自分たちが求められているものがどの水準にあるのかが

 半ば「桃鉄」気分で全国の日本酒蔵のお酒を次々に試している1年半、遊びそれ自体が愉しいんですけれども、300とか400とか試していると、改めて自分がどういうお酒が好きなのか、が解ってきます。私の場合、元々「もりき」で(20代終わりに)「調教」されたのが最初ですから、そこが舌(脳?)を決定づけている訳です。それに基づいて10~20蔵程度挙げられる元々大好きな蔵……が、初体験の200だ300だの蔵を鑑に「改めて好き!」ってことが解るのも「○」ですし、稀に「うわ、ここの、好きなやつだわ!」というのがあるのも「○」ですし、「数撃ちゃ」ってのは悪いけど有益。

 佐賀「古伊万里 前」「光栄菊」、長野「小布施ワイナリー」、福島「奈良萬」、岐阜「射美」、岡山「燦然」、栃木「忠愛」「七水」「辻善兵衛」、山口「天美」「金雀」、埼玉「彩來」、千葉「総乃寒菊」、三重「田光」……等々が「うわ、ここの、好きなやつだわ!」となった蔵で、「もりき」を通さずに好きな味に辿り着いたことでちょっと大人になったような気分も味わえたり(という感覚こそが餓鬼だって証左なんでしょうけど)。
 で、今日開栓した1本もそういうお酒でした。

 さて。
 分かってはいても、実際に緊急事態宣言が決まったとニュースに接したらそれは心に来ます。取りあえず、9/26(日)から佐賀は古湯温泉、10/10(日)から大分は別府温泉、宿1泊を押さえました。どちらも翌月曜の高3が模試で授業が無く年休取得。別府では、地獄巡りのバスツアーも予約しています。先日、東京のまっぴぃと亀の井についてやり取りをしている内に、道祖神の声が聞こえてきました。

 高3の現代文授業が4つ、放課後には京都大学特講。京大はユマニスト渡辺一夫のエッセイで質・量ともにヘビー級です。
 センター試験の演習は10年本試験、中沢けい『楽隊のうさぎ』。これまで何度も解説した教材ですが、焼き物買い出し紀行にハマったコロナ禍を経て初めて、ここぞの食卓に古伊万里を出す百合子さん(食器店オープンの計画が進行中のプロ)の描写が(シーンや人物像が)これまでと違って見えました。実体験って、読書を変えますね。

 9/13の「自粛御膳」。
 牛しゃぶ鍋・スナップエンドウ煮・小鉢1種。
 433蔵目・群馬「HIZIRIZM」(雄町 生酛 純米大吟醸)。知らない蔵でしたが、前述の通りこれは美味しかった。群馬といえば「町田酒造」「尾瀬の雪どけ」「水芭蕉」「群馬泉」……くらいしか思いつかずなんですけれども、それらを超えて暫定1位、みたいな。