だからこんなことになったんだぞ! なのに逃げるのか!?

 物理先生の担任代行で向かったSHR、教室入って直ぐの生徒の机に読みさしの『涼宮ハルヒの憂鬱』が置かれていただけで少ししんみりしてしまいます。生徒に『オトナ帝国』や『戦国大合戦』を知っているか聞くと知っている、観た、との返事。あれもそうなんだと言うと、生徒は驚いていました。

 本日は終業式だけなので生徒は10時前には下校出来るという。出張が多く担任団の人数が不足していたので、帰りのSHRはC組→A組をはしごで担当したり。A組の「3分間スピーチ」は千葉県にあるオリエンタルな施設について某くんが熱弁。引き継いで私は数年前(かつてF校が前後期制を採用して秋休みなる長期休みがあった時代)に平日早朝のUSJに単身乗り込んだ時の、最後尾私以外の全ての車両にカップルが乗っていたジェットコースターの思い出など披露。

 午後は、夏休み課外授業(要は通常授業)の準備をしたり、明日の福岡地区保護者会の準備の最終確認をしたり。日曜から月曜にかけて、福岡は明らかな豪雨被害を受けることになっているようですが、明日の出張、明後日の学校は大丈夫なのでしょうか。

 夜は、1学期終業式の日の恒例行事、高3担任団による夏期慰労会。これは、高3担任団が主宰して教員一同を慰労する(今年も高3を宜しくね! という意を込めて)イベントで、任意ながら30~40人が参加する大所帯宴会。一説によれば、ここへの参加人数がその年の東大現役合格者数と一致するとか(?)。
 本日の店は焼鳥ダイニング「Y」で、私は初訪問。店主氏は嘗て別の場所で小さな日本酒バーを営んでおり、その時代には数度訪れたことがあります。ビールも日本酒も飲み放題ですが完全なセルフ。店主氏は料理(結構な意識高い系)に専念してお任せコースをサーブ。移転後は30人超の団体もOKな大型店になっておりお運びのアルバイトさんもたくさんでしたが、基本的に飲み物のセルフというシステムは変わっておらず。こういう所に来たら燃えるのは私でしょ、事務嬢さんでしょ、そしてダブルダッチ体育先生でしょ、そして幹事の英語パイセンでしょ。女性3人と男性1人……っつかもう女性4人でいいや、の4人で殆どのお運びをやりましたね(座ってる時間より立ってる時間の方が圧倒的に長く)。事務嬢さんは居酒屋バイトの経験があってビールサーバーを扱わせたらプロ、私は日本酒とウィスキーを担当で、ダブルダッチさんは人々の間をピョンピョン跳び回って空いた皿の片づけ、英語パイセンは的確な指示出し(いや、ちゃんと動いておられましたけれど、印象がですね)。
 某「こっちのテーブル、冷酒貰える~?」
 私「徳利は2合と1合とどちらに致しましょうか。御猪口の数はお幾つで? あと、現在の在庫ですが、福岡のものでしたら『田中六十五』、お隣佐賀から『東一』、地の物をご所望なら湘北高校背番号14のラベルでお馴染みの『三井の寿』など如何でしょう」
 某「あんた、何の人?」
 何人かの先生方からは途中から「店員さん」と呼ばれました。

 こういう大所帯は全員の一本締めで終宴、その後は三々五々というのが定番。私は何となく、歩いてJR駅に向かわれる英語先生・数学先生の後をふらふらとついて行きました。こちらのお二人は、私の定義するところの「悪者」。清濁腹芸倍返し、末は部長か教頭か……と私が言えば「何を仰ってるんですか池ノ都先生の方こそ」と、一回り以上年下のヘタレ教員にビールを注ぐ(数学先生)……私「というのが『悪者』のやり口で、数学先生、今、すんごい悪い顔で笑ってますよ」 3人で2軒目は焼鳥「A」で、K市を代表する老舗ながら私は初訪問。ダルムで有名な店で、入店するなり店員さんに「生憎今日はダルムが売り切れておりまして、それでも良いですか?」と聞かれ諾、その後でキャンセル分が9本だけ回ってきて(私はダルムがそんなに好きではないのですが)何となくラッキーでした。3人で悪い話をしてから解散。

 幸田文『季節のかたみ』読了、★★★★。この人にこの文体があったことがちょっと意外。口当たりが良いというか、言葉を選ばずに言えば想定読者層のリテラシーへの期待度を普段よりちょっと下げているというか。直前に読んだのが『雀の手帖』、その前が「黒い裾」だったのもあってより一層そのように感じられるのかも知れません。