あさっての方向いていますかぁ?

 西原理恵子『スナックさいばら おんなのけものみち ガチ激闘編』『毎日かあさん(10)』読了、前者★★★、後者★★★★★。美輪明宏然り水木しげる然り、片足現世世俗の境界人の視点だからこそ普遍的真実が衝けるってのはあるけれども、西原理恵子さんがそうなるかどうかというのは微妙なところで(別に本人がそれを目指してるわけじゃないでしょうけれど、そういう使い方をされそうな作家さんに見えるので)。女の悩み受け止めます、の前者はまぁ面白くないわけではない、くらい。やっぱり面白いのは後者、本人固有の愚痴愚痴した感じなわけで、そこに(主婦の)代弁感が漂ったらちょっと醒める、というね。

 5時に学校入り、一時間目ど頭の授業が高1漢文のビデオ撮影ということで(教師も生徒も)よそ行き感アリアリ。「遜」と「敏」センター本文、『論語』に絡めて喋りました。これは、本当は高3漢文の初回とかにやればいい内容なんですけれども。
 昼休みに行われたインタビュー(F校の目指す教育は? とか、何故母校の先生に? とか)にも応じ。インタビュアーの女性が「その表情を少しでも変えたら化粧にひびが入ったりするんですか?」と聞きたくなるくらい完璧で変化のない営業スマイルで「先生、こっちを見て下さい、レンズです、レ・ン・ズ!」と繰り返してたところを覚えているので多分レム睡眠中の眼球運動レベルで目が泳いでたんだと思います。ばっさりカットするか、私が喋った内容を文字起こしして誰かプロのナレーションに差し替えるとかして下さったら宜しいんじゃないでしょうか。
 学校紹介のDVDにそんな偽装が許されるか! との向きもありましょうが、私以前、とある塾の元塾生インタビューというのを受けた際に「現代文の教師に必要なものは?」と尋ねられて「他のあらゆる科目の教員と違い学問的な意味のスペシャリストではないという宿命を背負っているので、せいぜいが出来る範囲でジェネラリストを目指しつつ、教壇の上ではもう既にジェネラリストであるかのように振る舞う詐術に長けたトリックスターであることが求められるのではないでしょうか」とお答えしたんですけれども、どこをどう要約したらそうなるのか、完成原稿には「ジェネラリストでなくてはならない」と書かれてありまして何様感満載だったという経験を持っていますので、メディアってそんなもんだと思うんですよ。