暑さ寒さも悲願まで

 高3センターの過去問は漱石彼岸過迄』、とあるクラスで演習の前に語り手の「僕」を紹介するに際して「いい年して恋愛経験ゼロの陰キャこじらせ、理屈屋で今だったらnoteに長文書くタイプかも」と。生徒の笑いに被せて「今『そりゃお前のことだよ』と思った人は本番でマークミスします」と言ったら、再びの笑い声の中にちょっとショックを受けた子の顔を見つけ、そこな生徒傷ついてんじゃないよどっちかっつとその顔でこっちが傷ついたわ、と思いました。

 6時学校入り。最初の仕事は特講の板書計画、今日は東大02年の村上陽一郎『生と死への眼差し』です。1・2限が授業でこれは共通テスト(←名称嫌)対策、月曜日と同じ内容なので淡々と(前述の漱石)。
 昼休みを利用して一旦帰宅、惣菜屋で買い物、入浴。
 学校に戻ってデスクワークの後、16時~18時が東大文系現代文特講。

 特講のあと、珍しく生徒某くんから話しかけられました。遠いのかキモいのか70回生からは質問すらそんなには来ないので、雑談で話しかけられるというのはちょっと嬉しい(←陰キャこじらせ)。
 『生と死への眼差し』の演習に際して配布した資料プリント(読み物)には池田晶子・柳田邦男を選んだのですが、後者柳田邦男『犠牲 我が息子・脳死の11日』についてのお話。F中に入学する生徒は春休みに課題図書(一覧の中から選択する)を読んで感想を書くのですが、某くんはその時に『犠牲』を選んで読み、全然分からなかったのだそう。でしょうねぇ(課題図書にこれを選ばれた先生が凄い)。今なら分かると思うか尋ねたら、いいえ全然、と屈託なく。私も、40歳を前にいちばん近しい肉親を見送ってさえ猶分かりません。
 私が中1に上がる時に選んだ本は、畑正憲の何かと漱石坊っちゃん』でした。恥ずかしい話なのですが、小6で読んで以来、私、『坊っちゃん』を全編通して再読したことがありません。

 特講後の自炊は面倒くさいので適当に。入浴の間にご飯を炊き、一膳分のご飯に大葉の細切りと白ごまとを混ぜ込んでから波佐見焼のお茶碗に。58回生Iくんからもらったオニオンスープ(缶に入ったもの)を鍋で温める間に、イカ刺しの細切りと明太を和えます。小鉢は惣菜屋の八宝菜(レンチン)をメインに、自分で準備したのはキムチ奴だけ。

 6/23の自粛御膳。
 イカ明太丼・オニオンスープ・八宝菜・小鉢11種。
 381蔵目・岡山「大正の鶴」(RISING 赤磐雄町米)。