今夜の想い出に 乾杯しましょうyeah!

 11時まで書斎で仕事をした後、自宅近くの「CoCo壱番屋」へ。ポークの野菜カレー、ライスの量は普通(300g)、ソースを追加、トッピングにハーフのヒレカツ、3辛。これで1282円です。卵もグレる(優等生じゃなくなる)ような世相だとは言え、やっぱり高級店ですよねぇ。
 カツカレーは気合い入れ、午後からは仕事です。歩いて出勤、職員室入り12時。

 職員室無人。気兼ねなくマスクを外して、今日の仕事は初回の特講準備です。今年の特講は3種類で、「文系東大現代文」「理系東大現代文」「京大現代文」。東大は文理別々の日に、京大は文理同時に行うのですが、東大特講は第一問を扱って内容は文理で同じなので、準備する教材は東大・京大の2種類となります。
 先ずは、特講の内容紹介及び年間20回の使用教材(予め決定済み)をまとめたオリエンテーション用のプリントを作成。既に6回(56・58・63・64・67・70回生)もやっています(京大特講は57回生でも経験済みです)ので、流石にこの準備で迷ったり止まったりすることはありません。東大・京大2種類合わせて2時間弱の作業。
 次に、東大・京大それそれの初回教材を準備します。京大特講は12年の尾崎一雄と07年の清水哲郎とをセットで配布します。前者は小説、後者は評論ですが、どちらも「死に直面した状況における希望」をテーマにしている点で共通。京大特講では、特講演習用と自学用と、毎回テーマが共通する2種類の過去問を配付することにしています。
 東大の初回特講は92年の中村真一郎。易しくも難し過ぎずもないという難易度、近代(芸術)と前近代(工芸)とを二項対立で考えさせる内容、「どういうことか」「なぜか」「どういう気持ちか」という3種の形式全てが入った設問、全てが導入に相応しいのですね。今回は、15年ぶりくらいに解答例(池ノ都試作)を作り変えてみました。

 この文章(東大の中村真一郎)を読む度に思い出すのは、もう10年も前のことになる63回生我ら文系A組メンバーで行った初回の東大文系特講。
 講義終了後、Mくん(東大→出版)が机に伏して悶絶していたので、Eくん(東大→企業)と2人で「ぽんぽん痛いの?」とかアホみたいな声かけをしたら、「文章が沁みて……」とまさかのお言葉が返ってきて、Eくんと2人で「「かかかかかかか、カッコいいっ!」」と今度はこっちが悶絶して。

 昨夜フラれた癖強焼鳥店「G」に、今夜は私独りでリベンジ。御年80を大きく超えた店主さん、腰は曲がっていますが動きは矍鑠、年間に3日も休まない「日常性の維持」は尊敬、焼鳥もハイボールも美味(何しろ、元々はK市を代表するバーテンダーだった方)……なんですが客に対する好き嫌いがとにかく激しい。例えば電話予約が嫌い、当日直後の来店なら辛うじて許されますが座るなり二度と電話をするなと叱られます。長っ尻も嫌い、この人はビール何本まで、この人は焼鳥何串まで、と厳しく見定めて、店主さんのタイミングで「お客さんはこれで最後ね」と言われるのがお約束。
 ですが私は知っている、今日はカウンター7席の店の最初の客だった私が店主さんに一発で気に入られる方法。カウンターに座って先ずは瓶ビールを注文して、ビールとコップとを受け取ったらすかさずカウンターの向こうに「独りで呑むのはいかにも淋しいので、よかったら乾杯につき合って頂けませんか?」と一言。2つのグラスにビールをなみなみ注ぎ、「今日はよろしくお願いします」と乾杯したらOK、「お客さんはお若いのによく出来とんしゃる!」とニコニコで色々お話しして下さいます。あとは適宜2つのコップにビールを注ぎながら、お勧めの串をいただき、瓶を追加し、最後にはビールのお礼としてハイボールを御馳走になるという一連の流れ。他のお客さんが1組2組と来た後は、入店1時間を待たずに速やかに退店します。我ながら気持ちいい。
 普通、お店の人に「一杯いかがですか?」みたいな生意気な真似はしないのです(行きつけに四合瓶をお土産として持って行くことはあります)が、この「G」だけは別です。

 昨日と全く同じ道を歩いて、焼鳥「G」から小料理屋「U」へ。昨日はワインを御馳走になったためにキープの焼酎を減らせなかったのと、カウンターの別のお客さんに最後の一つをお譲りしたために絶品の茶碗蒸しを食べられなかったのと、2つの心残りに関してリベンジをば。昨夜のKくんのご家族、初めてでは無かったものの常連とまでは言い難い方だそうなので、やっぱり生徒本人の話をしているその最中に出会すというのは相当な偶然だったんだなぁ、と。