野暮でイナたい人生を 照れることなく語ろう

 昨年度はコロナの影響で(1日目F校会場・2日目シティプラザ会場共に)中止となった「男く祭」が、引き続くコロナ禍の恐怖と制約とを乗り越える生徒(と一部教員と)の奮闘努力を経て、本日決行。色々な裏事情は措いて、2年連続で中止になったら(高3学年と高2学年との共働における「見習い」を通じて)生徒間で代々引き継がれてきた伝統が完全に途切れることになったことを思い、先ずは開催を言祝ぎます。

 本日は1日目@F校会場、決行とは言ってもコロナ禍の真っ只中ですので、通常の年度と比べたらかなり制約が多いです。全て挙げることはしませんが、大きなものだけでも、以下。
 ●高校生・保護者以外の立入禁止(学校外の方は勿論、卒業生もNG。休日の中学生も遠慮を推奨)
 ●消毒・検温・座席間引き他感染対策の徹底
 ●ライブ他イベントの中止短縮
 ●校内での調理禁止(既製品か完成品かのみの販売)
 等々、イレギュラーなことばかり。客入りは例年よりもかなり少なく、イベントの種類も減らさざるを得ない上に、開催可能なイベントでも終始緊張感がつきまとうのをどうすることもできません。それでも、終わってから振り返れば、実行委員以下生徒の動きは冷静で(勿論、自分たち自体が楽しむことも忘れず)、彼彼女たちの能力を改めてまざまざと見せつけられた思いです。前述の「高3学年と高2学年との共働における『見習い』」という点で言えば、今年の主宰学年であるところの高3(70回生)は4月頭から本番までの動きを69回生との共働を通じて学ぶということが(昨年度において)出来なかった訳ですから、そのハンデを乗り越えて1日目本番を恙無く終えられたというのは賞賛に値する達成かと。
 中央ステージエンディングでの文化委員長挨拶は、通常なら2日目シティプラザ会場でのエンディングで披露されるような2日間総括に近しい内容でした。これは、通常ならシティプラザに座席が用意されている保護者が今年は館内に入れないということを考慮したものだったのでしょうか(聡い方々ですから、多分)。

 さて、以下はモブ教員・私の動き。
 6時半に出勤したら、既に何人かの生徒が登校して会場準備を始めています。天気には恵まれて良かった。

 今年度の高3はなかなか人使いが荒……じゃない、モブ・ザ・国語教員ごときを色々な企画に誘って下さる積極性をお持ちで、私は、体験授業(もう10回くらいやってます)以下3つのイベントに駆り出されました。が、その内1つがなかなかのトラウマ級。

 体育館下の駐車場スペースに設置された中央(メイン)ステージ。そこでの朝一の企画は「F高生格付けチェック」とのタイトルで、例の正月番組のパロディが行われました。で、私は、その最終問題の出題要員として中央ステージに立たされたのです。
 どこから漏れたか私は地下アイドル・絵恋ちゃんさんのファン(通称・えれにすと)の末席。そこで、私が書いた「絵恋ちゃんさんを称える200字」を、高3生2人が書いた200字を交えた3つの文章(A~C)の中から当てるという問題です。企画内容を知った時、高3数学先生は「何とおいたわしい!」と仰り、高3物理先生は「よく引き受けましたね、教員として終わってません?」と仰いました。否定はしない。
 現場でも(恥ずかしいから)滅多に着たことがない絵恋ちゃんTシャツを着て、絵恋ちゃんタオル・絵恋ちゃんトートを肩からさげた非常に解りやすい格好で、保護者・生徒大挙(注・ソーシャルディスタンスは保たれています)のステージ上でヲタク丸出し600字を朗読する生き地獄。しかも、解答者側の参加全チームが正解を当てられず、その時点でダンボールの上に正座しておられた超大物先生コンビ「チーム倫理政経」を「映す価値なし」に叩き落とすという暴挙を働いてしまい。

 ……っつか私、あの200字、結構必死で考えたのよ? 絵恋ちゃんさんのこと殆ど知らない高3生が書いた文章に埋もれるって、文才も情熱も足りなさ過ぎじゃない?
 ……と、えれにすと仲間(というか師匠)のオツカル様に私が書いた文章を紹介したら、「現場入りとかエゴサ神とかど下ネタとか後方彼氏面とか、まともな教員が書くはずがないことを盛り込みすぎだ落ち着け」と窘められました。さよけ。

 因みに、私の絵恋ちゃんさん(地下アイドル)問題の前には、6年前にF高を訪問なさった橋本環奈さん(地上どころか天上のアイドル)のサイン(2014/12/18の日記参照)を偽物と見分けるという問題が出題されまして、私の「それは地下アイドル的にも地獄なんじゃないのか」というメッセージに対して、オツカル様は「わはははははははははははははは」という筒井康隆じみた返信を送ってこられました。

 2つ目のイベントは、合同講義室にて「体験授業」。普段、F高でどんな授業が行われているのかを、外部のお客様に観ていただく……っておい、今年度、外部おらんがな。高3の3人が授業をするのは解る、校長先生がなさるのも解る。でも、外部の方がいらっしゃらない内輪の祭なら、わざわざ一般教員が授業をする必要はないんじゃないのかなぁ、と思ったり。いや、やりますけど。
 東大12年の漢文『春秋左氏伝』の本文における「和而不同」の概念を引きながら、東大が求める学生像、及びこの「和而不同」をスローガンにしている(少なくともしていた)F校の教育観について42分間ほど喋りました。例年の「体験授業」では、くすぐりをたくさん入れて「無内容は笑わせて誤魔化す」という方針なんですが、今回のは終わった後で自分自身に「真面目か」とツッコんでしまうくらい「普通」のお話をしてしまいました。無意識裡に時節柄を考慮したんでしょうかねぇ。

 3つ目のイベントは、中庭小ステージにて「川柳甲子園」。
 数日前の日記に、祭のパンフレットの欄外にF高生が「F校あるある」を詠んだ五七五を載せるというのを書きましたが、それら作品の中から選ばれたいくつかの五七五に、登壇者(私たち)が勝手に七七をつけるという企画。人の褌で相撲を取るのは国語教員のデフォルトだというのが企画者にばれてるんでしょうか、教員から選ばれた登壇者は私だけでした。
 お題は「F校生 マネーあるけど マナー無し」。哀しくなってしまいますね。生徒指導部の「検閲」があったらいけないので過激なものは避けて、私の七七は「今日もセブンで Wi-Fiゾンビ」。
 学校最寄りのセブンイレブン、放課後にその中や外を彷徨しながら必死にゲームをやっている中学生(一部高校生)を私は「Wi-Fiゾンビ」と呼んでいます。自分が担任を務めているクラスの生徒だったら、そのアホづ……じゃないピュア・フェイスに一発入れ……じゃない優しく撫でてあげるんですけれども、あれはF校挙げた社会問題だと考えて良いのでは、などと解説を。本当は、「デリケートだけど デリカシー無し」という七七を考えていたのですが、これは生徒ではなく教員の話なのでやめました(と解説したら、少しウケました)。

 いつもなら卒業生が大挙して押し寄せその対応が業務の半分くらいを占めるのですが今年はそれが無く、職員室がず~っと静かだったのが印象に残りました。私は3つのイベントで祭の間中ほぼスケジュールが埋まっており、各フロアをひやかすことが殆ど出来ずやや心残り。ただ、高3某さんから誘われていた合唱部演奏@音楽室、は何とか観ることができました(マスクを外して歌える歓び!)。高3はこれで引退、お疲れ様でした。

 祭のあと、現場復元「備品移動」は昨日の作業と逆の順序を辿るだけでこれは瞬殺。担任クラスを持たない私の仕事は事実上これでお仕舞いで、定時帰宅後に入浴。疲れた(身体が、というより精神が?)ので夜は絶対外、と「もりき」へ。

 4/25は「自粛御膳」をお休み、居酒屋「もりき」で黙酌黙食……
 ……のつもりだったのに、入って40分後に職場から電話がかかって来て仕事の命令。作ってた途中のサイコロステーキは持ち帰りにしてもらって帰宅、書斎で飲み直しながら時間割作業を。
 詳細は秘しますが、要するに「杜撰」の尻拭いだったので正直気分は良くない。こんなんで人の黙酌を妨げるんじゃねぇ。取りあえず根回し、というか状況がよく解ってないのでその確認のための電話を何人かの先生にかけながら、パズルをあ~でもないこ~でもない、とごちゃごちゃやって一応完成。

 不貞寝。