はがせないこの胸に魔法の矢が刺さって

 何故か夜中の1時に目が覚めて眠れず、3時に諦めて書斎でデスクワーク。こういう時に、書斎に仕事の環境(具体的にはPC)が整っているのは有り難いことです。途中、お風呂休憩を挟んで6時まで。ただ、1時起床で今日一日身体が保つのかはちょっと不安。本日は授業3コマ、実習生Hくん研究授業見学、特講1コマとその採点があり、それは全然苦でないのですが、その後の夜がイベント、私が幹事で実習生Hくんの国語科慰労会なのです。

 高2現代文は脳研究者・池谷裕二「まずは形から」。授業準備の際に筆者HPの自己紹介(趣味嗜好)欄を見たら、音楽映画読書料理酒……ととってもお洒落ご高尚色々ご教授賜りたいの連打だったんですが、豚骨ラーメンの推しが「一蘭」だったのに関してだけはおいこら貴様ちょっとそこに座れ正座だ正座。

 さて、実習生Hくんの研究授業見学。他の先生の授業を見学する機会なんて殆どないというのが実情なのですが、たまに見ると色々面白いですね。
 Hくんはまだ「教員未満」なのに、私よりもずっと教員らしくてずっと堂々とした態度で教団に立たれていました……というか、私よりもオドオドして私よりも挙動不審な教員をこれまで見たことがないというのが事実で、Hくんはタイプとしては私と似た人間だと思うので内心で期待していたのですが豈図らんやの結果に「ブルータス、お前もか!」という気分。
 一点だけニヤついてしまったのは、授業中50分で唯一Hくんが軽くパニクったその理由。一度書いた板書は(生徒によって写すスピードに差がありますし、何より伝わり易さが違いますから)消さない、黒板一面に全ての板書が収まるようにする、というのは基本の基で、実際恐らくHくんも計画段階ではそのように板書をするつもりだった……のに、授業クラスの担任先生が、黒板の端に連絡用のプリントを掲示していて、それがあるせいで最後の2行が書けなくなった。「剥がしゃいーじゃん」というのは勤務14年目の感想で、実習生の身にはその独断の勇気がなかったんですね。結局、逡巡に逡巡を重ねた(5分弱!)挙げ句、最初に書いた板書を消して新しい2行を書くという結果に。
 扱った教材は高1現代文「日本人の顔」。相手の「顔を立てる」とはどういうことかを説明する授業で、実際に「クラス担任の顔を立てる」難しさを実演した実習生なのでした……

 ……などとからかいながら、科の慰労会は和やかに。1次会は土曜日にも使った居酒屋「S」、2軒目は実習生くんの名字の1文字が店の名前に入った中華「S」にて。