ハルカの陶

 5時起床、入浴、チェックアウト準備。7時にホテルを出て、駅近くのカフェでエッグベネディクトの朝食。岡山駅から鈍行で移動する目的地はJRの伊部駅、30分強なので車窓を眺めていたらあっという間です。今朝(というか、今回の岡山旅行)の目的地は「備前焼の里」。9時過ぎに駅に着き(当たり前ですが、映画『ハルカの陶』で観たのと同じプラットホームでした)、待ちの観光スポットを軽く散策したら、10時頃から陶器のお店が開き始めるという算段。

 「市指定文化財天保窯」~「国指定備前陶器窯跡」~「忌部神社」~「天津神社」と、町北部の山中を1時間歩いて見学。昨日のタクシー運転手さんに言われた通り、「備前焼」が焼き物の代名詞で全国何処ででも買えるからなのか、確かに観光客皆無でした。町歩きでは殆ど誰ともすれ違わなかったので、ずっとノーマスクです。
 北部山中の窯跡には古の陶片が散らばっており、備前市教育委員会の「持ち帰り・掘り出し禁止」の立て看板が幾つも立っているんですが、忌部神社にお詣りをしたら本殿の正面に張り紙がしてあり、何かと近づいたら神社宛の手紙のコピーでした。文面を読めば「陶片を持ち帰ってから不幸続きで改心、お詫びのお手紙とともにお返し致しますのでどうぞお救いを(大意)」という恐ろしいものでこれが伊部訪問のハイライトだったかも。

 10時からは、「備前焼ミュージアム」で焼き物の歴史を勉強し、伊部駅舎ビル2階の展示販売所(伊部の殆ど全ての窯の作品が並び、気に入った窯を直接訪問すれば間違えない)で事前調査。その後、昨夜の「季節料理 かたやま」で教えてもらった「一陽窯」や、駅ビル展示で一目惚れした磨き青備前のお茶碗を焼いている「小西陶古」などの窯(お店)を3時間程ぶらぶら。小鉢・丸皿・長皿・茶碗・汁碗・ぐい呑等々、自分用とお土産用(仲良し事務員さん夫妻に小皿2枚)との買い物で散財……実際本当に「散財」で、後から有名な窯だと知った「小西陶古」で買った物の中には、磨きのお茶碗11000円だとか龍の彫り物のぐい呑14000円だとか人生の素人にはとても分不相応な逸品も幾つか(店員さんはニコニコと「どうぞ普段遣いで」ですって、お~遣ってやろうじゃないの)。磨き青備前のお茶碗は、「小西陶古」の本店にあるやつではなく、観て惚れて手に取って虜になったものを駅ビル2回に戻って買いました。その際、町で買った全ての陶器を自宅まで配達して貰うよう手続き(割れ物を大量に持って歩くのは自信がないので)。
 無人駅に電車は1時間に1本、なので時刻表の下調べが必須です。時間に余裕があれば閑谷学校まで行ったのですが、それは次の機会(あるのかな)にお預け。

 岡山駅に鈍行で戻り、今度は桃太郎線というのに乗って吉備津駅まで。
 吉備津駅から徒歩10分の吉備津神社が今回最後の観光。本殿に参拝してから有名な回廊(吉備津造り)を歩き、学問ご利益の一童社(時節柄なのか「合格」の飾りを巫女さんたちが手作り中でした)をお参り。久しぶりに、日立(火断ち?)の「火気厳禁ボード」(←これは名所観光の重要な要素です)も撮影パシャリ。

 吉備津駅から岡山駅に戻り、お土産を買い込んでから夕方前の新幹線に乗りました。K市から岡山は新幹線で片道2時間弱、これは中学高校時代(まだ九州新幹線が無い時代)に実家小倉とF校の寮とを毎週往復した西鉄高速バスの所要時間と同じです。要するに岡山は「近い」ということ、見たい場所は積み残していますので、またいずれ。

 11/07も「自粛御膳」をお休み、居酒屋「もりき」にお土産をお届けするまでが旅行です。
 小鉢2種・牡蠣鉄板。