一人で充分 文殊の知恵

 午前中に出勤。私は高1の授業準備などデスクワークを。連休ですが、明日は午前中に本棚が到着して午後は浪花節公演と予定が詰まっており、今日の午後はアカペラサークルの演奏会に行くので、仕事が出来るチャンスはこの午前中が唯一なのです。
 高1古文は鴨長明方丈記』から「安元の大火」、配布の読み物プリントには、昭和56年度の共通一次試験小説、川端康成「火に行く彼女」の全文、及び問題と解答とを選びました。今のセンター試験と設問の形式はほぼ同じですが、超短編の本文という傍線部の引き方といい選択肢といい、短い分量で問題として完璧に成立していて感服の一言。
 高3生は今週から週末は3連チャンで東大他の冠模試を受験します(11月の高3は休み無し、死のロードです)。で、或る予備校の東大模試、国語第一問(文理共通現代文)はどんなだろうと冊子を開き、本文を見る前にチラと目に入った設問の傍線部が「まなざしの不均衡によって規格化された従順な身体」というフレーズで、それに対して「どういうことか」を問うというものが。別に問題の批判はしませんが、この模試を受けるレベルの高校生・浪人生なら、設問(傍線部のフレーズ)だけ見たら本文を読まなくても解答できるんじゃないですかね(パノプティコンくらい知ってますでしょ?)。

 午後からは、Hさんと落ち合って市内のホールへ。事務嬢さん・63回生主任地理先生が所属するアカペラサークル「P」の定期演奏会に出掛けました。ホール横の公園(庭園)では「バラフェア」というイベントが開催されており、バラを始めとした植物の香り付けがなされた線香を買ったり、佐賀大学芸術学部の学生さんが自作を販売しているブースで絵はがき大の2枚の絵を買ったり、色々。絵は、母君がお好きそうな風景(森の中、水辺)を描いたもの。お位牌の横に飾ります。演奏会も素敵で、今年はキャッチーな(有名な・明るい)曲はそう多くなかったのですが、20年もやっているとそういうプログラムでも充分聴かせられるという矜恃があるのでしょう(実際、最後まで「Voice Bathing」を楽しめました)。そう言えば、通院以外の娯楽目的で母君と最後の(本格的な)外出をしたのは、前回2月のコンサート(K市芸術奨励賞受賞記念のステージ)だったような記憶が。

 清水ミチコ『三人寄れば無礼講』読了、★★★★。田中圭一のインタビュー漫画と同じ感想なんですが、モノマネ上手は対象への自己没入と対象を観察する客観という相反する二者の混合状態をずっと自分の中でキープできるんですね。清水さん、2人の鼎談相手に対峙して、折々に絶妙なツッコミを入れるだけでなく、時には相手に「なって」話の続きを先取ったりまでして、正に融通無碍です。一対一の「対談」だったら、相手は相当緊張する(休む暇がない)んじゃないかなぁ、と。その点、「鼎談」は少し和らいだりとか?
 久世岳『うらみちお兄さん(4)』読了、★★★。