よそを向かないで抱きしめて 瞳をそらしたら きっと傷つけてしまう

 クローゼットから冬用のコートを出しました。183cmの私の踝一寸上くらいまでをすっぽり包み込む超ロングコートです。真っ黒で襟は皮。変わった格好なので在校生の前ではあまり着ないのですが、卒業生の前で着るとよく「ハリーポッター」と笑われます(なんたらかんたらパトローナム!)。
 昨日の日記に「着る物に金を使いたくない」と書いた私が、これまでに購入したもっとも高い服がこれで、確か25万円くらいだったと思います。大学2年生の時にデパートで一目惚れ、一秒も迷わずに銀行に走って貯金をおろしました(一括払いで購入しました)。以来四半世紀ずっと着続けているんですけれども、大学時代の保管のいい加減さから襟の皮が変色したり、背中の部分に小さな(誰も気づかないような)虫食いがあったり。私、一目惚れの相手に可哀想なダメージを与えるモラ夫なんです。

 1限が文系漢文二次対策、2限が会議。3限の時間に1限の答案の添削。昼休みは学校近くのスーパーマーケットで買い物。午後は机仕事(浪人生添削・時間割・教務部書類作成・授業の板書準備)。16時から東大理系漢文特講、最終回は2017年の劉元卿『賢奕編』、11/19の日記に書いた通り、本文は要するに「鼠の嫁入り」なんですけれども年若い生徒はそう言われてもピンとこない(新鮮な気持ちで本文が読めるということですね)。17時に講義を終えた後、職員室で添削・集計を。いつもなら1時間程度で切り上げて残りは翌未明に回すのですが、今日は長めの時間を使って最後まで終えてしまいました。

 学校からはタクシー、翌未明に仕事を残さず存分に飲める状態で「もりき」にイン。今夜は仕事の一区切り、自分で自分を祝います、とマスターに告げたら、最初のセットが今季初の鴨タタキ刺し・群馬「尾瀬の雪どけ」(純米大吟醸 愛山)でした。色々食べる気だったんですけれども、いきなり店の最高級を出されてしまったので他の食べ物を注文する気にならず(しかも、鴨刺し、以外に分量が多いんです)。

 帰宅後に、ちょっとした摘まみ(うどん・きりざい)を準備して飲み直し。区切りとなる630蔵目の日本酒を開けたんですけれども、さっきまで「もりき」で飲んでた馴染み(好きなタイプ)の日本酒とはやや方向性の違うものでした。千葉県の蔵は、何だか私と相性が悪いというイメージ。
 630蔵目・千葉「天乃原」(純米吟醸)。