・佐賀牛タタキサラダ・マグロカマトロ焼きの3点が鉄板。マグロは数学先生も絶賛して下さって冥利です。若い卒業生が喜んで飲み食いするのを見るのが嬉しいのは正しいオッサンのススメで勿論私もそうなんですが、職場のベテラン先生が喜んで下さるのもまた人生の格別で、だから今日は勝ちの日です。しゃ〜わせ。
 てぇげぇ酔っ払った帰り際の「代金は私が合戦」の果て、お釣りの5000円を押し付けあった挙げ句店に忘れてくるというちょんぼをかましてしまい。店からの電話は帰りの新幹線の中だったので、お願いして預かって貰いました。仕方ないから、近々に再訪しないといけません。参ったなぁ(にやにや)……と思っていたら、月曜日に仕事帰りの数学先生がお店に引き取りに行って下さっていました(2500円ずつ折半)。