龍宮みたいに浮かんでる

 『高校生クイズ』の全国大会オンライン1回戦を、F高1年生チームが勝ち抜き、週末に東京で行われる2回戦に出場との連絡が届きました(ここから先の展開は、以降内緒にします)。メンバー全員が外進A組で私との(授業その他での)関わりが無いこともあり、引率は担任の体育先生が行って下さいます。コロナ禍で不自由もあるでしょうが、目一杯楽しんで欲しく……
 ……ではありますが、不安の種も。最近、割と好意的な意味で使われているのをよく見かけるようになった「わちゃわちゃ」という言葉ですが、これ、コロナ禍の中では絶対にNGの行為です。だから、それらをそのまま仕事にしているようなひな壇芸人だとか大所帯アイドルというのは、今は画面で観るだけでも正直苦しい(番組自体がというよりも、楽屋舞台袖を想像してしまって)。ふと気になってニュースを探ると、感染者、結構出てますよね。それらの人々の出演が多いだろう『高校生クイズ』収録、やっぱり少し心配。生徒が絡むと、偏見が出ますね。

 さて、温泉旅館独り旅1泊2日、2日目。
 早朝に起床、6時の入浴。館内には浴場が2箇所あって、前日夜と今朝とで男女が入れ替わるというよくある形式。昨日のお風呂場は大変広い浴槽を備えていましたが、今朝のお風呂場は小ぢんまり。お湯は良いです。
 朝食は昨日の明るい仲居さんがお運びを。お味噌汁が具沢山で嬉しかったです(お櫃のご飯は、頑張ってお茶碗2膳、それでも残ってしまいました)。食後は、直ぐにチェックアウト。タクシーを呼んでもらい、20分ほど走ると仙崎に到着します。

 本日は、半日かけて仙崎の町を観光します。タクシーが到着したのは仙崎の道の駅「センザキッチン」。海沿いの施設の一角に乗り場のある、青海島観光クルーズを体験するのが本日のスタートです。本来なら90分かけて島を一周するそうなのですが、今日は台風の影響が残り外海が荒れている(船、めちゃめちゃ揺れました)ので1/4周で折り返す50分のルート(洞門を船で潜る経験ができずにちょっと残念)。それでも、波飛沫越しに奇壁を眺め渡す体験はなかなかに刺戟的でした。
 次いで、仙崎駅まで歩いて移動。構内には、かまぼこ板を使った金子みすゞアートや、ご当地出身の作詞家・大津あきらに関する展示などがあってちょっとした時間潰しが出来ます。男闘呼組「TIME ZONE」、杉山清貴さよならのオーシャン」、高橋真梨子「for you…」、徳永英明「輝きながら…」、中村雅俊「心の色」等々の手書きの歌詞、お好きな人にはたまらないはずです。
 更に、先ほどの観光クルーズでは下を潜った青海橋を歩いて渡って青海島の王子山公園へ。高台からは仙崎一望、金子みすゞが「龍宮みたいに浮かんでる」と詠った風景を眺めました。

 仙崎は金子みすゞの町、町中(まちじゅう)の至る所に作品を書いた掲示板、かまぼこ板アート、銅像、等々が。「金子みすゞ記念館」には、彼女の生家の再現家屋、及びその資料を展示した記念館本館の2つがあり、私は前者の中に展示されていた実弟・上山雅輔(演劇界の大物)の資料・一生に惹きつけられました。本館では、彼女の素朴且つ美しい詩を巡ったり、詳しい年表を追ったり。金子みすゞがもし結婚に失敗していなかったら(夫は、彼女が詩を作ることや詩壇と文通することを禁じるというDVを働きました)、というのは詮無い想像ですが、彼女の短い一生を見るにつれそう考えずにはいられません。
 その他、町中散策。仙崎には金子みすゞの「詩碑」だけではなく何箇所かに大津あきらの「詞碑」があったのですが、小学校近くの海水浴場の傍には中村雅俊「心の色」のものが。一応写真に収めたんですが、撮ってる横で全裸の青年3人が水遊びではしゃいでて気まずい気まずい。

 炎天下の徒歩移動は、途中で喫茶店でのアイスコーヒーを挟んだものの滝のような汗を誘発。ペットボトルのミネラルウォーターを飲みながら。大きな荷物は最初の青海島クルーズ乗り場のコインランドリーに入れています(帰りの乗り合いタクシーはセンザキッチン発)。という訳で、9時半のクルーズから始まった仙崎町観光、再びセンザキッチンに戻ってきたのは13時過ぎ。乗り合いタクシー出発までは2時間半あったのですが、ぶっちゃけここはちょっと暇でした。
 家族連れを中心に滅茶苦茶な人出で、正直「密」を考えるとフードコートに座る等は憚られます。結局、特産品売り場をず~っとぐるぐるぐるぐるしながら、Hさんや事務嬢さん、そして自分用のお土産を何にするかを悩み続けるという、あまり建設的ではない時間を過ごして終わってしまいました。

 昨日もお世話になったタクシーの運転手さんに2000円を払って、センザキッチンから新山口駅までのタクシー所要時間は90分。乗り合いのお客さんはお一人だけでした(途中の長門湯本から乗って来られました)。90分間は、もっぱら音楽を聴きながら流れていく景色をぼ~っと見ているだけ(寝落ちはしませんでした)。新山口駅には16時55分着、その5分後に、福岡のお店では許されていない種類提供が許されているとあるお店が開店することを、事前に調べています(店は駅から徒歩1分)。

 8/10も「自粛御膳」をお休み、新山口の回転寿司「タカクラ」にて、福岡では出来ないお店での読書独酌をば。
 あん肝・茶碗蒸しイクラ乗せ・刺身3点・寿司7皿。
 405蔵目・山口「原田」(特別純米酒)。
 406蔵目・山口「村重」(純米吟醸)。

 ちゃっかり「日本酒チャレンジ」も進めて90分弱で退店。行きと違って乗り換え無、「さくら」でK市まで1時間弱の新幹線、K駅からタクシーで帰宅をした後、お風呂に入りなおしてから就寝。
 楽しい旅路でございました。