鷹は舞い降りた

 朝早くにHさん家に呼ばれ、母君のお供え用にと仰るには随分な分量の(中くらいのタッパーにびっしり詰まった)炊き込みご飯を頂きました。お供えの後、自分用の朝食にも、昨夜(かなり酔っぱらった状態で)作った味噌汁の残りと一緒に。本日は早い時間から(かなり確りと)日本酒を飲むので、空きっ腹は避けておこうという算段です。

 午前中は書斎で書き物と机仕事(10月に第3回、12月に第4回が行われる校内模試関連)と。昨日、職員室で特講の答案返却の準備を全て終わらせましたが、私は今日から3日連続で学校に立ち入りません。今日は祝日でイベント参加、明日・明後日は1泊2日の旅行です(高3が外部模試受験で授業が無いのをいいことに年休を取得しました)。

 12時半に家を出て徒歩移動、15分程歩いた場所にあるコミュニティーセンターへ。「もりき」・久山酒店共同プロデュースの「日本酒の会」が、コロナ禍を経て4年ぶりに復活しました。毎年、全国の酒蔵から1蔵を選び、蔵元さん・杜氏さんをゲストにお呼びして蔵のお酒を色々と味わうというイベント。15年近く続いており、多い年には40人以上の参加者が集いましたが、今年は第9波の最中ということもあり26名に絞られました(っつっても多いですが)。自衛隊関係(現役・OB)が6人、教員が5人(F校関係は私だけ)、というのが「もりき」常連の職種傾向です。遠くは神奈川県逗子からご夫婦で参加という熱量、13時(!)の乾杯から3時間の大盛り上がりでした。
 今年は福井県・伊藤酒造の蔵元杜氏である伊藤抵治氏をお招きして、解説付きの飲み比べ。「雑味無き食中酒」というコンセプトに徹底的に拘ったというブランド「越の鷹」9種は、伊藤氏の仰る通り派手さはなかったですがそれぞれに美味。料理は時世を鑑みてバイキングではなくお弁当。ズワイガニ・いくら・姫サザエ・海老・鰻・豚バラ燻製・明太卵焼き・博多がめ煮胡麻ブリ・鶏牛蒡唐揚げ・おから・チーズ・蛸若芽酢味噌和え・茹で落花生かつお酒盗……。お酒は、以下(酔っぱらった人間の走り書きメモですので、誤りや不足はあると思います)。
 ①純米吟醸 山田錦
 ②特別純米 あらばしり
 ③RED HAWK さかほまれ
 ④YELLOW HAWK ひやおろし あきさかり
 ⑤SILVER HAWK 純米大吟醸
 ⑥BLUE HAWK 純米吟醸
 ⑦辛口 純米吟醸
 ⑧くつろぎ猫 純米
 ⑨GREEN HAWK あらばしり
 上記9種の内、①は既に終売(久山酒店の冷蔵庫に保存していたもの)、⑧は10月以降の発売だそう。酒米じゃないお米(④のあきさかり)でお酒を造ることもあること、その酒米じゃないお米のことを「飯米(はんまい)」と呼ぶこと、どちらも知りませんでした。因みに、③④⑤⑥⑨のような色(ネーミング・ラベル)のシリーズを作ったのは、蔵に直接連絡(電話・買い付け)してくる客の多くが自分が買いたい(飲んで美味しいと思った)仕立てがどれなのか分からずに(蔵・客ともに)困ったという体験を重ねた果ての発明なのだとか。あと、この「日本酒の会」には、すっきりシャープな食中酒という「越の鷹」のコンセプトとは真逆の蔵を呼んだこともある、と滋賀「不老仙」(上原酒造)の名前を挙げたら、伊藤氏が「実は、私、『不老仙』の本醸造に大好きな仕立てが」と告白なさって驚きました。

 さて、前述の通り、コミュニティセンターを貸し切ったイベントだったのですが、終了後の食器・椅子テーブル撤収作業の素早さが圧巻でした。何しろ、「もりき」常連の中には自衛隊現役・OBが居る、黄檗宗寺住職・房守のご夫妻が居る、そして主婦のベテラン勢が要る。前・西部方面混成団長(兼久留米駐屯地司令)が率先してテーブル畳んで運んでらっしゃる、なんてお姿は現役の若手隊員さんが見たら瞠目しそうですね。

 片付けの大半が終わろうという頃に、Hさんと2人でセンターを出て「もりき」近くの花屋へ。伊藤酒造・久山酒店へのお礼の花束と、「もりき」35周年をお祝いする花飾りとを購入しました。そのまま「もりき」へ向かったら、イベント参加者の半分超が店(月曜定休)を借り切って既に大盛り上がり。おでんに冷や汁(珍しい馬肉)を肴に、まだまだ尽きない「越の鷹」を残さず味わう。

 宴は深夜まで、でしょうが私とHさんとは19時前にお暇しました。Hさんは朝早くからイベントの準備のお手伝いもあってくたくた、私は明日からの旅行に備えて体力温存です。
 帰宅即就寝。