背徳な気配をかき消して笑う

 いつも通りの朝の日課セブンイレブンで母君の昼食(おにぎり・サラダ・飲むヨーグルト)を購入してお盆を準備。7時半に出勤してから授業の板書準備を終わらせました。今日は1~4限が授業、5限が学年会議と詰まっており、昼の自宅往復は出来ません。

 日記ではサラッと書いていますが、車椅子移動の方をお一人で自宅に残すのは結構恐ろしいことのようです。実際、未だ車椅子に完全には慣れておられない母君は、マンションの来客からの呼び出しに応じる(応答用の室内パネルまでスムーズに移動し、それを誤らずに操る)ということがお出来にならず、玄関の段差等を考えたらご自分で自宅を出るということも至難です。自宅の外をお一人で車椅子移動なさった経験もおありではありません。
 要するに、私が不在の時に火事や地震が起こったら高い確率でお怪我をなさるか命を落とされるということです。訪問介護・看護の力をお借りするにしても(実際に、水曜・土曜のリハビリへの送り出しはお願いしています)、私の不在の間一秒の間隙もなく居て戴くのは(制度的に)不可能なことですし。
 100%の安全を求めるならどこかの施設に入って戴くというのが唯一の方法だということ。仕事が忙しいとか下の世話が嫌だとかいう介護する側の理由ではなく、介護される側のことを第一に考えて施設を選択する方も大勢居られるのでしょう。
 今のところ、二人きりの家族ですから母君が自宅に居られる間の衣食住のお世話は私がすることになります。仕事も介護もと言えば大抵の方は労いやお褒めの言葉をかけて下さいますが、一定以上の時間帯、母君を命の保証のお出来にならない環境に放置しているという事実は認識しており若干の負い目もあります。これは、自宅に居られることが母君にとって喜ばしいという感情の問題とは別の客観的事実。

 負い目があるなら夜に友達と飲みに行くとかするのを辞めたら良いんじゃない? と、私の中の天使は言わない。悪魔が「飲みに行こうぜ!」と囁けば、天使は「あなたの精神衛生を保つことが引いてはご母堂のためになるのです」と頷く。
 昼休みと6限の空き時間を使って2限の高3文系漢文(東大)の添削を根性で終わらせ、職員会議(司会は不承、じゃない不肖私)もスムーズに終了し、自宅でお風呂の介助・お食事の提供を終えたら、食後の母君が早々にお休みになった、ので。

 要介護の実母を自宅に残した独身の男と、夫氏が遠く海外で業務に邁進している最中の人妻(事務嬢さん)とが、ビールジョッキをかちんとぶつけながら、
 私「薄暗い焼鳥屋のカウンターで逢瀬を」
 嬢「いきなりセクハラまがいのこと言うのやめてもらえません?」
 私「焼鳥屋の後は、場末のスナックでしっとりとデュエット」
 嬢「望むところですけど、言い方だけは考えてもらえません?」
 博多・天神エリアの人気チェーン焼鳥屋の、福岡市以外の唯一の店舗がK市にあり、親不孝が服を着た38歳が天使に揉み手しながら入店です。ここ、安さ手軽さは定評なのですが、何しろK市には他に素晴らしい焼鳥屋がたくさんあるので滅多に来たことがありません(15年住んでて今日が3度目かな)。10年近く来てない間に単品飲み放題とか始めてて、2時間たらふく飲み食いして二人で7000円でした。

 二次会は、事務嬢さんは2度目、私は最近ママさん・チーママさん(56回生Nくんママ)に顔を覚えていただいた程度に訪問しているスナック「S」。私の自宅からは徒歩5分程度の場所にあります。曇天の平日木曜にして店内は常連さんで満席大盛り上がり。絶品小鉢(お代わり自由)とカラオケ無制限とで何時間居ても2000円っつったらそらそうなる。入口脇に何故か鎮座しているドラムセットはチーママさんJr(Nくん)の私物だそうで、事務嬢さんが「桃色吐息」を歌い始めたら、カウンターの見知らぬ常連さんがやおらドラムを叩き始めたり(やんやの喝采)。
 明日は朝が年休なので、つい長居をしてしまいました。