高速連打されてるのは デスメタルのせいじゃないよね

 1限は文系二次対策授業、今日は一橋大学の過去問(200字要約)を扱いました。文章の筆者は内田樹先生。演習というよりは、要約のやり方の概説。「攻める」要約、「守る」要約という2種類の違いを、本文を範読し、自作・各予備校・出版社の要約例を配布して説明しました。
 午後の特講2連続を乗り切るため、そしてその後の職場歓送迎会(4年ぶりに復活!)で空酒酔いをしないようにするため、に少し無理をして昼食を摂ることにして、F校正門徒歩4分の場所にある味噌ラーメン「M」へ向かいました。5月からの値上がりで、「からまろ」(辛味噌乗せ味噌ラーメン)が950円、煮卵が150円に。この値段の店に、土曜半ドンの放課後は制服がずらり行列だっつーんだから、F校生ってやっぱお金持ちが多いよなぁ、と。開店2分前に到着したら先着が2組、開店直後に更に4組であっという間の満席。小箱ながら人気店です。

 放課後の避難訓練は雨天で中止。放課後は、13時半~15時半で東大理系現代文特講(約50名受講)、15時半~17時半で京大現代文特講(約20名受講)です。
 前者東大に関しては、既に火曜日に行った文系特講と同一内容なので委細は省略。但し、理系の生徒に関しては文系には言わなくてよい注意を一つ追加する必要があるので、それについて少し。私、基本的に毎年(例外あり)「合格体験記」の生徒原稿の校正ボランティアをやってるんですけれども、そこでしょっちゅう出会すタイピングのミスが、理系生徒が物理で用いる問題集『名問の森』のタイトルが「名門」となっている誤り。「名問」が一発変換されない単語であることを知らず、最初に変換候補として出てくる「名門」を正解だと思い込んでしまうのです。毎年毎年門構えの中に小さく「口」の字を書きこむ訂正、この20年で1000回くらいやってると思います。大概イラッとします。ので、「合格体験記」を書くことになった時には、「名」と打って「問題」と打って「題」を消す、或いは「名問」を変換候補に加えておく、等々の処理をして下さい……と言ったら受講生は笑う。いや、笑ってるけど、ほんとにイラッとするんで、今年度中にあと3回は言いますからね。
 後者京都大学現代文特講は、文理合同で20人。こちらも、京大入試国語(現代文)についてや特講の流れについての説明を行った後で演習、解説という流れは東大特講と同じ。文系・理系で問題や配点が違うので、特講では文系(50点)の問題を中心に扱い理系にも付き合ってもらうという形をとります。京大はとにかく解答欄が(特に15年20年以上前の問題は)広い。今は1行(1cm)毎に縦線で区切られていますが大昔はそれすらなく一つの設問ごとにだだっ広い四角形がぽんと放り投げられる形式、それを「棺桶」と呼んでいた関係者もいたとか。扱った問題は12年の小説、尾崎一雄『痩せた雄鶏』から。リード文にサラッと書いてある「私小説」というのを、問3以降の設問の解答記述にどのように反映させられるか、が点数差を生みます。

 半ドン土曜の午後に4時間特講をやっているのが、国語科の私と、数学科の後輩先生。15時半に講義を終えた後、後輩先生の車に乗っけてもらって、私の自宅(答案を書斎に持ち帰るため)経由で市内の某ホテル(近くの駐車場)へ運んでもらいました。本日、4年ぶりの歓送迎会@某ホテル宴会場。
 コロナ禍を経て4年ぶりの開催、その間にご退職になった先生方、或いは新しくお出でになった先生方、を交えた(ノーマスクの)歓談。料理はバイキング、飲み放題は瓶ビール、ワイン、ウィスキー、焼酎、ソフトドリンク。本日はご都合が合ってお出でになれなかった総務部長公民先生からは日本酒の差し入れも。コロナ禍が完全に終わった訳ではないないのでご参加がかなわない先生方も少なくなく、参加者は50人程度にとどまりましたが、それでも職場の大規模イベントを恙無く開催出来たことは、「ニューノーマルは僭称」派にとって大変喜ばしい成果。

 腕まくりで2次会の予約をお引き受け。20人超の食い物は要らん酒を出せ軍団を密室に閉じ込めるなら……と数件のあたりをつけて次々に電話をし、無事にフレンチ居酒屋「L」を押さえました。雑居ビル2階・3階の店舗の、3階の広間を貸し切れるとのこと。ワインを含む飲み放題に軽いおつまみ(ナッツ・チーズ)がついて3500円、コロナ前は3000円でしたが値上がりしました。
 管理職から新卒新人までの20人を3階個室におしこ、じゃないご案内し、3階はりつきの店員さん2人に最初の追加注文をお願いしに行って……から気づく。店員さん、ワイン(特大紙パックからデキャンタに)の注ぎ方に戸惑ってますけど、大丈夫? 聞けばなんとお2人とも今日が初出勤のバイトくんだということ。大変です! こんな蟒蛇(うわばみ)集団20人の飲酒ペースに、今日が初日のバイトくん2人が追いつけるはずがありません!
 ……と、いうことで、急遽、私(幹事)と気働きのきく若手(剣道先生)とでお運びのお手伝いをすることに。バイトくん2人はビールやカクテルををグラスに、ワインをデカンタに注ぐのに集中する。注文取りとグラス・デカンタのお運びは客2人が行う。店員もどき(グラス運んで戻して、デカンタのワインを注ぎ回って、新しい注文を取って)をやりながら自分もガンガン飲んでる内に、バイトくん2人の注ぎ方がどんどん熟(こな)れていくのが分かりました。こういう「店員もどき」みたいなのも、コロナ前の飲み会を久しぶりに思い出して、「ニューノーマルは僭称」派の満足感、計り知れません。

 帰る頃には、声が完全に死んでましたけど。