オレンジ色のお空で待つ ごほうびなんていらないから

 本日は19時からS予備校の福岡校にて67回生の浪人生激励会、51人(予定)の顔を見てきます。で、もう一つ大事なお仕事は激励会後の旧担任団食事会の幹事で、21過ぎから団体(10名弱)の予約をというのがなかなか難しく、今回は親不孝通りで日本酒を売りにしているという居酒屋「S」で飲み放題付きお任せコース5000円。初訪問のお店で「拘り」なのはHPから伝わってくるのですがこれが「拗らせ」なのかどうかは当たって砕けろ。

 午前中はデスクワーク。5限に高1Aの『土佐日記』の授業が1コマ。自宅に戻って母君のタオル・パジャマにアイロンをかけました。その途中で施設「I」の看護師さんから直電があってビクリとしましたが、用件は母君の入浴介助の(女子医大生による)見学の許諾を求めるもので安堵。「じゃんじゃん見せて下さい」とお返事。
 その後、タクシーで「I」を経由してから西鉄K駅へ。

 電車は薬院駅で下車、近くにあるK予備校で、我ら67回生B組出身の予備校生の様子をチューター氏から聞き出すという会合。チューターの皆様が、生活態度から学習状況(その結果)まで、一人一人の生徒の様子を細やかに把握され思いやって下さっていることに感謝。その後、旧担任団でぞろぞろ歩いて(道中すれ違うF校生がギョッとした顔をするのが「あるある」です)S予備校へ。ここでもチューターの方々と同じ会合を行い、その後S予備校の広間にて激励会に臨席します。
 参加する卒業生たちには準備された食事・飲み物がありますが教員は流石に手を付けず、久しぶりの顔合わせで話が弾む子どもたちの顔を見ながら、頑張ってるな~、とか、太ったな~、とか色々な感想を(予備校生活って、太り易いですよね)。

 さて、会合の最後には各先生方からの激励コメントがあります。本日は化学先生、英語先生、数学先生。で、最後が(進路指導主任として司会を務める関係上)私になったのですが、先のお三方が浪人の価値・益を強調してお話しなさるのを聞いている内に「現役で合格したらあかんのかい」という天邪鬼が顔をもたげてきたので、以下。

 【私はF中F高を経て現役で東大に合格して(笑い)、まぁそこそこ受験勉強のセンスがあったんですけど(笑い)、ただ高1の時から例えば定期テスト中なら12時に試験が終わってから翌朝9時の試験開始までの21時間で睡眠食事入浴を除く15時間は勉強していたみたいなタイプで、おかげさまで高3受験期の半年くらいはただただそれを毎日続けてただけで勝手に成績が伸びて行きました。正直砂を噛む生活だったんですけど、それで何が言いたいのかというと、この1年が皆さんにどんな実りをもたらすかについては申し訳ないことに浪人してないんで(笑い)知らないんですけど、皆さんが今勉強しているのは「損」ではないということです。この会でも先ほどから多くの先生が実体験や教育経験を踏まえて浪人の価値・実りを言われましたけれども、こういう場で殊更それが強調されるのが「あるある」なのは単に皆さんを慰め励ましたいからというだけではなくて、浪人生の少なくない中にその1年が「損」だという思いが確かに瀰漫しているからです。それが証拠に、「損」した分を取り戻すかみたいに浪人を経た大学生の一部が勉強しない。私たちの時もそうでしたし現役大学生の67回生も言うんですけど、浪人出身の方が勉強しなかったり留年しがちだったりする。だからこそ浪人が「損」ではない、益も価値もあるということが強調されるんですね。でも、皆さんは、現役合格した人が3年ないし6年でやったことを4年ないし7年でやっているというだけで、それは「損」ではない。現役時の私の砂噛み青春を舐めんじゃない(笑い)。現役合格者とやってることは変わらない。だから大学入学後も、現役合格組と変わらない日常を送ればいい。旧担任団が来るこの激励会に元気に顔を出せる人は高い確率で合格できます。だからその後のことを言う。例えば今日、あと15分、21時をもってこの激励会は終わりますが、その後帰宅したら22時から2時間は勉強できますね(笑い)。今夜勉強できる人は通る、その延長上で大学の勉強にも取り組めます。部活サークルバイト等にもね。その2時間の勉強は入試のために必要な当たり前の日常で、「損」ではありません。現役浪人問わず誰もが経るべき当たり前の日常なんです。大学入学は「損」を取り戻す堕落への号砲ではありません。「日常性の維持」を忘れないで下さい。それでは、また。】

 予約した居酒屋「S」が拗らせ系じゃなくて良かった!