現前の形而上学

 高2の話。
 来週月曜日から第3回定期テストなのですが、私は高2現代文の平均点を75点(大体こんなもんでしょ、というライン)にしたい。前回の第2回定期では(大雨台風その他の休校で授業がぶっ飛んで)試験範囲が減った結果、平均得点がほぼ90点に近づくという失態を犯してしまい(いつもなら80点強を目安に作ってその通りに出すのですが)、学年団の某先生から「これじゃ、試験の意味ないんじゃないですぅ~?」みたいな軽口を叩かれる始末。もうね、絶対(いつもより7点ほど低い)75点にしてみせますから。
 ただ、そうすると、教材選択の段階からちょっと工夫が必要でして。次回第3回定期テストに向けて行っている文章は評論文が4つで、以下の通り。
 ・西谷修「問われる『身体』の生命」(東大98年)
 ・清水哲郎「死と向き合う」(京大06年)
 ・原研哉『白』(東大08年)
 ・内田樹「越境と巡歴」
 最後の内田先生の文章は入試出典ではありませんが、他3つより難しいと思います。このレベルの文章を各2限計8コマで解説して、その上で4つの文章を試験で読み解かせます。初見ではないので、当然設問は入試の問題より難度を上げます(というか、文章間を横断して理解させますので、当然難度は上がります)。これで、何とか75点に持って行けるんじゃないかなぁ、と想像。並の問題では、彼らは失点しません。

 高3の話。
 本日は第3回校内模試の初日(浪人中の校外生は日曜日に受験です)。国語の出題があり、私は今年度初めて作問・採点を行います。出題するのは第一問文理共通現代文で、出典にした文章は大澤真幸が7月に(國分功一郎との共著の中で)発表した論文の一節。
 民主主義が全体主義に移行する流れを概説した後、全体主義の指導者による「人民」の組織化と監視資本主義のAIによる「消費者」の組織化とは類比的であるということを指摘した箇所。最後の120字は、前述の「類比的」の内容を抽象させる難題です。これは、4割強の平均になるはず。

 高2Aで現代文の授業が1コマ、夕方前に届いた校内模試の答案は漢字だけ採点してから残りは明日。
 後者の漢字については、「現前」という熟語が高3受験生ほぼ全員の語彙の中に無かったことはちょっと驚きでした。そういう場合は「ゲンゼン」のカタカナを見て文脈から推測する……んですけれども、監視資本主義下におけるネットショッピングという文脈だったからなのか、「厳選」とカタカナから読み間違えた答案が続出で苦笑してしまいました。カタカナの読み間違いは模試や入試の「あるある」でしょうね。

 漢字のみの採点で学校を出るという不真面目は、全てユーミンを優先したからです。タクシーで血痰ネーミングショッピングモール「You meタウン」へ行き、タワレコユーミンの新譜(『刀剣乱舞』というアニメだかゲームだかの主題歌)、及び『エヴァ』の25周年ヴォーカルベストを購入。モールでは九州の物産展が開かれていましたがこれは北海道ほどの魅力は無し、鯖カツだけ購入しましたがこれはどこの名産だったっけ。

 10/8の「自粛御膳」。
 茸御飯・ゴーヤツナ和え・麻婆豆腐・イカ納豆・小鉢4種。
 茸御飯は事務嬢さんからの旅行土産の「素」を入れて炊くだけ、麻婆豆腐は「もりき」のお土産、ゴーヤツナ和えは準備済み、小鉢は並べるだけ(浅漬けが活躍)。と言うわけで、今日は包丁を一切使っていません、特別にやったことと言えばイカ素麺と納豆とを混ぜ合わせるだけですね。
 日本酒は福島「奈良萬」(純米生酒 おりがらみ)でこれがヒット、グラスに気泡がびっしりという炭酸系、麻婆豆腐にも納豆にも負けない甘さで久しぶりに★★★★。