乱馬はなびきの許婚?

 本日は高校クラスマッチ、1年生5クラス、2年生4クラスの計9クラスが、バレー・バスケ・サッカー・卓球・ドッヂボール・ソフトボールの6競技に分かれて戦います。高3が受験期でイベント不参加の今、中心学年は当然高2になる(ここ大事)。部活の引退も近づいた高2に、高1がどう花を持たせるかが試されるイベントだという訳ですね(ここ大事)。主役が高2である(ここ大事)イベントに関して唯一心配なのは学年主任ケミストリー先生があらゆる行事に荒天を招く超雨男だということ(大昔一緒に京都大学入試を応援に行った日には吹雪を呼びましたからね)だったのですが、本日は有り難い(滅多に無いほどに素晴らしい)曇天。雨が降らなかった奇蹟に感謝。

 さて、われらが高2Aクラスは、あちら様からは歯牙にもかけられていないことは全くお構いなしで一方的にライバル視しているB組、に・く・し・混・ク・ラ、に成績では勝てない文化祭コーラスでは負けた半年前のクラスマッチでは女子の黄色い声援が羨ましいしかも花形サッカーで決勝惜敗選手ガン泣き、という過去走馬燈にキルケゴールも引くレベルのルサンチマンを滾らせて挑みます。頑張れ!

 ……と思ったらのっけのバレー予選、B組担任(バレー部顧問)がA組相手にホントに決勝点をお決めになりやがりあそばしましたよ。アタック封印じゃなかったんかいな。A組メンバー激怒ですが、観戦してた私はあまりの意外さに爆笑が止まらない。「先生、大人げなさるぎるでしょ!」「ば~か、手を抜く方が失礼やろが!」 勝てると踏んだ相手に予想外に迫られて(デュースからが長かった)焦ったってことにしときましょ、顧問から本気を引き出したと思えばA組メンバー(バレー部多し)も納得するんじゃないかな(しないか)。いや~、それにしても決勝点決められた瞬間のA組メンバーの唖然顔は強烈に印象に残ってます。信じられない物を見た時って、人間あんな顔になりますよね。

 前回はスク水を着るだの褌になるだの種々ユニフォームで揉めた挙げ句予選ど敗退だったドッチボールが、今回は体操着通常営業で4位入賞を果たして立派。ライバルB組はサンタクロース&トナカイコスプレで異彩を放つも「角に当たってもアウト」というルールに泣かされ敗退しています。
 卓球室は学校敷地内の隅の隅、もそっと目立たせる方法は無いもんかねといつも思うその卓球組は予選敗退で残念。「だって、卓球部のやつらが本気で強いんですよ!」って分かりますよ、そういうスポーツの職人って真面目な人が多いからレクレーション要素ゼロで素人相手にもガン本気出しそうですもんね。

 二週間前に利き腕の指を(サッカーの練習に熱が入りすぎて)剥離骨折したキーパー、前々日に39度の熱を出して休んだ選手(←キーパー以外の名称を知らないのでこう書くしかない)、の2人も含め全員大活躍のサッカーは予選無双。でもって予選から決勝リーグまで1得点を許すこともなく勝ち進み、因縁のに・く・し・混・ク・ラとリベンジ決勝、はどちらも決定打のないまま0対0でPK戦へ。
 ……なるほど、この人たちは勝った時は泣かないのか。今大会サッカーMVPは最後のPK戦で上記骨折氏に代わってキーパーを務め鉄壁の守りを見せた●●氏、いや~格好良かった。

 でもって多分、今回のクラスマッチから高2Aが学ぶべき最も大きな教訓はバスケの決勝。クラスに4人いるバスケ部員の内1人はサッカーに回った(←これもサッカー優勝の一因)んですけれど、多分それでも勝てると踏んでたんでしょうね。実際強かったし。でも、決勝で1年に1点差で負けた。私は全力でスポーツをやった経験が無い(一応、F校剣道部の部長だったんでそんな言い方をしていいのかどうかは分かりませんが)ので選手の心身の状態を想像することすら許されませんが、全身全霊でやっても「まさか」があるってのは痛感できたんじゃないかな(逆に1年生の立場に立って言うなら、全身全霊でやった「ら」「まさか」がある)。割と本気で悔しがってた今回のバスケ6人は、この先これを自分の身で引き受ける教訓にして勉強するでしょう(負けた経験からすら物事を学べないならそれは本当の負け犬ですから、と年賀状には書いておこう)。

 さて、高1による(←企画運営)、高2のための(ここ大事)クラスマッチ、サッカー優勝で盛り上がってこれは絶対B組に勝ったよってことは……と期待に目を輝かせるメンバーですけど、ごめ~んね優勝は漁夫の利で高1C、「漁夫の利」っていうか絶対的に強かった(バスケとドッジの両方を優勝したのがでかい)。「バレーが」「バスケが」と悔しがるお生徒さんたちはちょっと可哀想だけどやっぱり現実はそんなもんでだからこそそれを教訓に負けた経験からすら(以下略)。
 中心メンバー某がこっそり「炭酸ファイトは……」って言いに来たけどそれは却下、今日は高1C(同窓同僚先生が担任)が炭酸ファイトをする日らしいよ。

 後日、高1C担任同窓同僚先生「炭酸ファイトってさ、良く飛ぶよ、見てて気持ちいいよ。でもあっという間よね。俺の数千円が3秒で泡と消えて」
 後日高1C授業にて、私「高1による高2のためのクラスマッチで皆さんが空気の一切を読む事なく得点追求を重ねた結果私のクラスを僅差で2位に押さえて総合優勝、大変おめでとう御座います(一同笑)。これも数学科担任が数字の勘定ばかり追求することを皆さんに教えた成果が見事に現れた結果だと思います(一同笑)。哀れ私のクラスの××くんが『先生、炭酸ファイトは……』って言いに来ましたけれども『今日は高1C様が炭酸ファイトだ負けたヤツが図々しいこと言ってんじゃねーよ!』と担任に一喝されまして」 生徒「わぁ……××先輩……」って人気と信頼のある先輩だけに一気に微妙な空気になってちょいやり過ぎ感。

 でまぁ、クラスマッチの帰りのショートホームルーム、微妙な雰囲気ですよね。サッカー優勝を喜びつつも総合優勝は逃した悔しさ。こういう空気を救うのは教員ではなく勿論生徒でなければなりませんので、シメはサッカーMVPの●●氏にやってもらいましょ~、どうぞー!
 ●●「じゃあ最後は一本締めで行きたいと思います!」
 生徒「おおっ!」
 ●●「全員起立!」
 生徒たち、立ち上がる。
 ●●、私の所へつかつかと歩み寄ってきて、耳打ち。
 担任「えっとね、先ずは両手をこう広げて……」
 生徒「やり方知らんのかいっ!」
 新喜劇風に、シメというよりオチですね。