言いたい事は胸の中 寄り道なんかしてたら

 5時に目覚めて7時の職員室、昨日は丸一日学校に入らないという(上京旅行以外では)珍しい日だったのですが(連休の余裕で)デスクワークが溜まっているという程でもなく。12時までのんびりと仕事をした後、13時から西鉄近くの行きつけ居酒屋「U」でランチメニューを肴にのんびりと独酌読書を2時間。ここ2ヶ月くらいの休日は、早朝から働いた後で明るいうちからチョイ飲みして(その場合、一日一食なので夕食は抜きです)、帰りにウォーキングというのにハマってます。今日も知らない街を2時間半歩いて自宅に戻り、風呂に入ってから19時半に就寝、目覚ましは2時半なのでたっぷり7時間睡眠なのですが、身体に(心にも?)良い生活だとはとてもとても。

 畠中恵『まことの華姫』読了、★★★。我孫子武丸の「人形シリーズ」から20年以上が経ち、今度は直木賞候補のファンタジー作家が舞台を江戸に移しました。人形お華の造型に(外見内面とも)そこまでの思い入れが生まれなかった私は良い読者ではなかったものの、謎解きに人情の機微を巧みに絡める手腕は毎度お見事と楽しく読書。
 神崎宣武『聞書き 遊郭成駒屋』読了、★★★★★。間違いなく今年の5傑。売春防止法以降誰にも知られずに消えゆこうとしていた遊郭の実像を数少ない関係者への執念の聞き取りで記し留めた、宮本常一直系の民俗学者の手になる傑作。「要は、お客さんが優越感をもって自己満足してくれればいいわけで、私たちにとってはリップサービスなんですが、まず見破られることはありませんよ」(p121)というトルコ嬢の発言にドキリとさせられ。「聞書き」命の民俗学で、しかし対象が「苦海」である故の「つくり話」氾濫は必至という条件を前にした筆者の緊張と抑制とが全編を貫いているのが凄いんです。