どこまでも行こう 道は険しくとも

 早朝起床の後、朝風呂・サウナ、チェックアウト。2泊3日の大阪・京都旅行、楽しゅうございました。徒歩で京都駅まで向かい、母君・事務嬢さん・Hさん・「もりき」マスターへのお土産を購入。朝食兼昼食は新幹線内で駅弁、これは2つ買ってもう一つは母君の昼食です。車内読書は『待場の平成論』。博多経由でJRのK駅へ。

 タクシーに乗って母君を施設にお出迎え。たった2泊でそこまで不安は無かったのでしょう、お迎えに上がった時の母君は頗る上機嫌で、施設の職員の方もお優しかったと仰います。足が萎えておられるので移動は全て車椅子で、施設の車椅子をお借りしてタクシーへ自宅へ。マンション入り口は勿論車椅子が通るスロープがあります。タクシーの運転手氏は、車椅子を畳んだりトランクに乗せたりするのに慣れた様子。
 玄関までは車椅子、自宅内ではペンギンの手を引くよちよち歩き介助。リビングのソファに座って戴き、お茶と駅弁とをお出ししてから再びタクシーへ。先ほどの施設にとんぼ返りして車椅子を返却した後、今度はF校へ向かいます。昼から出勤。

 我ら高1は、今週から2週間、教育実習生を迎えることになりました。56回生Hくんは私が赴任して初めて担当した(当時は中3)教え子で、30の年齢の教育実習ですから所謂一念発起ですね。教育大学に入り直して、既に付属高校での実習は終えておられるそうです(最初に見た時に、何だか経験者っぽいなぁ、と思いました)。来週、私の古文を2コマ代行してもらいます。
 6・7限の授業は高1の定期テスト返却及び新しい範囲の講義、17時放課後は直ぐに自宅に帰って、私→母君の順番でお風呂に入りました。18時、ケアプランナーのKさんと介護用品業者の方とが連れ立って起こしになり、予め電話でKさんに手配をお願いしていたのです(電話の翌日には持ってこられました。そうですよね、介護は時間も勝負の内です)。折りたたみ式の車椅子、両手でタイヤを回しても良し、足の力で前進してもよし、とにかく先ずは車椅子で移動する練習をする必要があります。
 手早く準備して母君に夕食をお出しした後は、さっき学校で夜を約束した実習生Hくんと居酒屋「A」へ。彼は2週間寮に泊まり込むそうで(私も実習の時は3週間、寮にお世話になりました)、私の自宅近くの「A」へはタクシーで10分もかかりません。私は高1の正担任国語先生とご一緒という形でHくんの実習を受け持つので(メインは正担任先生です)、歓迎の意を込めて一献。こういうのは、H
くんが本格的に授業を受け持ち始める前、要するに初日にやるのが一番都合が良いのです。たかだか15年選手の私には居酒屋カウンターで教員の心構えだとか技術だとかをレクチャーする力量はなく、専ら先に書いた「所謂一念発起」に至るまでの彼の来歴にふんふんと相槌を打つばかり。

 旅行中に読了の本はたったの2冊だけ。
 藤栄道彦『妖怪の飼育員さん(6)』読了、★★★★。今更ですがギャグのセンスは高いと思う。言わずもがなの『鬼灯の冷徹』もそうですが、村井大資『妖怪研究家ヨシムラ』とか川西ノブヒロ『バスルームのペペン』とか、妖怪とギャグって昔から食い合わせが良いんですよねぇ。
 岡村靖幸『あの娘と、遅刻と、勉強と(2)』読了、★★★。岡村靖幸の音源は宇多田ヒカルのカバーしか持っていない私がこれを買ったのは勿論ユーミン(対談相手)が目的です。岡村さん、ユーミンの大ファンみたいで実際にお話も弾んでいたように読めたんですけれども、「あれ、そこまでのファンなのにそれ知らないの?」ってことが幾つかあって、あれは読者用の驚き方(初耳演技)だったのかなぁ。もう絶版ではありますが、『ルージュの伝言』(歌詞集・来歴語り)に書いてあるよねぇ、って。