跳ねた跳ねた 僕は跳ねた 小学生みたいに

 6時入りでデスクワーク(今日は時間割作業)。本日は終業式と大掃除だけで生徒は半ドン、私は午後にゆっくりと通知表の担任講評を書く……予定だったんですけれども。
 生徒「先生、午後暇?」
 教員「あんたらしょっちゅう僕に『暇?』って聞いてくるけど、働いてる人間が暇なわけないでしょうが」
 生徒「そっか。で、暇なの?」
 教員「わ~ったよ暇です、今暇になることに決めました! で何?」
 生徒「今からN-1やるから審査員やってよ」
 教員「何その香ばしい響き、お笑いやんの? A組で?」
 生徒「いや、学年全体で。生徒6人と先生で審査員」

 優勝候補「夜の踊り子」(←コンビ名)のメンバーのイニシャルを冠した高2「THE MANZAI」、6組のコンビ(うち1組ピン芸)が大真面目に笑いで戦うイベントには、立見も含めて60人とかの観客が集まってます。
 前座某氏(A組文系)がフリップ芸で場を温め(面白くなかったらどうしようと心配してたら割と面白くて。一番ウケたのは下ネタでしたけど)、いざ始まった6組のライブが思いの外完成度が高くて驚いた。以前、61回生高3のお笑いコンテスト(文化祭中央ステージの「ウケメン」)で審査員をしたことがあるんですけど、悪いけどその比じゃない高レベル。え~、あんたら勉強せんのにこういう才能は爆発させんの~? って感じ。普通に笑えたもんね。

 この日記はF校の在校生や卒業生、保護者や教員の目に触れているそうなので、私が担任団であるところの63回生高2学年のネガティブキャンペーンをはらない、品位を貶めないことを職業倫理としっかり弁えつつ書こうとは思うんですけど、「人間と子宮による漫才」とかいうシュールなネタを披露されたらそら書かずにおられんやろ、という話でね。よくもまぁ女子や女子教諭が見てる前でそれをやれたな、と感心(面白かったし)。快楽亭ブラックか、っつーくらいの放送禁止用語とジェスチャーで、教室が異様な雰囲気になりました。審査員生徒に生真面目な子がいたんで得点は伸び悩みましたが。
 私が優勝候補に推した(最高得点をつけた)のは「ファットマンエクスプレス」というコンビのコントだったんですけど、デブネタ連打の構成もさることながら、結婚相談所の店員・客のやり取りの繰り返しで何度も自動ドアを「ウィン」って開けるその開け方(手の広げ方)が明らかに肩幅より狭くてず~っと「いやそれは店に入れんやろデブネタ天丼かよ」と笑いを堪えてました。後でメンバーに、「そんなんがツボる人間の笑わせ方なんか分かるか」と怒られました。
 優勝は前評判通りの「夜の踊り子」、図書館コントの王道バッコシで、高2にして4月の文化祭「ウケメン」で優勝(その時はタクシーコント)した実力を逞しくした格好、来年度文化祭の連覇も決まってるのかな。自分の名字を冠したお笑いグランプリで優勝するとは流石、ということで、メンバー2人(両方とも私のクラス)の担任所見と備考欄とに、こっそり「N-1グランプリ優勝」と書いときました。

 そうですよ、担任所見です。早速上記メンバー2人の所見で小ボケをかましてみましたが、2時間使って舞台観覧の後、今度は私がボケる番、44人分の担任所見を怒濤の勢いで書きまくる。PC室に館詰めになって、成績・生活・部活・課外・他先生評価・面談発言、等々種々要素を詰め込んで180字制限字数一杯に表現を刈り込む。
 書いてる途中で試合公欠のサッカー部生徒から「勝った~、越年(後の試合進出)決定!」という連絡を受けたので、部員生徒4人の所見を新たに書き換える等、リアルタイムでどんどん変わっていくのも面白いんです。

 で、夜はスーツでホテル。学校全体の正式行事としての忘年会。私は主に国語科非常勤の先生とお話をさせていただき、現高2の古文を担当して下さっている先生に「本当に申し訳御座いません勉強しない授業は集中できないテストの点も取れないあれは悪気があるんじゃないんですいい子たちなんですただ天然おピュアに勉強をしないだけなんです人間は悪くないんですそして見た目よりも子どもだから先生に甘えてるだけなんです見た目は大人心は子どもなんです先生のご苦労ご心労は恐らく実際の十分の一程度に過ぎないかも知れませんが承知しているつもりでおります何卒何卒ご容赦の上彼らを見捨てずに頂きたく平に平に」と畳みかけるように謝り倒す。

 で、気心知れた同士の二次会は私が幹事で、この年末の土曜日いかなシャッター通りのK市と雖も急な予約で20人弱は取れないだろうという皆様の心配は杞憂、ここならば絶対に空いているというお店「S」(中国人経営の中華料理店)に電話一発で解決です。
 今し方ホテル料理をあんだけ貪っといて、ここでもビールと紹興酒で中華を蹂躙する。あ~、しゃーわせ。