祈る言葉さえ失くしてた

 7時学校入り。これの合否が人生(の一部)を左右する小6男女(←F中は本年度から男女共学ですよ!)には申し訳ないけれども、まぁ私は入試に関する仕事が問題作成も会議も監督も採点も集計も好きでたまらニャい、早く始まれ早く始まれと時計ながめてそわそわにやにやしてたら、同期や先輩からは「相変わらず嬉しそうだね」と呆れられ、新任先生からは「何でそんなに嬉しそうなんですか?」と不審がられ。校舎の外には続々受験生(と、塾関係者)。

 1時間目の国語。昨日の日記に書いた「初日冒頭に一つだけヤなこと」ってのがこの試験中にあるんですけれども。試験問題を持って監督担当の教室に入り、問題配布後、試験開始直前に受験生に対しリスニング試験の告知をする。「国語の試験開始と同時に聞き取りテストが行われますので、スピーカーから流れる放送に注意してください」と、いつもならこれだけ言えばいいんですけれども、今回は「で、今これを説明している私の声と同じ声が上から聞こえてきますが、混乱しないようにしてくださいね」と付け加えなくてはならない。チャイムと同時に解答用紙を開く受験生たち、と私、の耳に聞こえてくる私の声。今回のリスニング録音担当は私、耳に私の歌が通り過ぎてゆく、っつったらちあきなおみみたいですけどあんな悲しいシチュエーションじゃない、もうひたっすら生き恥。途中からドドスコスコスコとか言い出しても違和感がない(古くてすんませんね、地デジ難民は最近のおねぇキャラ事情に疎くて)ような変声を見も知らぬ40人のお子たちに人生(の一部)かけてガン聞きされてるというこの羞恥プレイ、生き恥様じゃ生き恥様の御成じゃあああぁっ、と叫んだら入試が崩壊する馘首になる。というこれが「初日冒頭に一つだけヤなこと」でして。

 それさえ終われば後は何の屈託もない、F校教員の中でも特に淡泊な人が多い(ような気がする。無論例外あり)国語科が、この時間だけは皆がちょっと興奮気味にガッシガシ採点作業をする。あ~、楽し。途中、全試験が終わって受験生が帰る時間に校舎の外に走っていき、Z塾やらE塾やらが受験生に配布している「解答速報」をもらって来て、教員同士で「この解答いいね」「これはちょっと」とか言ったりね。
 あ、因みに、今年のF中入試国語の出典は、山極寿一「ヒューマノイドの時代」、阪口正博『カントリー・ロード』、長田弘「賀状」、小林一茶「名月を」「雪とけて」「やれ打つな」3句、でした。散文詩や俳句の出題は珍しいですね(余所事風に)。

 あ、そうだ。入試業務に関して一点不満(っつーほどのもんでもないですけど)があって、入試期間はずっと顔写真入りの職員証明書を首から提げとかないといけないそうなんですけど、あれ、何とかならないんですかね。入試中はできるだけ漢字が書かれた余計なものを受験会場内に持ち込まない方が良いと思うんですけど。っていうか、あれがないと私不審者なの? と。部外者っちゅう意味ならどっちかと言うと教職員よりも受験生の方が(ry