右へ行きたければ 右へ行きゃいいじゃないの

 快適な目覚め。腕、痛くない。体温計、36.0℃。熱なし、疲労感なし、眠気なし。入浴、着替え。腕、上がる。痛くない。徒歩出勤、快速。あぁ、これは副反応が出ないんだろうなぁ、と何故か少し憂鬱。
 というわけで、ワクチンの副反応ではなく刺さったブーメランが痛い朝。副反応が出ないのは「身体のデリカシーの問題~?」と煽った数学先生から「先生、副反応は?」と尋ねられて「……どうしましょう、全く無いんです」とお答えしたら「やっぱり先生はこっち側だ!」と大笑いされてしまいました。自ら名付けて「チーム・ノン・デリカシー」を結成。

 しっかり腕が痛い別の先生からは無反応を羨ましがられる、というよりも疑われる。
 先「池ノ都くん、ホントに腕、痛くないの? 上がるの? 俺、マジで痛いんだけど」
 私「めっちゃ上がりますって。ほら、西城秀樹出来ますし(Y・M・C・A)」
 先「何やってんのよ。でも、羨まし~わ~」
 私「でしょでしょ? ほら、これも(アア アアア アアア アア)」
 先「何なのそれ」
 私「沢田研二
 先「勝手にしやがれ!」

 さて、副反応無しの私、本日は卒業生とさし飲みの約束。希望を聞けば焼き鳥とのことなので、それなら迷わず二日市「月空」です。63回生Mくんパパの店に同行したのは63回生我らA組Kくん、先日職員室でカンボジアカジノの話を聞かせてくれたのの続き。

 7/2も「自粛御膳」をお休み、焼鳥「月空」にてKくんとのサシ飲み(Kくんは飲めないのでノンアルコールです)。
 384蔵目・岐阜「三千盛」(純米大吟醸酒)。

 曲折あって大学を受験しなかったKくん、岐阜の工場で1年半働いて貯金した後、東京でカジノのディーラーを養成する学校に通って技術を磨いてから、カンボジアにある日系のカジノで1年間ディーラーとしてインターンしてきたんですね(高校在籍時からネットでカジノポーカーにはまっていて、カジノを目指したのは単なる思いつきではないということでした)。
 出国前にワクチンを10種類接種した(片腕じゃ足りなくて両腕を使った)というスタート前の話から既に面白い。腸チフス狂犬病だ肝炎だインフルエンザだ……とブスブスやったその費用10万超が全て自弁だということですから、行く前からブラック企業なんだということは解りきってます(それでも行きたかったそう)。先日も聞いた滞在中の命からがらエピソード(水や食事に中って40℃超の熱発は茶飯事だった、救急医療が整ってないからさっき話してた同僚が卒中で倒れたのをそのまま見送るしかなかった、日本より遥かに凶暴な野犬6匹に囲まれて死を覚悟した、職場の前で殺人事件が起こった、全財産賭けて人生の勝負に出た客に引導渡して全ギレされた、等々)、そして最後の帰国時のトラブル(独裁政権で突如翌日からのコロナ禍ロックダウンが決まったため30分で荷物をまとめて空港から国外脱出した)まで、全ての話が規格外で興奮、酒が進む進む。波瀾万丈の程度では63回生でも随一でしょうね。在学中と変わらないそのほっそい身体のどこにそんな逞しさが、と感動します。でもって、アフターコロナにはまたカンボジアに行きたいっていうんですから、もう天職なんでしょうねぇ。何年か後に、またカンボジアのお土産話を聞かせてもらうことを約束。
 飲みながら映像を見せて貰ったのですが、Kくん(カジノでのEnglish nameはHenry、カンボジアの同僚からは「パンマイ」と呼ばれたとか)、カジノスクール在学中には「News zero」の取材を受けたり、ネット上には企業PRのブログに本名で登場したり、ちょいちょいメディアに出てたみたいでこれぞ生きた(生きてる)証。「Zero」の取材の時にインタビュイーに選ばれた理由はスクールの中で最もまともに日本語を使える人物だったということで思わず「F校生活、活きたじゃん!」と。あと、スクール時代には「カジノ・ホスピタリティ」という単元だけ単位を落としたそうで、失礼ながら「っぽい!」と大笑いしてしまいました。やっぱファンになりそう。
 普段はやらないのですが、あんまりにも面白かったのと念の為(?)ということとでKくんの近影(後ろ姿ですが)をパシャリ、保存。

 「庭のうぐいす」の日本酒をお土産にもらって帰宅。健康睡眠。