ハニカミポリスメン あこがれパイナポ

 1限が東大文系コースの授業(今福龍太)で、2限以降はその添削をガシガシと行う、という半ドン終業時までの動きはいつもと同じ。で、今日は放課後16時の東大理系現代文特講がなく、代わりに別の仕事・遊びの予定が入っておりここからが常と異なります。

 数日前のお昼、国語辞典の「怖ず怖ず」の項目に挿絵がついてたとしたらこの顔、みたいな顔で私に話しかけて来られたのは、国語科の2歳年下の後輩、中2担任先生。どちゃくそイケメンでお洒落で図書館管理一手でサッカー得意でバンドやってて小説も詩も書けてパートナーさん芸術家で子煩悩で引っ越し魔でなんかもう情報量が多い!(←「怖ず怖ず」の顔してるから怒んなきゃいけないみたいな感じになってます)
 後「あの……本当に申し訳ないんですけれども、先生にお願いしたいことが」
 私「と、言いますと?」
 後「明日午後の図書委員会の選書ツアーの引率を私の代わりに……」
 私「明日、放課後? ちょっと待って予定調べる」
 後「えっ、いや、先生のご都合が悪いなら全然……」
 私「14時から、紀伊國屋で2時間……タクシーでJRに移動したら博多行きの新幹線に……あ、間に合うわ。全然OKよ、行く行く」
 後「本当ですか? 有難う御座います! これ、次第と参加生徒の名簿です」
 私「『選書ツアー』っていうのが何やる仕事なのか全然判ってないんだけど、行けば何とかなる?」
 後「紀伊國屋の担当の方に全部お任せで行けます。あの、えっと、本当に済みません……」
 何の都合なのかは知りませんけど、たかが土曜半ドン後の出張2時間代わってってだけでそんな「怖ず怖ず」しなくてもよくない? ってくらい「怖ず怖ず」でした。要はまぁ、後輩先生が誠実だってことなんでしょうけど、私そんな怖い?

 で、図書委員会の選書ツアーとは何ぞや、というと、ン十万円の予算が与えられた上で、図書委員(今年はコロナの影響で人数を絞って4人)と引率教員(私)とが、K市の血痰ネーミングショッピングモール「You meタウン」内の紀伊國屋書店に赴き、現在F校の図書館に入っていない本の中から好きな本をジャンジャン選んで蔵書に入れるというイベント。
 生徒4人(高1、初対面)と私とを店先で出迎えて下さった書店担当者の方から書店のバックヤードに連れて行かれ(これを覗くのは初めてで社会見学として大変良い経験でした)、私が選書する書籍の代金が14万円分だと聞かされた時は思わず「えっ!」と声を出してしまいました。14万円分も本を買って良いの? 自由に? わお。
 5人がそれぞれ1機ずつのバーコードリーダーを渡され、書店に並んでいる本から蔵書に入れたいと思う本のバーコードを読み取って(棚に戻す。購入は読み取りが総て終わってから)いくという作業。既にF校図書館に入っているのか否かは、ネット上で検索出来ますので重複の心配はありません。

 新書・文庫・雑誌・漫画はNGですが、それ以外はどんなジャンルでもOK。例えば私は選書開始直後に迷わず小説のコーナーに行き、橋本治『人工島戦記』を選びました。これが1万円、残りは13万円(開始1分経過)、高い本でも臆する必要はありません。
 己の趣味と生徒需要、既に図書館の蔵書にあるかないか、等々の塩梅を考えながらの選書作業、感想だけ先に書くととても愉しかったです。最初は「K市の書店でしょ? 民度低いよ、どうせなら博多店の品揃えで選ばせろ!」と思っていたのですが、期待していた本が無かったり或いはその逆だったりというゲーム性が段々面白くなってきたのです。制約って、燃えますよね……っつか後輩先生、こんな愉しい仕事を毎年やってたのか、羨ましい。
 私は30分程度で選書を終え、後は4人の生徒の選書を見学したり、バックヤードを覗いたり。バックヤードでは、紀伊國屋書店レベルでもこんなに狭いのね、という「密」な事務スペースで、書店員さん(偶然なのか全員女性)が猛烈な勢いでキーボードを叩きつつ、滅茶苦茶他愛ない雑談に花を咲かせておられ(完全に口と手とが独立していました)。
 
 書店の隣には文具コーナーがあるんですが、私、生まれて初めてカレンダー仕立てのポケット手帖を購入しました。最近までは仕事・遊び(飲み)の日程・時刻が曖昧になることはなかったんですけれども、ここ暫くちょっとそれに自信がなくなって来たので(後、滅茶苦茶沢山旅行に行くようになったので)、ジャケットの内ポケットに入るサイズのものを選択。空き時間に、3月までの会議・ライブ・飲み会の予定や宿泊ホテル(チェックイン時刻)等々を確りと書き込み(例えば、今夜は博多駅17時50分の集合です)。これだけでも今回の出張の元は取れました。

 血痰ネーミングショッピングモール「You meタウン」で引率生徒と別れた後、タクシーに乗ってJRのK駅まで移動し、新幹線で博多までは20分弱。駅ビルでちょっとだけウィンドウショッピングをして(本格的な買い物は明日の帰りにやります)、駅から徒歩7分のホテルにチェックイン。
 お風呂にお湯を貯めている間はスマホを充電しながら明日の映画(T-JOY博多)のチケットをオンラインで予約し(最近これを出来るようになりました)、入浴後に着替えてホテルを出たのが17時45分、待ち合わせは博多駅前50分なのでギリかな、と思ったのですが途中待ち合わせ相手のIくんから連絡が来て、駅前がとんでもなく「密」なので店で待ち合わせましょうということに。そうなんです、博多駅前、何のイベントをやってるのか知りませんけど、出店だステージだに何千人レベルの群衆が押し寄せてて、近寄るどころでは。

 11/27は「自粛御膳」をお休み、博多泊の夜を63回生Iくん・Mくんと3人で愉しみました@居酒屋「太郎源」。
 刺し盛り・佐賀牛サラダ・天麩羅盛り・自家製辛子明太子・鮪カマ焼き。
 散々っぱら飲んだ後の2軒目「二〇加屋 長介」でいきなり男気ジョッキ(リットル)を頼むなど久々に(私ではなく意外にもMくんが)荒ぶって、月一ペースで「いつメン」化してる会合の「次」を確かに約束したのに、それを何時・何処にすると決めたかを完全に忘れていることにホテルに戻ってから気づきました。メモ帳は便利、でもそれに書き込みすること自体を忘れる程にポンコツだったっつーならもう救いようがないぞ厄年。