世に生まれ出ることに不思議に打たれていた。

 3~6限で高3漢文の授業……だったんですけれども昨日の日記に書いた通りに今日のメインは2限。授業を捨てて(翌日に回して)10時開始の東博『国宝展』のチケット購入に全力を注ぎます。日本の国宝の1割を占める収蔵89点を一挙公開の奇蹟……「っつっても展示替えがあって全部が見られる訳じゃないんでしょう?」と数人の先生には言われたんですけれども半分だって1/3だって奇蹟は奇蹟行かいでか観ないでかってなもん……なんですが、懸念が1つ。その「(会期中は)展示替えがあって」というのに但し書きがあって、「但し、刀剣については会期を通じて全てを特別ルームで公開します」という大盤振る舞いなんです。で、その大盤振る舞いが問題なんです。

 職員室横のPC室にヘルプの後輩数学先生と籠もる。私は自分のスマホで、ヘルプの後輩先生はPCで、チケット申し込みサイト入口を開いて発売開始5分前から待機です。10時00分00秒にその入口のドアを叩く!
 国語「すまぬな、礼は今月の『G』の払いでする」
 数学「いや別にいいんですけど、チケットってそんなに取れないもんなんです? 流石に念入りが過ぎません?」
 国語「(ふっ、素人め……)解らぬ。だが、世の刀剣女子のエネルギーは決して侮ってはならぬと私の直観が言っておるのだ」
 そうなんですよ。前述の「大盤振る舞い」が問題なのはそこで、特別ルームまで用意して刀剣を推し、あろうことか『刀剣乱舞』とコラボをするという。twitterでミュヲタのボスみたいになってるサークルの後輩(まっきょん)のtweets(及びretweets)を読んでいる限り、世の「刀剣女子」のチケット獲得のスキル、っつかエネルギーはそんじょの転売ヤーやダフ屋ではとても太刀打ちできないレベルなんじゃないかと……10時。
 数学「うわっ、重っ! 全然動かないです!」
 国語「だろう! 引くな、押すんだ!」
 結局、日付・時刻の選択画面には私も数学先生も割と直ぐに辿り着いたんですけれども、その選択をしてから次の画面に遷移するまでに長い待ち時間があり(画面にそれ用の時計が表示され)、数学先生は「遷移に待ち時間? 何これ凄っ!」と驚いておられました。遷移までの待ち時間は国語が4分、数学先生が1分で数学の勝ち。お陰で無事に(10時5分に)チケットを購入できまして、俄然東京が近づいてきたという実感です。因みに、後でTwitterを見てみたら10時10分の段階で既に遷移まで15分とかいう世界に入っていたようで、下手したら3限の時刻に食い込む可能性すらあったということですね。恐るべし、刀剣(女子)乱舞。

 10時5分以降は安心して仕事。授業4コマ、12月までの時間割変更案を印刷配布する作業、浪人中の70回生の答案添削。
 東京は近いし、仕事帰りにはユーミンのベストアルバムも買ったし、人生が楽しい。

 10/04の「自粛御膳」。
 小鉢2種〜ひらまさアラ煮〜しょうが奴〜一汁一菜。
 今夜はユーミンを聴きながら。ビールは勿論キリンラガーで、その後はとっておきの日本酒・熊本「産土」を開けてワインのように戴きます(用意した食べ物は完全に「四畳半フォーク」なんですけど)。

 松任谷由実ユーミン万歳!!』、★★★★★。タイトルどうよとか、また「かんらん車」が漏れた(!)、とか言いたいことは幾つかあるんですけれども、そもそも50年のキャリアでベスト盤を作って新旧のファン全てを完全に納得させるなんて不可能な訳でして。51曲のボリュームですので1回通すだけでも長旅が過ぎるんですけれども、あの曲この曲に身を浸す恍惚に飽きは全く来ません、ファンで良かった。さて、曲によっては楽器の差し替えまで行う手術をしたそうなんですけれども、幾つかの曲の「別物」感は確かにもの凄い。ユーミンイントロには結構自信があるんですけれども、例えば「Voyager」なんかは最初それと気づかず「えっ、新曲……?」ってなりました。
 そして、「別物」感と言えば、AI荒井由実ですよ。2022年の松任谷由実がAIで再現した荒井由実とデュエットする新曲「Call me back」です。結論から言うと、PVは微妙(生身に勝るものなし、を再認識)だったんですけれども曲は(80年頃のお蔵入り演奏音源も、2人? による歌唱も)良かった。山下達郎御大はAI美空ひばりを「冒瀆」とぶった斬りにしましたが、死んだ後で他人にやられる(これはもう、絶対「やられ」るでしょうね)くらいなら生きている内に自分たちで先手打っちゃえ、って感じだったんでしょうか。東京大学のHPには、大学院情報理工学系研究科による(歌声を人工再現する)技術開発についてのプレスリリースが公開されています。