寡黙なる巨人

 本日は、午前中に年休を取って母君の通院介添です。「S」病院のY先生、血液検査とレントゲンとの後に診察室で説明を聞き、いつものように継続治療でお薬(タルセバ・デカドロン等)を戴くという流れ。但し、現在は外出が全て車椅子移動になっているので、タクシーの乗り降り(車椅子は折りたたんでタクシーのトランクへ)等、幾つか作業ステップが必要になっています。レントゲンは、科の看護師さんが車椅子を押して更衣室まで連れて行って下さり、中で着替えをお手伝いして下さいました(覗いてはいませんが、多分)。

 会計をしてお薬を受け取った後は、買い物をするために西鉄K駅構内のスーパーへ。スーパー入口の前に大きな段差があり全然バリアフリーになっていないので、段差の所まで車椅子を押していった後は、①母君にご起立願う(自力で立ち上がったまま耐えることはお出来になります)、②車椅子を段差の上に移動させて母君の正面につける、③母君に回れ右をしていただく、④そのまま腰を下ろせば車椅子に乗れる、という流れ。大変。
 スーパーの陳列棚と陳列棚とのスペースは、車椅子の幅プラス20~30cmというところで、この移動は正直そんなに面倒ではないかな(これより狭かったらぶつかって大変でしょう)。ただ、買い物籠を右手に持ち、左手一本で車椅子を押したり操作したりしないといけないので大変でした。こんな時に限って、ペットボトル(2リットル)を2本も購入するし。あと、病院帰りのスーパーでお寿司バイキングに寄るのが恒例化しています(母君の昼食。昼食作成で手抜きできて喜ばしく)。

 西鉄から自宅へ移動するタクシーは、途中で母君が(ご自分で歩いて移動できる時に時折訪問して)行きつけにしていた理容室「H」の横を通ります。車椅子になって以降頻りに「H」に行きたいと仰っていた母君のお願いを叶えるチャンスかと思い、タクシーを店の駐車場に停めました。幸い、お店にはお客さんが誰も居なかったので、理容師さんに事情をお話しして母君の散髪をお願い。タクシートランクから降ろした車椅子に母君をお乗せし、店内の椅子に横付けした後、立ち上がりを介助して母君を理容用の椅子に促します(途中でトイレに行きたくならないよう、先にトイレに行くかを訊ねます)。散髪をお願いした後、私はタクシーに乗って自宅に戻り、今し方買ってきた食品を冷蔵庫に詰めました。その後、歩いて「H」まで行き、10分ほど待った頃に母君の散髪が終了。料金(1500円)をお支払いしてから、母君の車椅子を押して「H」から自宅まで歩きます。外の道を車椅子で歩くのは初めての体験。

 自分一人で歩くときはかなりスピードを出す方なのですが、流石に車椅子を押して歩くとなると気を遣います。速すぎて母君が怖がられてもダメですし、ましてや何かにぶつかった衝撃で母君が前のめりに車椅子から落ちてしまったりしたら大変です。そろりそろりと歩くと、アスファルトとは言いながら地面がかなり凸凹としていることが解ります。電柱の立て方で歩道が車椅子が通れるか通れないかの幅しか持っていない箇所があったりして、あんまり車椅子に優しくない造りになってるんだなぁ、と今更ながらそんなことを考えたり。母君は、座った高さの目線で移動するのが初めてなので見える世界が変わります。野草の名前を色々と覚えておられる方なので、観る植物観る植物を指さしては名前を教えて下さるのですが、私はアスファルトとは言いながらそこかしこに色々な植物があるという事実自体に感心するレベルの人間で、親子で全く違うのですね。
 手抜きのランチプレートはお寿司(鉄火巻き3切・握り3貫)に小鉢(もずく酢に温泉卵を落としたもの/プチトマト)のみ。お茶は冷たい烏龍茶。準備は3分で終わります。

 昼から出勤をして、授業は6限(高1上田三四二)のみ。これに関しては私が楽しいばかりで仕事をしているという意識は完全に蒸発しています。帰宅後に夕方の家事を済ませたら、夜は関西数学先生に誘われて焼き鳥「T」でサシ飲み。数学と生物の人で読書家で投資家で、私とは器量知性のレベルが数段階異なる方なのですが、どこが気に入っていただけたのか時折お誘いいただけて有り難く。67回生の担任団でご一緒した後、今年度は私が70回生高1、数学先生が69回生高2と別れてしまったので、話題は主に67回生の思い出話と69・70回生の比較。