介護生活 ウィルス ずっとワーカホリック ストレス

 8時過ぎに博多を出る新幹線で京都へ。3時間弱の移動、車内では朝昼兼用の食事として「たけ本」のローストビーフ弁当を。いつもはK駅を出て博多駅乗り換え(改札の外に出ない)なので改札内の店舗で駅弁を買いますが、折角博多から乗るのだからと少し贅沢な料亭弁当です。CD鑑賞は昨日買った松任谷由実『Y-miz』、93年の「真夏の夜の夢」収録アルバムで、段々とユーミンエスニックな曲やドロドロした曲を歌い始めるようになった時代(「真夏」の他には「HOZHO GOH」等)。翌年の『THE DANCING SUN』をピークに売り上げが下がり始めた途端にマスコミに叩かれまくったのを今でも(腹立たしく)覚えていますが、まさかあの時点がキャリアの半ばに過ぎず、しかもその四半世紀後(2018年)にキャリア・ハイがやって来るなどということは流石に私も予想だにしていませんでした。読書も1時間程。とある人文学系の書籍から校内模試(文系現代文)が出来そうですが、点数をつけるなら50点の出来で、日の目を見ることは多分無いと思います。

 11時に京都着、駅を出たら流石の盆地はうだる暑さで、駅徒歩3分にあるホテルを取ったの判断が正解だと知れました。先ずは道すがらのファミマで着替え用のTシャツ(黒のアウター)を1枚買って、ホテルフロントに荷物を預けます。
 ポケットに携帯・財布・CDウォークマンを入れた他は手ぶらで出発。最初の目的地はホテル徒歩10分のところにある「銘酒館タキモト」。ここは京都の日本酒の聖地(他を知らないのですが、流石にこの規模は他にないかと)で、2度目の訪問でも未踏破の蔵のお酒が沢山。関西地元でしか買えそうにない蔵のものを中心に6本購入して、自宅に配送手続き。
 近くの停留所から、岡崎公園平安神宮を経由して銀閣寺道へと向かうバス、地獄の混み具合を予想して裏切られました。最後まで座れこそしませんでしたが、乗っているのはほぼ地元の人だけだったという印象。銀閣寺道で降車したら、京都大学は徒歩圏内です。

 東大の構内は(今でも何だかんだ理由をつけて訪れて)よく知っていますが、京都大学の構内に入るのは人生で2度目です(56回生の受験の時に、京大組の応援に行きました)。掲示板の張り物の半分に「吉田寮」と書いてるのなんて「らしい」なぁ、とか考えながらダラダラと歩いていたら、祝祭日なのに学生大挙の建物前広場で「池ノ都先生?」と声をかけられました。見れば、おぉプティ懐かしや、70回生我らB組のKくんではないですか。「何してるの?」と思わず聞いてしまってそれはワシの話やんけと心でツッコミ、聞けば今日は理系の試験期間なのだそうで、そう言えば今日が祝祭日なのは東京・変異株スプレッダー・五輪に伴うGo To推奨キャンペーンなんでした。学生は本来のカレンダー通りに勉強に勤しんでいるとのことで、「僕は京都大学総合博物館の見学にね」と返す元担任のお気楽さが情けないばかりです。しかし、九大や東大なら嫌でも卒業生に会うことになりますが、進学者がそう多くない京大で担任だった生徒に偶然会うというのはなかなかレアなこと(直ぐ後にテストがあるということで挨拶しか出来ませんでしたが)、京大訪問の元は取れた感じです。

 京都大学総合博物館の入口は大学構外にあり正に「開かれた」場所……なのですが、今はコロナ禍対策の為に2時間入れ替えの完全予約制。僅か25人の定員なので、常設展・企画展ともにゆったりと見学できました。
 常設展は文化・技術・自然の3パート。文化……埴輪や土器、信長他武将の直筆等々。自然……ナウマン象にアジア象、霊長類研究の成果等々。子供連れの家族も数組で、小学生の女の子が牡蠣の殻の化石を一心不乱にスケッチしてました。
 企画展『医師になる! 京都大学の医学教育』は京大医学部の学びの今昔を概観するもので、ここの資料だけは殆どが撮影不可(逆に言えば常設展は総て撮影可能!)。幾つか撮影可のものがあった中では「経絡人形」くん(裸の男子の前身に経絡の名前が耳なし芳一状態)がツボに。掛図やムラージュ(複製)等々、初期の医学部教育の有り様を想像しながら見学。最近の教育を紹介したパートは余りピンと来なかったですが、模擬血液がSUNTORYのペットボトルに入ってたのはなんだかリアル(?)でしたね。

 博物館は展示物が多くて本当に2時間たっぷりかかったので、ホテルに戻って入浴の後は直ぐに出発しないと駅待ち合わせ17時に間に合わないくらいでした(実際、3分遅刻しました)。待ち合わせ相手は70回生我らB組のYくん(こっちは文系法学部で試験期間は来週だそう)。「試験前に飲みに行ったりしていいの?」というどの口が的な質問にも「困らない程度には勉強してます」と頼もしいお返事。
 京都駅から琵琶湖線、15分程度揺られたら目的の石山駅に到着するのですが、その1駅前が大津駅ということで、滋賀の県境所在地のまぁ近いこと(先日旅行した長浜は湖北で京都から1時間以上かかります)。京大には滋賀の実家から通っている学生も多い、とはYくん談。確かに、天神とK市(特急30分強)よりも近いですし、山手線1/4周分ですし。京都の夜は毎度毎度誘っているYくんですが、今日の名目は「酔って帰りの電車に乗るのが不安な本厄の元担任をホテルまで送り届ける係」、要するに介護要員です。
 石山駅から徒歩15分の所にある目的のお店は、ジビエと琵琶湖八珍を中心にした料理を供する炭火割烹のお店。今日はジビエコースを予約しています。

 7/22も「自粛御膳」をお休み、滋賀県大津市の炭火割烹「蔓ききょう」にてジビエと琵琶湖名物とを堪能。
 冷菜・刺身・焼物・揚物・焼野菜・ジビエペースト・ジビエ焼・釜炊きご飯・デザート。
 お造りと焼物の鱒に揚物の鮎、デザートは上原酒造「不老泉」を使った日本酒アイス、等々ご当地ならではのラインナップ。評判の野菜プレート(黒にんにくソース)は火入れが抜群で、ジビエの鹿・鴨も美味しかったです(「もりき」の鴨を知ってるので普段は余り感じないんですが、ここのは焼き加減がまあ見事でした)。上品にビールとハイボールとの杯を傾けるYくんをよそ目に、私はビール2本の後はひたすら「不老泉」の各種仕立てを冷酒で次々に(一口目の味見だけ必ずYくんにさせるのは、K市の母・Hさんの影響ですね)。コース料理で3時間弱、近況やら懐かしい話やら花が咲いて愉しかったんですけれども、70回生某くん(高1当時は私が担任)の高校在学中の洒落にならないオイタ(担任の私も全く知らない内に処理されていた、ほんまにアカンやつ)が暴露されたのに大興奮で、普段以上に日本酒が進んでしまいました。こりゃ、介護要員抜きだったら大変なことになってましたわ。
 「蔓ききょう」、良いお店でした。会計も発給には清水でしたがそこまで無体という訳ではなく、背伸びして出掛けた甲斐はありました。欠点は一つだけで、瓶ビールがやや微温かったこと。

 Yくんのエスコート、もとい介護でホテルに戻って就寝、もとい失神。

中洲 にも よう飲みにいくっちゃん

 五輪開会式の担当者に関するニュース、地獄ですね。私ですら知ってた有名なエピソードを選んだ人の誰もが知らなかった(か、知ってて大したことがないと無視した)んですねぇ。メンバー発表直後に、「サブカルチャーの大物を揃えたのを知って五輪中止派のネット民が黙り込んだ(大意)」とかいうどこぞの提灯記事が出てたのが哀しい。
 というわけで、数日後に控えた「変異株主総会」の冒頭に「空白の4分間」が生じるということ。岡崎体育松平健近田春夫だピコ太郎だも良いですけれども、恐らくは嘉門達夫が招致以外全部失敗(筒井康隆の短編みたいだな)の顛末を歌う「鼻から牛乳~バッハに捧ぐ2021年東京五輪編~」みたいな曲の制作に着手しているだろうからそれに期待しましょう。

 旅行鞄に2泊分の荷物を詰め込んで出勤。今日は生徒の前に出る必要がないので、私服で出勤しました。学校を出たら、そのまま博多・京都大阪旅行に出掛けます(2泊3日)。母君のお供えは米・水・茶ではなく賞味期限の長いパンと野菜ジュースと。

 本日は式典の日で1学期の終業式。その後は特講も無いので私は大変楽です。生徒も午前中で下校なのですが、高2以下は部活動・体育祭に向けての準備等々を行い、高3生は今日・明日で希望者模試があります。今年度初の冠模試ですね。
 その模試が始まる前、進路指導室に居た我々の元へこれから受験の高3某くんがやって来て「東大数学は、定規の使用は可能でしょうか?」と聞かれ、そう言えば知らないと気づきました。自分が受験した四半世紀近く前のことなんて覚えちゃいませんし、理社の答案に切り取り線が入って最近は鋏が不要になったなど我々の時代からは変更も起こっています。ネットで調べても確実そうな情報は得られず、結局、駒場1年の69回生Yくんに電話して教えてもらいました(多謝)。不可だそうです(当日は、筆記具とパッケージから出したティッシュペーパーのみが許されたとのこと)。

 正午頃に学校を出て、タクシーでJRの駅へ。夕食をガッツリの予定なので朝・昼は抜いて、13時到着の博多駅では先ず書店へ。これから旅行なので荷物が増えないよう、本は厳選して選びました。が、博多駅の「MALZEN」は中古CD販売コーナーという罠があって、ここで椎名林檎カップリング集・とんねるず「これが出光のまいどCDだ。」を何となく手に取り、序でに持ってるやつの音飛びが酷かったユーミンの『Y-miz』を買い直しました(旅行中は、CDウォークマンでこれをずっと聴いていました)。荷物が増える。
 博多口徒歩3分のホテルにチェックイン。ここは以前、泊ってたら突然「館内の客からコロナ陽性者が出た」という理由で夜に筑紫口の姉妹ホテルに移されたという味わい深い想い出のある宿。ホテルに荷物を置いてから、ちょっとだけ街歩きをすることにしました。

 博多の街歩き。4連休前ですが、コロナと獄暑とのダプルパンチが影響しているのか人出は少なく、櫛田神社横の「『博多町家』ふるさと館」は40分間の貸し切り状態でした。博多祇園山笠のドキュメント番組を大画面で観るとか、古い電話機の受話器を取ったら博多弁講座が聞こえてくるとか、のぞきからくりの向こうに筥崎宮放生会が見えるとか、失礼ながら意外に楽しかったです。隣にある土産物屋では、博多織の小さな(手ぬぐいサイズの)テーブル敷を2種類購入。ここでは(まだ3度目ですが)必ずこれを買って、母君のお位牌台の敷物を定期的に模様替えしています。荷物が増える。
 その後、櫛田神社にお参りした後、初めて裏側のの門から出てみたら、目の前左側がキャナルシティ入口、右側が居酒屋「せいもん払い」のある川端商店街アーケード入口。全く知らなかったのでビックリしました、こういう位置関係だったんですね。博多は殆ど門外漢で、地図が全く浮かびません(博多駅櫛田神社と居酒屋「太郎源」の3点を結ぶ線分だけしか覚えてないんです)。キャナルシティに行ってみようかなぁ、とも一瞬思いましたが用事が無いのでやめときました(若し行ってたら、同僚の結婚式に呼ばれた時以来2度目の訪問でした)。公のバスで駅まで戻ってからホテル帰還。

 入浴後、シャツを着替えて徒歩で出発。目的地は勿論「太郎源」。博多で誰かと飲むならここか「ゴーサイン食堂」がど定番。魚料理に関してはとにかく誰を誘っても歓んで貰えます。10年以上通っていますが独りでの訪問は初めてなので、大将(既に顔や料理の好みは覚えて頂いています)にハーフサーズが可能なものを伺いながら注文します。というわけで。

 7/21も「自粛御膳」をお休み、博多の名店「太郎源」のカウンターにて独酌90分。
 刺盛り(8点)・佐賀牛たたきサラダ・辛子明太子・鯛カマ塩焼き。
 瓶ビール2本の後は蕎麦焼酎の水割り(氷無し)を2杯。焼き物は(同行が喜ぶので)毎回必ず鮪カマなのですが、今日は別のオススメを(初めて)大将にリクエストしました。支払いの時に余りの安さに目を疑ったのですが、どうやら途中でバタバタして焼き物が出るのが遅くなったという理由で明太子と焼酎1杯くらいをオマケして下さった様子(お店は、コロナ禍でもそこそこの入りでした)。

 独り旅の無責任で2軒目にも(タクシー移動)。日本酒バー「雲レ日」はコンセプトも雰囲気も品揃えも味も値段も全てが好み。明るい店内、横並びのカウンターに僅か10席余りの(コロナ以前から)「疎」な止まり木、9種の惣菜から3連小鉢に3種類を選んで500円というお料理。そして、北から南までメジャーマイナー問わず銘柄がずらり並んだ日本酒メニュー。もうすぐ「日本酒チャレンジ」の400蔵目が見える段階なのに、メニューの中に未踏破が2蔵もあるというだけで凄さが分かります。ここで日本酒を飲むために「太郎源」では焼酎だったんです。ちょっと記憶があやふやになるほどに飲んでホテル帰還。
 391蔵目・大阪「かたの桜」(超辛口 直汲み)、392蔵目・新潟「恵信」(純米大吟醸)。大阪「かたの桜」の別銘柄には「くらわんか」というのもあるそうでつい先日訪れた波佐見町を思い出して悦。

キュウリを刻んで小鉢に分けたら

 3時起床、京大特講添削を書斎で行ってから出発。まだクーラーが壊れているということで今日の授業2コマ(加賀乙彦)も特別教室をはしごして。

 ヤマザキマリヤマザキマリ対談集 ディアロゴス』読了、★★★★。昨日の日記ではオリンピックの選手に無関心と書いたんですけれども、実はこの本を読んで新体操のシモーネ・バイルズという人を初めて知り、YouTubeで映像を観て魂消たということは告白しておきます(五輪を観たいとまでは思いませんでしたが)。

 今日の授業2コマを以て授業はお仕舞い。明日は終業式のみで授業・特講がなく、明後日からは4連休です(その後、来週月曜から夏課外授業が始まります)。要するに、たしなむ……もとい「たしなめられる」程度に酒を飲む日々の始まり。
 14時から年休を取って帰宅、入浴、書斎で少しだけ仕事。16時40分にタクシーを呼んで、17時にK市繁華街へ。

 7/20は「自粛御膳」をお休み、小料理屋「A」にお久しぶりの御挨拶(お土産に山口「金雀」の4合瓶を持って)。
 小鉢9種(玉蜀黍・ぬた・胡瓜漬け・豚肉と大根・海胆豆腐・茄子と万願寺ピーマン・牛タンシチュー・オイルサーディン・烏賊イクラ和え)。
 緊急事態宣言・時短要請による3ヶ月超のお休みを経て復活。烏滸がましいですが、ここの小鉢天国が「自粛御膳」のお手本(目標だとは口が裂けても言えないです)。コロナ禍を機に畑まで始められたというママさん、今日のお野菜は殆どが自家製だそう。最強か。

かかった病気が クーラー病 メッチャ メラメラ

 たかぎなおこ『愛しのローカルごはん旅 もう一杯!』読了、★★★★。ローカルご飯ではありませんが、読んでいるうちにムラムラと旅行意欲がかき立てられ、22日からの京都1泊に更に前日20日の博多泊をくっつけることを決定。適当に2人の卒業生に声をかけたら流石に直前過ぎて予定あり御免の返答、2回振られたらこれは独りで贅沢をしろという天啓だと思い定めて、「太郎源」のカウンターを予約しました。
 久世岳『うらみちお兄さん』読了、★★★★。

 夜のお呼ばれ編の準備、冷凍ものの鯖干物を朝6時のHさん家に預けて出勤。授業準備は6時半~8時半の始業前にバタバタと(準備ギリギリというのは本当はいけないんですけど)。高3フロアのクーラーはまだ修理が終わらず、生徒たちも私も学校中の特別教室に散りました。
 今日は授業が3コマ、教室は多目的教室・物理講義室・化学講義室。共通テスト(←名称嫌)対策の出典は09年本試験小説で加賀乙彦「雨の庭」。本文中に「オリンピック」の語が登場しますが、時勢に迎合したわけではありません(私は今夏の東京五輪開催は反対です。出場する選手を応援するかどうかはそれとは別次元の話なのでしょうが、私は無関心なのでそれについては意見なし。勿論、五輪期間は録画消化オンリーでTVを一切観ません)。
 放課後の特講は京都大学現代文で05年の下村寅太郎。この添削は翌未明の書斎にてということにして、特講終了後は答案を抱えて帰宅、入浴、出発。

 7/19は「自粛御膳」お呼ばれ編@Hさん家。
 おにぎり・鯖みりん干し・ゴーヤチャンプル・卵焼き・酢の物・金平・漬物・小鉢2種。
 特講の添削があるから1時間ちょっとでサクッと帰った……んですけれども料理の分量は「サクッと」ではないですね。酢の物の大葉・茗荷はH家の庭で取れるなど家主さん曰く「有りもの料理」。鯖(新宮町にある進藤商店の美味しいやつ)と「佐藤」とは私の持ち込み。お酒は長野の小布施ワイナリー「サァンク サケ エロティック」(ワインオープナーで開栓する珍しい日本酒)、ラベル裏の文句は煩いけど味は良いんです。

かっぱ かっぱかっぱらった

 来週の京都1泊2日。いちばんの目的は2日目の大阪は新歌舞伎座で観る『フェイクスピア』なのですが(昼公演を観た後でK市に帰ります)、イソジンと雨ガッパの地を潤す気などさらさらないので京都泊を選び、彼の地では移動と公演パンフレットと以外には鐚一文だって落としません。
 初日の京都観光の目玉は、京都大学総合博物館に決めました。コロナ禍を考慮して2時間入れ替えの完全予約制、しかも各時間とも定員25人ということで、初訪問の常設展・企画展『医師になる! -京都大学の医学教育-』をゆっくりじっくり観られそうで楽しみ。夜は、電車で隣の滋賀県に移動して予てから行きたかった炭火割烹へ。飲んで電車に乗るのは不安なので、67回生Yくん(京大法3)を不惑四十路を引率介護する要員として呼び出します。これまた楽しみ。

 今日のノルマは午前中いっぱいを使って昨日の東大理系特講の添削をすること。4時間強の作業ですがこれは楽なものです。7年前の63回生高3の時なんて、土曜の5・6限が東大理系現代文特講、7・8現が京大現代文特講だったから、その2つ分の添削10時間弱で毎回日曜を潰してましたからね、あれを思えば。しかもその土曜日、1~4限がセンター対策の授業で埋まってて1~8限を走り抜けるという地獄のスケジュールでしたから。いくら30代前半だからって一晩寝たくらいでは疲れが取れるもんじゃない、って状態で起き抜けから添削を始める日曜日はちょっと憂鬱でした(初担任で思い入れのある学年じゃなかったらやってらんなかったかも……いや、やってたかな)。同じ日曜添削は(今度は30代後半になって)67回生でもやりました(その時は、土曜の午前中の授業がなくて幾分楽でしたが)。だから、その半分で良い(40代前半の)日曜添削なんて本当に楽なもんなんです。

 午後はタクシーで血痰ネーミングショッピングモール「You meタウン」まで往復して、日用品や書籍の買い出しを。明日はまたもHさん家に及ばれ御膳ですので、そこに提供する鯖の干物を購入(冷凍物で解凍に半日かかるので、明日の朝Hさん家に届けてから出勤します)。
 15時半には今日という日の店仕舞いを開始。

 7/18は「自粛御膳」をお休み、週末14時から営業の「もりき」に15時半入店でゆったり。
 山芋短冊・マグロ2点・冷やし中華
 マグロ2点は隣に座っていた常連Dくん(私より若い数少ない常連の一人)に半分以上あげました。日本酒は飲み比べセットを2回。島根「王祿」・香川「悦凱陣」・秋田「角右衛門」・秋田「雪の茅舎」。所謂「いつもの」ですけど、まぁ贅沢ですわなぁ。

そろそろ日本酒で(なみなみおっけー) 〆はまださ

 「日本酒チャレンジ」延長戦、未踏破の蔵のお酒を30蔵飲む毎にリストアップ、前回の更新は5/17だったので、その後ぴったり2ヶ月で30蔵の初体験をしたという計算です。今回は独り旅に絡めた現地購入が無くほぼ全てが通販による初体験、Hさんの運転で連れて行っていただいた三筑「とどろき酒店」は収穫の多い素晴らしい店でした(また行きたいです。いつか「もりき」御用達の「久山酒店」にも)。それでは、今回は13回目の更新、361蔵目~390蔵目です。
 辛口やキレはノーサンキュー、上善如水とか言うなら水飲んどけと思う人間です。甘くてトロッとしてたり、酸が残ってたり、という王道off courseなタイプの酒に惹かれる人間ですので、集めた銘柄も評価もそういうものです。悪しからず。
 ★★★★★ 畏、飲んだら減るのが唯一の欠点、畏れ多過ぎて近寄れない。
 ★★★★  秀、家のセラーに1本あれば最高、背伸びして買っちゃおう。
 ★★★   優、居酒屋に置いてあったら信頼、普段使いはちょっと贅沢。
 ★★    可、1杯だけ飲んで次からは焼酎、世界線が当方とは異なり。

 【★★★★】
 千葉「総乃寒菊」(愛山50 Red Diamond)
 福岡「池亀」(純米酒

 【★★★】
 青森「情っ張」(純米酒 低圧搾り 直汲み)
 福島「磐城壽」(純米吟醸酒LM錨揚げ!!)
 福島「会州一」(無濾過純米生原酒)
 東京「刀美」(特別純米酒
 千葉「五人娘」(しぼったまんま)
 静岡「初亀」(純米吟醸 Blue)
 長野「井乃頭」(純米吟醸
 長野「豊香」(純米大吟醸 原酒)
 山梨「旦」(山廃純米吟醸 愛山)
 岐阜「白川郷」(にごり酒
 岐阜「三千盛」(純米大吟醸酒
 新潟「鶴の友」(純米酒
 福井「常山」(純米超辛)
 愛知「金鯱」(寒造り しぼりたて 特別純米生 貯蔵酒)
 愛知「白老」(2020BY 純米吟醸 夏のうすにごり生)
 和歌山「車坂」(山廃純米大吟醸 生酒)
 京都「金鵄正宗」(純米吟醸
 京都「香田」(特別純米酒
 岡山「粋府」(媛 純米吟醸
 岡山「大正の鶴」(RISING 赤磐雄町米)
 岡山「泡々酒」(ストライプ 発泡純米酒
 岡山「桃の里」(純米吟醸 極上寒造り)
 徳島「鳴門鯛」(純米原酒 水ト米)
 福岡「金襴藤娘」(吟醸しぼりたて)
 福岡「玉出泉」(TAMA 純米酒
 熊本「亀萬」(純米吟醸無濾過生原酒)
 大分「薫長」(日田純米)
 大分「豊潤」(純米酒 白麹仕込み)

 以下、本日の日記。

 63回生我らA組Eくん(のご家族)からお中元で「森伊蔵」一升瓶が届きました(定価購入なのでお気遣い無くとのこと。多謝)。同封のお手紙に「お友達と」と書かれていたので、昨日の観劇後に飲めなかった代わりに今夜お呼ばれするHさん家に朝の内にお持ちしたら、目を輝かせたHさんが「んまぁ~! 私、こういう時だけはいけのっちゃんはホントにF校の先生なんだって実感するの~!」って。だけて。

 昨日は夜が遅かったので確りと寝て(このために木曜のうちに今日の授業・特講については板書計画まで終わらせていました)、8時25分の始業ギリギリに出勤。1限が文系東大コースの二次対策授業(今日は82年の高橋和巳)、2~4限の間に添削を終わらせて半ドン後のSHRで返却。その後、一旦自宅に戻って家事・入浴。15時に学校に戻って16時から東大理系特講です。幾つかのフロアのクーラーは依然直ってはおらず、高3フロアも教室が全滅しているので、生徒も授業担当教員も学校中をボヘミアンしています。

 今日の理系特講は06年の宇都宮輝夫『死と宗教』、難しい問題です。嘗て『サワコの朝』に登場した林脩先生が「2つの別々の話が並行して進んでいる文章(大意)」と話されたのを観ましたが、その別々の2つの話に通底するものが何なのかをラスト120字で説明するのは至難の業でしょうね。
 因みに、この年の書き取り問題には「(死の運命に)ショウヨウとして従う」というなかなかに攻めた出題が。70回生には教え損なっていた語彙で、ほぼ壊滅状態(67回生の時には授業で2度ほど教えていたので正解率は高かったです)。「従容」の正解を書いた数名は天晴れ、「承容」は誤答ですがちゃんと考えている、「逍遙」は確かに先日授業で教えたけれども文脈を読もう、「称揚」「昇陽」ってのはもう死にたがりじゃないですか。

 7/17は「自粛御膳」お呼ばれ編@Hさん家。久々です。
 ざる蕎麦・鰻蒲焼・刺身漬け・肉じゃが・蛸酢・トマトスライス・小鉢1種。
 持ち込んだ「森伊蔵」は勿体ないということで今日は開栓せずお家にあった「白霧島」を。日本酒は、私が先日Hさんの誕プレに差し上げた山口「天美」を結局私も一緒になって飲みました。

首切り王子と愚かな女

 午前中は年休で、銀行に行ったりクリーニングを出したり書斎で作業をしたり。「CoCo壱番屋」で高いカレーを食べてから出勤。本日は夜が遅いので確りと昼食を。
 学校では昨日故障したクーラーの影響で教務部長が大童(済みません、本来は私の仕事なのに)。業者が入って半分以上のフロアは直ったものの、高3を始め3学年のフロアで故障したままで教室内は地獄の様相。そこで、時間割とにらめっこしながらHR教室が使えないクラスの授業を使っていない(且つクーラーが壊れていない)特別教室に移すという膨大なパズルが発生したのです。物理実験室で国語の授業、美術教室で数学の授業、など新機軸。一部生徒が学校内を遊牧民の状態でした。

 夜は、Hさんと演劇鑑賞。K市のシティプラザには近年良い舞台が回ってきます。天神から30分、博多から20分弱というのはどちらも山手線半周(未満)の時間、事実上博多・天神と同じエリアだという扱いなんでしょうか(知りませんけど)。
 今日観たのは『首切り王子と愚かな女』。舞台上には稽古場がそのまま再現されていて、中央の舞台をぐるり取り囲んでいるのは役者ごとに与えられたブース(着替えたり座って水分補給をしたり)。開演前に、役者陣は役柄では無く役者本人として(多分)ブースに入って座っているんですね(役者がブースに入った後で入場してきたお客さんも少なくないくらいでした)。
 ミュージカルではないのですが、主演の井上芳雄は歌を口ずさむシーンが幾つか。地声から歌声への変わりようが見事で最初は口パクかと疑った程、歌が上手過ぎます。ヒロインの伊藤沙莉はパワーがあり過ぎ。他の出演者陣の方までしかない小柄な体躯で舞台上を駆け回り、例のハスキーボイスで絶叫しまくり。そして、若村麻由美は美し過ぎ。
 ストーリーは省略。シリアスなダークファンタジー(コメディシーンはあり)が弛緩無しで続く濃密な145分で、カーテンコールは満座喝采。私もHさんも立ち上がって拍手を続けました。

 7/16は夜は「自粛御膳」をお休み、居酒屋「もりき」で独酌(Hさんは別件があってお家に帰られました)。
 小鉢・イカ納豆素麺。
 390蔵目・新潟「鶴の友」(純米酒)。

ここ持って触って ヒヤリと冷たい

 2時半起床でちょっと飲み疲れが残っており後悔。ですが時間は待ってくれず、文系東大現代文40枚超の答案を書斎でガシガシと添削。合間にお風呂、30分ほど浸かったら大分生き返りました。添削・集計まで合わせて全て終了したのは8時過ぎ(途中で、職員室に場所を変えています)、今日はギリギリでした。
 授業はセンター試験の過去問演習が3クラスで。合間に、中2の生徒と卒業論文(制作)に関する面談が1件。その他の時間は、センター演習の採点・土曜日の授業(二次対策授業2種類)のプリント準備と板書計画。

 荒天雷雨が影響して一瞬の停電、PC作業中の先生からの悲鳴も可哀想でしたが、この停電で全館冷房が故障するという悲劇が。故障は5限目の途中、私は6限が授業だったのですが、余熱ならぬ「余冷」の効果も10分が限度で、しかも雨天の窓開放(コロナ対策)が影響して湿度が高い。生徒は授業中も団扇下敷きで仰ぎっぱなしで、私は首にタオルを巻いて講義をしました(実は、このタオルの中に凍らせておいた保冷剤……何かの折に進路指導室の冷凍庫に入れておいたやつ……を入れていたので私は涼しかったんですけれども)。
 明日は授業がないので昼過ぎまで年休を取っているのですが、別に校内炎熱から自分だけ逃げるのではなく、ずっと前から決めていたものです。

 7/15の「自粛御膳」。
 翁光麺・タコとブロッコリーのバジルサラダ・もろきゅう・小鉢13種。
 389蔵目・福島「会州一」(無濾過純米生原酒)。
 麺はご近所Sさんから頂き物、今夏惜しまれつつ閉業するK市一の老舗中華「光華楼」の製麺所より届いたものだそう。湯切りした温麺をピリ辛ダレで和えて。間違いなくビール泥棒です。

死なない妖怪が憎かったのじゃ

 1限・2限の授業を終えた後、16時からの東大文系現代文特講までの時間を使って、F校徒歩5分の「T医院」へ。不惑なので、たかが胸痛(息を深く吐くと左胸が痛む)が3日続いた程度でも受診をします。母君や生徒の介添はありますが、この病院へ自分の診療を目的として行くのは高校時代以来です(余りに久しぶりなので、流石に受信カードを作り直してもらいました)。血液検査、心電図、胸部レントゲン。全て異常なし。受診料を損した気分……ではなくて、安心を買ったんですよね。不惑なので、お酒は安心して飲みたいのです。

 「T医院」へ行った時の黒歴史、思い出したので書く。
 仮病で学校を休んだことは無いのですが、学校を休むために病気になったことは何度かあります。年若い読者は知らない昔、まだスマホも家庭用個人用のインターネットも無かった時代は、「TV番組」はテレビジョンでしか観られず、中高寮生活でTVに触れられなかった私は、どうしても観たい番組がある場合は自宅の母君にビデオ録画をお願いするしかありませんでした(まだBlu-rayもDVDも無かった時代は、以下略)。でも、それをも待てずどうしてもリアルタイムで観たい番組があった時には(何度かあったんですけど、はっきり覚えているのは『アメリカ横断ウルトラクイズ』の復活版です)、病気になって自宅に帰るという作戦を取るしか無かったんですね。
 やり方は簡単で、風呂に1時間程度浸かった後、パン一の恰好になってベランダで「悪寒待ち」をするだけ。覿面です。後は「T医院」で折り紙……じゃないお墨付きを貰ったら高速バスで自宅にGO!(まだ九州新幹線が無かった時代は、以下略)
 涙ぐましいバカだな。

 7月末までの課外授業のあと、8月にまたまたぶらり独り旅の計画。先日の波佐見町が素晴らしかったので、再び焼き物と棚田とを求めて行く先を決めました。電車とバスとを乗り継いで、温泉郷1泊、他に焼き物の里も梯子しようという旅。温泉郷熊本県の水害復興応援、焼き物の里は大分県、と書けば九州の方は行き先の想像がつくかな。

 16時からの特講は03年小松和彦で、これは土曜日の理系と同じ内容。先日の添削の感触がまだ残っているから未明の添削(40人超は正に時間との闘い)は少し楽かな……と油断するから(「T医院」の折り紙……こっちは確かに「折り紙」です……にも調子に乗って)飲み過ぎる。反省。

 7/14は「自粛御膳」をお休み、居酒屋「もりき」で独酌。
 マグロ山かけ・冷奴・ぶっかけうどん

ひとりでは担い過ぎる炎と水

 東大のミスコン2021にF校卒業生が出場。以前、56回生Aくんが準ミスターになった時以来でしょうか(他の大学なら、63回生とかも出てた記憶)。

 3時起床、京大特講の添削を書斎で。京大の解答欄は長い(横1cm・縦14cmの欄を設問一つにつき5行6行などの長さで埋める形な)ので、受講生は先ずこれを時間内に全て埋めることに難渋します。嘗ては横1cmごとの区切りがない大きな空欄だけの解答欄で、その当時は「棺桶」と言われていたと聞いたこともあります。
 例年、京大特講は東大特講より慣れる(集団全体のスイッチが入る)のに時間がかかります。今年の高3もそれは同じで、夏の終わりか秋までは四苦八苦するんじゃないでしょうか。

 これまで現代文若しくは漢文で14学年の高3に関わってきましたが、鮮やかに記憶に残っている「強い」集団が幾つかあります。2位以下は混戦なのですが、ぶっちぎりでいちばん強かったのは57回生の京都大学現代文特講でした。あの方たちは文系も理系も国語が強くて(知的好奇心が高くて)、現役で医学部に通った3人の力量も素晴らしかったけれども理学部にそれより出来る人が1人居て、その他にも独特の文体や発想を持った受講生が揃ってて、毎回添削をするのがとても愉しみでした。
 もう13年前で、私も高3を担当するのが(前年の56回生に続いて)2回目だったので、はっきり言って授業や添削のレベルは今よりずっと低かったと思います(そもそも京大現代文のこと、よく知らなかったし)。蛮勇と厚顔とで押し切りながら、「あ~、これはもっと勉強しないと生徒に負けるなぁ」と、大学入試の勉強に腰を据える決心をしたのはあの年だったような気がします(初の高3だった56回生の時は夢中必死の極みであまり記憶がありません)。

 冷凍庫の中の藁焼きの鰹タタキを冷蔵庫に移してから出勤。今日は、2限と5限とにセンター演習。お昼に、同窓同僚数学が惣菜屋「O」に弁当を買いに行くというので、お惣菜の盛り合わせ(豆皿の量のおかずが6種類入って500円)を頼みました。買ってきた数学からは「値段、高くない?」と言われましたが、これで夜の小鉢が6種埋まって酒欲が上がるんだから安過ぎるくらいです。
 帰宅後は、冷蔵庫で解凍していた鰹1本をスライスして、2/3は本日の夕食、残り1/3はポン酢に漬けて冷蔵庫へ。買ってきて貰った惣菜を中心に小鉢を作って、同じく冷凍していた通販のすり流しを湯煎で温めます。コンビニで買ってきていた烏賊素麺は納豆と一緒に。鰹の下には、野菜を適当に切って千切って敷き詰めました。胡瓜は適当に切って、買ってきたもろみを並べたら1品。

 7/13の「自粛御膳」。
 海老団子と蕪のすり流し・鰹のタタキ・イカ納豆・もろきゅう・小鉢5種。
 388蔵目・福岡「金襴藤娘」(吟醸しぼりたて)。
 すり流しは気仙沼から通販。タタキは四万十の名物を市内の酒屋「T」が仕入れているもので、附属の藻塩で食べて絶品です(ポン酢で食べてもOK)。

 きたやまおさむ富澤一誠『「こころの旅」を歌いながら』読了、★★★★。富澤一誠という人の文章はちょっと熱過ぎて引いちゃうところがあるんですけれども(70年代のやつね)、この対談は温度が丁度良かったような。