みつめあう ひとみとひとみ ぬくもりをしんじあう

 超早起き(4時前)したので、大浴場の開く5時までベッドでダラダラと待って朝風呂・サウナ、着替えてホテルを出発。6時台のローカル鉄道に乗って青島神社へ向かいます。普通の人々の出社・登校時刻よりも随分早い時間だと思うのですが、電車内には割と多くの人が乗っていました。ただ、青島神社で降りる人は殆ど居らず、私を含めて3人だけ。駅から小走りで5分、海岸にも参道にも神社にも、美化・保護にお務めの係の方以外誰もいない午前7時。社務所も開いていません。あ、神社とは離れた海辺でサーフィンをしている人が一人だけ居ました。
 
 鬼の洗濯板を完全な晴天の下で味わうのは3度目訪問の今回が初めてかも知れません(61回生Hくんの運転で最初に訪問した時なんて台風直下でした)。誰かが浜辺で「一つ積んでは母のためごっこ」をした跡があったので「鬼の洗濯板を三途の川に見立てるとは粋な遊びじゃ」と思わず写真を撮ったのですが、神社に参拝した帰りの時点で(恐らく係の方によって)崩されていました。確かに、これは途中で崩すのが礼儀です。
 浜辺から大きな石橋を(誰も居ないので大声でユーミンを歌いながら)渡り、本殿におまいりした後、脇の細道を通って元宮にお参りするのが順路。200円を払って瓦投げをしましたが、今回は投げた瓦が穴の中にきちんと入った(縁起が良い)し、更に着地した拍子にちゃんと瓦が割れたし(縁起が良い)で完璧、霊験を期待です。

 宮崎駅までの戻りも電車で、駅でトイレ・珈琲ブレイクを済ませたら、駅前から9時に発車するバスに乗ります。目的地は動物園。「宮崎フェニックス自然動物園」まではバスで40分程ですが、殆どの家族連れは自家用車で向かうのでしょう、私と一緒にバスに乗ったのは中学生くらいの女子4人組と、高校生と思しき男女カップル1組だけ。2組に前後を挟まれて着席ですが、場違い感だとか違和感だとかは覚えません、おひとり様の年期が違いますからね。
 動物園は、春休みということで平日10時前でも人出は多く(殆どは乳幼児を連れた家族でした)。コロナ禍対策で檻までの距離を長く取るよう立ち入り区域が制限されてはいましたが、種々の動物の魅せ方が工夫され、例えばキリンの首の高さに合わせて作られた(多分)観覧橋からそのお顔を接写出来るなど愉しく(夜に話した67回生Fくんから、昨日子どもを産んだばかりだということを教えて貰いました。獣医学部の友人が興味津々で見学に行ったそうです)。個人的には、控えの小屋からふれあい広場までヤギたちが「行進」する朝イチのイベントに立ち会えたのはラッキーでした、思ったよりも勢いよくドドドド……と走ってきてビビりました(動画撮影)。
 遊園地やグッズ売り場の程よいチープさも好感度大。グッズ売り場では特別に欲しいものが無かったのですが、開園50周年記念の切手シートを買うと動物のシールセットが貰えるというので、シール目当てに購入しました(同窓数学先生のお嬢ちゃん、気に入るかな)。最後は動物慰霊碑にお参りをして退園。バスの時刻まで時間があるということで、入り口の係員さんにタクシーを手配して貰いました。

 動物園からタクシーで10分、パワースポットとして頓に有名な江田神社・みそぎ池が目的地なのですが、行き先を告げた運転手さんは「そんな所に行くんですか? 何にも無いですよ?」と不審げ。いや、ここ、割と有名なスポットなんです。
 で、「みそぎ池」(当地ではただ「御池」と呼ばれていました)に行く前に、周辺地域に食事が出来るところが無いか(五郎さんよろしく)辺りを走りました……ら、こんな所に徒歩で来るやつは絶対いないという道の駅的スポット「ぽっくる農園」にバイキングレストランと鮮魚料理店とが。バイキングは胃の容量的に(夜はがっつり飲むし)回避すべきという判断で鮮魚を選択、その名も「おさかな料理」(ド直球!)という鮮魚店にて焼き魚(鰹)定食を。

 「みそぎ池」に徒歩で戻っておまいり……「池」に「おまいり」というのかは知りませんが、訪れる人たちの中には御池に向かい丁寧に礼をする人も少なくない。亀も日向ぼっこの陽気の中、湧き水に睡蓮の葉が美しい池の周りをぐるぐると散歩。パワースポット的な霊力は……よく解りませんでした。伊弉諾尊がみそぎを行った場所だと伝えられているそうです。
 池があるのは「市民の森」と呼ばれる森林公園で、そこから自然道を10分程歩けば「江田神社」の本殿は直ぐです。著名なスピリチュアリストが絶賛して有名になった神社で、御神木である巨大な楠の根本にある(ガングリオンみたいな)瘤に特にご利益があるのだとか。参拝客の多くに撫でられたのかすべっすべでした。

 江田神社から宮崎駅までバスで戻る途中に、「新別府」と書いて「しんびゅう」と読む停留所がありました。そういう読み方があるとは何かの本で読んだことがありましたが、「べふ」「べっぷ」以外の「本物」を見たのは初めてでした。

 駅前に戻り、「宮崎アートギャラリー」にて『五大浮世絵師展』。
 写楽北斎歌麿・広重・国芳の揃い踏み。あんな有名な絵、こんな有名な絵、ベストオブベストが全て写真可なのは嬉しいというかあり得ない企画で……と、実はここに集められた作品は全て「個人蔵」。作品プレートに「どこどこ所蔵」という注が1枚もなかったのはいっそ清々しい。遠慮会釈なしに写真を撮りまくっていたら、2時間弱を溶かしてしまい。ガラスの光反射対策で作品の部分接写ばかりやってたら、撮れた写真が全部クイズの問題みたいになってましたね。愉しかったです。
 ただ、やっぱり「本物・本式」の展覧会ではない(語弊がありますかね)というのは図録に出てました。一応買いはしましたが、絵師5人についての説明記述はちょっとどころではなく杜撰かと。

 ホテルに戻ってサウナ・大浴場。着替えて出発し、コンビニで「ペパリーゼW」を飲んで準備は万端です。

 4/4も「自粛御膳」をお休み、宮崎「渋玄」で67回生Fくん(宮医4年)とサシ飲み。
 前菜2種(蛸筍梅・ツブ貝)~刺身(鮃・伊勢海老)~箸休め(キュウリ)~焼魚(キンキ)~宮崎牛ステーキ~雑炊。
 初日に訪問した「一心鮨 光洋」の厨房にいらしたこともあるという大将が飲みながら(←ここ重要!)お任せコースを出してくれる割烹。Fくんは梅酒、私は日本酒をペアリングで注文です。宮崎名物の伊勢海老など入って豪華(地元の海鮮を食べるという目標を達成しました)、品数は多くないながらゆっくり味わいながら食べられるお皿ばかりで、カウンターで(気さくすぎる大将・ナイスアシストのお給仕さんとお話しながら)3時間半の愉しい時間を過ごしました。
 日本酒は全て経験済みの(好きな系統の)蔵でしたが、京都「澤屋まつもと」のお家騒動で放逐された人物が福岡の白糸酒造と組んだ「武者修行」という作品を初めて知りました。成程、ストーリーで売るんですね(いや、美味しかったけど)。
 そう言えば、「グラスにはお酒がどのくらいの量入ってるんですか?」と言われて「150mlです」と教えられたのに「大体8尺ですね」と返したら、大将にとても驚かれました。余程の日本酒通かと誤解されそうになったのを慌てて訂正、私に日本酒を教えたおじちゃん(「もりき」マスター)の言葉づかいがそのままインプットされてるだけなんです。

 Fくんとはもう4度目になるのかな。宮崎に行くたびにオッサンの話し相手(っつか、介護要員?)になってくれます。
 担任団を務めた学年ながら、高校卒業後一年でコロナ禍に入ったために殆ど一緒に飲めていない67回生の中で、Fくんは(私の宮崎好きと彼の付き合いの良さとで)複数回飲んだ数少ない(3人しか居ない中の)一人。ただ今回は、彼自身の大学生活のこと等の他、Fくんにどうしても伺いたい(彼からでなければ決して聞けない)とある人物に関する話があったので、直前に保健所OKが出た幸運に感謝です(気になっていた閊えが取れました)。
 で、店を出た後で、「タクシーで駅まで送るよ~」と風を吹かせたら、スマホ見ながら「いや、友達と落ち合うんで大丈夫です」ってサラリのFくんが恰好良すぎて、ホテルに戻って無料の夜鳴き蕎麦を食べながら「くぅ~っっ!」となりました。

 健康睡眠。