言わせね~よ

 67回生のFくん(宮医1年、外進で高1Aの時に担任)が職員室に訊ねて来てくれたんですが、丁度入れ違いの形で私が外出中。卒業式以降3回続けての不在が申し訳無いので近いうちにこっちから宮崎に直撃してやろうか……と調べてみたら、K市から高速バス4時間の秘境と知って愕然。観光は……モアイ? 吊り橋? 洗濯板? それら全部が宮崎駅から一時間超? と、どんどん萎えていきます。
 出身のよっすぃやまっきょんに(Twitterで)聞くと、やっぱり車(免許)を持たない人間にはちと辛そうです。駅近くに宿泊して、何ヶ所かの観光地へ(公共交通機関で)往復する方式? なら、1泊2日だと足りなさそうですが、母君のことを考えたら2泊は出来ません。食べ物も、鶏と冷や汁くらいしか思いつかず。
 もうちょっと本格的に調べてみましょ。

 本日高校体育祭、曇天。大変結構(決行)です。軽い走り雨くらいはあるかもしれませんが、適度に涼しくていっそスポーツ日和です。私は副担で全く役割がない(教員参加の「液面制御リレー」なる競技にも不出場)ので、流石に応援団の時間は見学するとして、それ以外の空き時間を利用して母君関連の色々を済ませることにしました。
 自転車で自宅に戻り、洗濯槽から洗い終わったパジャマ・タオル類を取り出し、アイロンをあてます。畳んで袋に入れ、今度は片道20分強で介護施設「I」へ。病室に入ると、施設の方々が誕生日のプレゼントを準備して下さっていました。色紙の中央に母君がにっこり笑ったお写真。お風呂上がりは機嫌が宜しいというのは本当のようですね。その周りに、施設の方々が一筆ずつ寄せ書きをして下さっています。私は、市内の和菓子店で餡子玉を購入して冷蔵庫に入れていました。スプーンで掬って召し上がって頂きます。以前、国語科恩師先生が介護・看取りの体験をなさった時に「人間は好きな歌手と甘い物とだけは最後まで忘れない(大意)」と仰って居たのを覚えています。往診のS先生からは、綺麗なお花が届けられていました。
 実は、母君は徐々に視力が衰えておられるのですが、今はまだ辛うじて見えておられる様子で、施設の方が「ここにこれが」「そこにあれが」と教えて下さる声に、目線を動かしながら頷いておられます。看護師さん曰く、直に見えなくなるだろう(現在もはっきりとは見えておられないだろう)ということです。「視力は最期の最期までですから、声はずっとかけて差し上げて下さい」
 とまれ、最初にS先生が仰って居た「先ずは誕生日の9月7日まで」は軽くクリアしたご様子。お写真の笑顔は大丈夫を教えて下さいます。また、一日、一日。

 施設近くの寿司屋「I」(魚屋直営)でランチを食べて学校に戻り、応援団を見学。その後、各クラスが工夫を凝らして作ったクラスTシャツの写真をコレクションしました。見知らぬ生徒を呼び止めて「写真撮らせて!」ってもう変態の所業ですけれども、快く応じてくれそうな顔をしている生徒を探して……「あの~、すみません、国語科の教員なんですけど……/」「あ、Tシャツの写真ですね、どうぞ。僕、去年も頼まれました」 私は覚えていませんでしたが、快く応じてくれそうな顔ですもんね、あなた。

 単なる観客が印象に残ったエピソード2つ。
 女子の全体競技は、赤団・青団・黒団に別れて競う「台風の目」だったのですが、見学している我ら高1Aの男子(外進・公立中出身)が途中から「行っけー行け行け行け行け青団、押っせー押せ押せ押せ押せ青団!」と絶叫応援し始めて、他団どころか同じ青団の生粋F校私立男子すらドン引き……だったのですが、途中から公立文化が私立を飲み込み始めて最後には青団全員で「行っけー行け行け押っせー押せ押せ」の合唱。
 見学にいらしてた67回生我らB組Kくんママから、お持ちのユーミングッズを譲り受けるという光栄に浴しました。具体的には「DIAMOND DUST」から「The Gates of Heaven」の4年間で、これは正真正銘の絶頂期。Kくんママは「歳がバレる」とお恥ずかしそうでいらっしゃいましたが、何の、池ノ都はその4年後の「THE DANCING SUN」から参戦していますからそうは変わりません。

 総じて。
 スマホ触る生徒が皆無だったとか、遂に綱引きの乱入が無くなった(青団対赤団の試合中に黒団全員が乱入すると見せかけて試合場を走り抜けた)など、色々と新しい段階に。怪我等も少なく、良いイベントでした……実況某くんが二人三脚の男子3人をゲイ呼ばわりでイジったの以外は。

 さて、夜は有志慰労会(基本的に生徒主宰のイベントなので本来的に慰労されるべきは生徒ですが、ここでは監督その他最も仕事量の多かった体育科・生徒指導部の先生方を慰労します)。19時~21時半の一次会、22時~24時の二次会(こっちは私が幹事)、どちらも盛り上がりに盛り上がりました。いや~、滅茶苦茶楽しかった。
 で、盛り上がりに盛り上がったら多少の粗相もあるみたいでそこは田舎。一次会は大きく2つのテーブルに分かれて座ってたんですが、向こうのテーブルで若手某先生に周りが「俺の酒が飲めんのか」みたいな馬鹿をやってる。後になって某先生が渋面でこっちに逃げてきたから烏龍茶を渡しながら「アホか断んなさいよ」と言ったら「そんなの感じ悪いじゃないですか~」だって。で、「次は逃げといで。何なら僕が代わるから」って言ったら、某先生「え~、池ノ都先生の優しいのは裏ありそうだからな~」ってどんだけよ俺の日頃。
 で、二次会でプチ事件。帰り際の店内で、とある理由で(店の人からは謝り倒されました)ベテランの某先生が流血の怪我を負ってしまい。仕方が無いので、私がタクシーで市内「S病院」の深夜外来待合にお連れして、ご家族が到着なさるまで一時間ちょっと一緒に待機しました。幸いなことに特別な治療が必要な怪我ではなくて良かった(後日、そのベテラン先生が同じ店に訪問をしたら、とんでもなく豪華なサービスをされた、と伺いました)。

 そんなこんなで帰宅就寝は2時。