耳寄せれば あなたがいる また逢いましょう

 いや~、久々に勝ったような気がする。新幹線に間に合わなくなる! というギリッギリまで打って、朝飯食って帰るという4人の卒業生と「じゃまた~」と来週にでも会えそうなテンションで別れる。始発近くの新幹線でも帰省客でギュウギュウ。徹夜明けですから車内では当然、即就寝。

 起きたら博多、乗り換えてK市。例年ならば「もりき」の忘年会ですから帰宅後に仮眠というところですが、今日は大切な友達との約束があるので忘年会はご遠慮。JRからタクシーで自宅に戻る途中で店の前に寄り、お土産を置いてきました。

 北欧スウェーデンの大学で医学研究職についておられるでっくんが、1年と少しぶりに帰国。今回の旅行で私が九州から東京に向かった日に東京を発たれ実家のある佐賀に戻られた、というすれ違いの結果、お会いするのは本日K市にて、ということになったのです。お気に入りの焼き鳥屋「Y」にて。
 東京でTQC飲みをしたというオツカル様からは「もうすんごい飲めるようになってた!」とお聞きしておりました。実際、彼の国ではお酒を沢山飲まされることが多いそうで(ワインなのかな)、強くならなきゃやってらんないというご事情だと。

 懐かしい話は小中高大のこと、懐かしくない話は私の母君の闘病のこと、を杯を傾けながら。でっくんにも、此度の母君のことに関しては色々と相談に乗っていただいたのです。
 彼は私が知っている範囲の中でも群を抜いて知的で高潔な人間で、ために隣りに居る私は「僕が非倫理的に見えるのは君と比べられるからだ」という暴論で好き放題やってる、っていう関係が大学を卒業するまで続きました。たまに(本当にごくたまに)会った時もそんな感じになりますね。
 遙か外つ国の人になってしまいましたし、私もでっくんも筆無精ですので、もう殆ど会ったり話したりすることはないんでしょうけれども、「それでも大丈夫だと思う」「同感」
 朝の卒業生とはちょっとテンションの違うお別れ。

 旅行中に読了した本。
 橋本治『バカになったか、日本人』読了、★★★。病気以来、恍惚孤高の人になっていく橋本氏の最新時評集。読んで頷き、当然タイトルに使われている助詞の「か」が疑問の意を表すそれではないことに気づかされます。但し、誤植の多い雑な作りの本だなぁ、とは思いました。斎藤美奈子オバサマでしたっけ、「橋本治は自著校正をしないのか?」っていうツッコミをしてたのって。
 ちきりん『多眼思考』読了、★★★。楽して遊んで何が悪いみんな自由に心身的知的余裕を持って、と歌うように呟く筆者が、公教育を担う人に「だけ」はお前にはお前の状態如何に依らず(とまで激しくは言ってませんが)守るべきノルマがあんじゃねぇのかああん? と仰有ってるのに膝を打ちました。この人、正直だわ。
 森博嗣『孤独の価値』読了、★★★。中島義道『反〈絆〉論』読了、★★★★。ニンゲン論対決、後者の勝ち。
 青桐ナツ『あめつちだれかれそこかしこ』読了、★★★。『flat』非日常版。
 新久千映ワカコ酒(4)』読了、★★★★。前期の森・中島料理の「孤独本」よりも、こういう漫画の方が分かりやすくて説得力は強いですね(『孤独のグルメ』とかもそうなのかな?)。こういう、お酒を飲む時間やお酒や料理屋を一人で大切にする人、のことを「飲兵衛女子」というのはどうかと思いますが。
 川原泉『ワタシの川原泉Ⅲ』読了、★★★★★。私の1位、『銀のロマンティック…わはは』収録。
 萩尾望都他『しゃばけ漫画 佐助の巻』読了、★★★。萩尾望都村上たかしの名前で購入。でも、本としては今イチだった気が(それが証拠に、仁吉の巻を開く気が起こらない)。