とっぱちからくさやんつきラーメン

 私が通ったN小学校の校歌には「天地どよもし響(ひび)くなり」という一節があったのですが、まぁ小学生の語彙ではないですよね。というか、先生方の多くも、特に若い先生はご存じなかったのではないでしょうか。歌詞の意味を授業で教わった記憶はありませんが、私は「辞書っ子」だったので恐らく入学して直ぐに字典を引いたんだと思います、それを「天地響もし響くなり」と書くことを早い段階で知っていましたし、2年生だったかの時に「古の昔の武士の侍が馬から落ちて落馬して……」という言い回しで重言について習った時には後で担任のN先生に「響もし響く」というのは重言なのですか? と質問に行ったような嫌なガキでした(1年・2年・5年・6年と担任でお世話になったN先生は私より40歳上のベテランで、とにかく語彙が豊富でいらしたのに憧れていた記憶があります)。そうそう、「響く」には「どよめく」という訓があるのも字典を引いた時に一緒に覚えて、一人でニタニタ悦に入ってたんでした。鍵っ子でしたからね、一人遊びについては色々覚えています。

 定期テストの採点は暫く塩漬け。高3は通常授業で、私は1限に文系東大漢文の授業があったので2限以降はその添削を(帰りのSHRで返却して貰います)。半ドンで生徒下校後は、時間割関係のデスクワークを暫く。そう言えば、6年前だったかに担当業者が変わってから何度目かになりますが、久しぶりに学校の食堂で昼食を摂りました。和麺(かけうどん)190円にトッピングの肉130円。感想略。

 テナントビルの建て替えで夏から店舗閉鎖の予定だった天神「ジュンク堂」が移転先を見つけて再オープンしたのが8月上旬でしたか、私はまだ一度も行けていなかったので今日をと狙っていたのですが、時間割作業が予想より手間取ったことなどの影響で、西鉄K駅発の特急に乗れたのが16時。それだと、「ジュンク堂」だけに寄ってK市にとんぼ返りするにしても、帰って自炊なり外飲みなりをすると(私にしては)遅い時間になります。独りで福岡で飲んでから帰るか、とんぼ返りにしても途中の二日市で降りて焼鳥「月空」かなぁ、などと。

 以前の店舗とは駅を挟んで反対側、天神西通りのビルの1~3階が新しい「ジュンク堂」で、歩いて回った感じでは以前の店舗の半分以下になっています。が、配架の工夫(書棚と書棚との間が狭い!)なのか「本が減った!」という感覚は薄く、前の店舗に頻繁に訪れていた影響なのか全く変わってしまった本の配置でもどこにどのジャンルの本があるのかは何となく判ります。
 人文学書の新刊を大きな本棚2つ使って面陳列(しかも1階と2階との2箇所で)みたいな「贅沢」は出来ないので、新刊書は本棚の端に小さなテーブルで平積みのコーナーが少しだけ。不注意だと通り過ぎて仕舞いそうな「こぢんまり」で、実際一度通り過ぎかけたんですけれども、目の端にチラと見えたような気がした何かが気になって振り返ったら「あ、これか」と平積み10冊程度の中から1冊。こういう「すれ違い」からの「後ろ髪」からの「一目惚れ」、みたいな本は絶対に外れませんので、詳しく中身を見る前に取り敢えず籠に突っ込みました。固有名詞を用いずに書いているのは、勿論、この本が入試だか模試だかに使えるという予感(ほぼ確信)があるからです。

 63回生が高3の時ですからもう6年は前の話になりますが、船木亨『差異とは何か』から校内模試現代文を作った時が正にそれでした。本棚を通り過ぎさまに背表紙の「差異」の文字に反応したんでしょうね、「後ろ髪」で振り返ったら目が合って「一目惚れ」、目次すら読まずに3000円を籠に入れて、果たしてそこから校内模試現代文(東大風)が出来ました。しかも、ちょっとしたテクニックを使ったら、本文として引用した3000字以外の部分は殆ど読まずに作れたんですね。これ(ちょっとしたテクニック)はお手軽ながら「邪道」ですので、反省の意味を込めて「レミ風」というタイトルで日記に書き記しました。と言うわけで、当blogで「レミ風」を検索したところ、2014年9月19日のエントリにその顛末が。
 今日「ジュンク堂」で手に取った本でも、これと同じやり方でオリジナルの問題が作れると踏んでいます。っつかね、全国の大学の入試問題だとか、予備校の模試の問題だとか、結構な割合で「ジュンク堂」の店員さんが(面陳列を通じて)作っている、と言ってもいいくらいなんじゃないですかね。

 『きのう何食べた?』を筆頭に漫画が大漁、その他様々な本を買って1階のレジに……行ったらレジが3箇所くらいしかないのでびっくり。この規模の書店でレジが少ないと、日曜なんて密密の行列が出来てしまうんじゃないでしょうか(土曜の夕方遅くはそうでもありませんでしたが)。

 さて、レジカウンターに並んだ時点で既に18時を回っていてお腹が空いていたので、二日市「月空」のマスター(63回生Mくんパパ)に電話をしたら、最悪なことにカウンター満席(しかもテーブルフロアは予約ゼロ)という状態。流石にそこに独りで入るのはあれなので今回はお断りをして、どうしようかと店を出たら、荷物重い、腹減った、加えて灼熱、と3拍子。躊躇わずにタクシーに乗って、タクシーの中で薬院駅2分のホテルを「トリバゴ」予約しました。1泊3000円です。
 同じくタクシーの中で電話した居酒屋「酒とさかな ふじ」がカウンター1席のみ空きありだったので飛び込むことに。Twitterで顛末を呟いたら、一昨日K市で飲んだ63回生A組Iくん(薬院住み)から秒で「いいね」がついたので、「来る?」と聞いてみたところ「友達と食事中なので2次会から」という返事。私にとっては完璧な流れです。

 「酒とさかな ふじ」は3回目、最初は58回生Iくん(医者)と、2度目はそれこそ後で飲む63回生Iくんとカウンターで並んだんでした。
 絶品魚介と拘りの日本酒。ここなら「日本酒チャレンジ」ですかされることもないと踏んでいたら、案の定まだ飲んでいない(ストックにも無い)日本酒が2種類(だけ)。宮城「綿屋」(特別純米酒)に、新潟「至」(純米吟醸)。肴は、刺身8点・焼き茄子・アスパラ1本焼き・ピーマン佃煮・サワラ西京・トロタク。黙って独酌だったんですけれども、カウンター越しに対面だった大将から「以前、教え子さんでしたかとご一緒でしたよね?」と言われて「出来る……!」となりました。

 からの、天神屋台街「錦ちゃん」でIくんと軽く2次会。土曜夜とは思えない閑散の屋台通り、本当なら賑やかであるべきでしょうカウンターも、我々2人と常連のおば様、そして我々2人だけ。歓談超えて泥酔、焼きラーメンも餃子もゴーヤチャンプルーも美味しかったです。私は1軒目で結構飲み食いしたし、Iくんも夕食はカツ丼だったらしいんですけど、まぁ食うわ食うわ。
 1軒目でも2軒目でも「教え子と飲みに来る(年の離れた教え子につきあってもらえる)なんて、良いですよねぇ」と羨ましがられました。独身万歳。

 特急で帰ろうと思えば十分帰れる時間ですが、ホテルに戻ってベッドで眠れる贅沢。しゃ~わせ。