藍より青し

 定期考査終了後、T先生にとっては実習期間初の朝SHR、職員朝礼後の担任団連絡会で、部や委員会や教科教員やからのクラス連絡事項を熱心にメモする姿を笑顔で見ながら私、うむうむT先生や緊張しておろうぞよ初のSHRをそれも試験監督の2日間だけで分かったであろうあの元気もん揃いのA組で行うというのだからでも大丈夫ピンチになったら正担任の私がすかさずお助け船から手を差し伸「はい全員席についてーーーーっ! 評議委員の●●、号令-! じゃあ今から連絡事項を伝えるから聞き逃しのないように!」
 ……あら?
 普段なら横向いてぺっちゃらくっちゃらもやしっ子の担任なんざ一切無視して連絡とか関係ないもんね自分たちこそ人生の主役俺は俺的に俺が好き俺の興味があることだけを見聞きしながら生きていくのよ大体本当に俺にとって必要な連絡だったら後で誰かが直接教えてくれるでしょ、みたいな感じでたら~っと朝をやり過ごしていざ肝心な情報を聞きそびれたせいで例えば定期テストの平常点が下がるとか大学入試に落ちるとか自分が損する段になって初めて事の重大さに気づくんだけれども既に手遅れでその時考えることといえばどうせ手遅れなら俺が聞いてなかったことを謝るより俺は聞かされていなかったって言い分でキレた方がなんか得するような気がするからよしそうしよう教えてくれなかった大人がわる~いボク達被害者なんですうわ~ん、みたいに生きてるお生徒さんたちが。
 全員耳を揃えて(←掛詞)ぴしーーーーーっ、と整列・傾聴の朝。どころか、「~という連絡です。分かったー?」の実習生言に、「はいっ!」と元気にお返事なんかしたり。
 「おかっしいやろ! 普段と違いすぎる!」との正担任全ギレ発言に誰かが「威厳のあるなし!」と流石国語教師が担任の教室10字以内で端的な解答。

 国語「普通、たかが若手エネルギッシュ元サッカー部部長統率力イケメン字巧いナイストーク、程度の理由で正担任捨てて実習生に乗り換えたりします~?」
 体育「完璧やろ」
 と、これは夜の焼き肉。サッカー部顧問2人と実習生T先生、私の4人で網を囲みながら、初手から担任不要論が湧出した高2Aの話を聞いてもらいつつ。