そのわり古風なとこあったりするのね

 高田文夫・峰岸進『画文集 芸人とコメディアンと』読了、★★★★。高田文夫の文体には(喋りは知らないですが)余りなじめない(「芸」を感じない)と思っていたのですが、この本に続々登場する芸人・コメディアンの魅力については(よく知らない人についても)ひしひし伝わってきたので、印象をやや修正。

 本日が今年の初出勤。授業準備(プリント作成)をしたり、学校に届いていた年賀状に返信を書いたり、ここには書けない秘密の業務を行ったり、昼前から15時過ぎまで色々。既に何人かの先生方がいらっしゃっていましたが、流石に卒業生が訊ねてくることはありませんでした。盆と正月とにアポ無しで教員に会いに来ようとする卒業生、特に未成年には時々居るんです(空振りしてガッカリしてる卒業生には「あのね、教員って、人間だよ?」と声を掛けるようにしています)。

 入浴後にJRへ、博多に出た後は先ず駅ビルの「MARUZEN」へ。滅多に使わないので陳列に慣れませんね。コミックコーナーは人が多いから、文庫新書は新刊の置き場所が判らないから、という理由で両方ほぼスルー。結局、2020年初書店の収穫は45分間逍遙して人文系の3冊のみでした。その内1冊(ジェンダー論)をカフェで読んで時間を潰して(隣の席で、新興宗教だかネズミ講だかの勧誘が熱心に行われていてなかなか集中できませんでした)、博多口へ。今年初の卒業生飲み会は、春から外資系コンサルの64回生Tくん、春からリクルートのまたお前か63回生Eくん、と焼肉新年会@「バクロ博多店」です。

 高そうなお肉をじゅうじゅうとしながら、Tくん・Eくんの就職後のお話を色々と伺う。したら、外資系Tくんとこの会社の就職直後の動き(働き方)に目を瞠るものが。新入社員は自前で教育しますから、というその教育システムの凄まじい充実っぷりに驚かされるばかりで、体育会系大企業の社員Eくんが滅茶苦茶羨ましがってました。即戦力に非ずんば社員に非ずみたいな圧が自社の教育力皆無を宣言しているという現実は徹底的に否認するという病識ゼロ企業(いや、リクルートがそうだっつってんじゃないっすよ)が十把ひ、じゃない束になって挑んでもとてもとても敵うもんじゃござんせんねぇ、と慰めながらEくんの分のお肉をじゅうじゅう。

 大学時代のお酒のやらかしは色々と(本人からも噂でも)聴いてるTくんですけど、まぁ教員の前だと多少は猫被ってるでしょうから私の前で変なことしたりはしませんし、お父様お母様と少しだけお話やお手紙のやり取りをしただけで育ちの良さは判るし、まぁ大丈夫だと思ってるんですけど、今夜はちょっとその片鱗が見えまして。
 焼肉が終わって、2次会の店を探して博多駅前の高架下を歩いてましたら、居酒屋客引きのお兄さん(サンドイッチマンの格好)に声を掛けられまして。私は「御免なさい、決まってます」とお断りしたんですけど、お兄さん、その後で後ろを歩いてるTくんにも声かけたみたいなんですね。したら、その直後にお兄さんが「あれ、喧嘩売ってます?」って急に。Tくんが何て言ったのかは聞こえなかったんですけど、多分1秒か2秒かのことだったからあしらい方が雑だったんでしょう。お兄さんのところに行って「連れなんです、御免なさい」と謝って、「どうやったら2秒で客引きをキレさせられんのよ?」と半ば呆れながら目についた店に入店。Tくん、きょとん顔だったから、あれは完全に天然なんでしょうねぇ(養殖だったら凄いけど)。
 割かしお腹いっぱいだったんで、お刺身やお野菜を軽く摘まんで日本酒をかぽかぽ。酔いも廻って益々饒舌になる2人のお話を交互に聞いてると、あぁ、どっちも大企業に就職するのに、2人は全然似てないなぁ、と。Tくんは「育ちの良さ」ってのが「古風」に結びついてる印象、外資でどんな風に揉まれるのか(他人事なのに)ワクワクします。翻ってE、お前は次回会う時から「経験」と「ストーリー」とがNGワードだ、覚えとけ。

 終電近くの新幹線でK市に戻ったのですが、帰り道で段々お腹が空いてきて、帰宅後にコンビニのドリアを食べてしまいました。デブ活ですが、三が日を言い訳にしときます。