甘い酒を飲みすぎて 気づけば

 本日、高1の5クラスで上田三四二「地上一寸ということ」(全2回中の1回目)。正直、きょとん顔の生徒も多かったですが、少なくとも私は楽しかった。平安末期は雅・俗・聖、いずれの世界においてもこの世が暗黒だった時代。この時代に「吉野山梢の花を見し日より心は身にもそはずなりにき」と歌った西行の詠歌懸命を読んでおくことは、『新古今』の理解を深めるのは勿論ですが、西行没後500年を『奥の細道』旅立ちの契機とした芭蕉の心情を考えるのにも、『平家物語』は「木曾最期」を読むのにも、色々な点で役に立つんではないですかね。まぁ、「役に立つ」かどうか以前に、とにかく文章が美しく深いというのを感じてもらえたら嬉しいのです。

 授業が楽しかったのが理由なのか、夜の「もりき」はビール1本と日本酒1合くらいで気持ちが満足しちゃって、今日は早いねぇとか言われながら店を出て、気持ち良く帰れば良かったのにだから何でお前は2軒目のスナックとか行っちゃってんのよ。

 鮫島円人『蓬莱トリビュート 中国怪奇幻想選』読了、★★★。下心(授業資料用)込みで読み始めて、そっちの方には使いにくそうだったけれども、漫画としてまぁまぁ面白かったので良し。