すべて古言はその行われた時と所との色を帯びている。

 先日高3生が受験した校内模試を、浪人生が日曜予備校で受験した答案80枚が届く。採点ガッシガシ。「景色は今が見ごろ」という内容の解答に「景色はいつ見るの? 今でしょ!」って書いてきた受験生が居ました。余裕ですね。本試験なら×でしょうが、模試なんで勿論正解です。何せ私自身、高3の本番受験、99年東大文系漢文の解答にわざわざ「二隻の舟」って言葉を使って中島みゆきさんに捧げた身ですから(初日一限の国語で最初に解いた問題で「遊んだ」瞬間、緊張は嘘のように解けました)。

 放課後の答案採点を終わらせた後の夕食は、私にしては遅めの20時。K市一の歓楽街、文化街の小料理屋でカウンター独酌。だご汁で冷酒飲みつつ読んでた森銑三が、少し先の授業で扱う京大過去問(石川淳)の資料に使えるな、など考えながら。お爺ちゃんか。