さんまがうまく焼けないと 涙流した夜もあった

 嘗てF高で生物の非常勤を長く勤められ、現在は(その当時からずっとですが)幾つかの予備校を掛け持ちで「カリスマって」おられるS先生から、熊本で開催された学会で高校生物の履修減についてワークショップを開かれたというニュース(熊本日日新聞)を教えていただきました。一部の大学医学部(例えば九大)の二次試験に生物がなかったり、学習内容が滅茶苦茶複雑化していたり(教員が苦労するレベルで、23年度共通テストの平均は過去最低の39.74)、諸原因が重なって履修者がどんどん減っているそう。
 私は文系の人間で、高校生当時(2科目2単位の今と違って1科目4単位でした)は迷わず生物を選択。化学物理に興味が湧かないという消極的理由が半分、要はパズルとクイズでしょ(←失礼)という科目特性に惹かれたという積極的理由が半分。何故か非常勤のお爺ちゃん先生が担当で、「最初に発見された性フェロモンはドイツのブーテナント博士が見つけたボンビコール」とかクイズっぽいのを聞いた時の記憶は結構頭の中に残っています。
 で、話を理系に戻します。田舎の進学校であるところのF校の生徒は医学部志向が強く(困ったもんだ)、彼らが最も身近に知ってる九大の医学部が生物で受験できないとなったらそりゃ物理を選びますわな(F高の理系は、化学必修・物理生物選択で2科目を履修します)。要は九大医学部が二次試験に生物を入れりゃ解決じゃね? と文系脳は単純に考える。だって、医学だよ? 生物の素養って要りません? って感じ。実際、ちょっと前まで九医はセンター試験で生物を課していて(二次試験は物化指定)、高3は放課後にセンター生物特講を受けてましたもんね。で、センター生物を課さなくなると最初に聞いた時に「おっ、いよいよ二次に生物が?」と思ったら二次はそのまま(物化指定)と知って「後退しとるやんけ!」とツッコんだ記憶があります。S先生に「ぶっちゃけ、自前の二次試験で生物を作問したり採点したりするのって、難しいとか面倒くさいとかあるんですかね?」と単刀直入に聞いたら、ちょっと語尾の濁った答えが返ってきました。あとは……男女の問題とか、あるんですかねぇ。

 7時半に徒歩で学校入り、今日は高3の授業がぎっしり詰まっているので、高1漢文の採点は後回しです(空き時間に、ほんの少しだけやれましたが、微々たるもんです)。
 始業前は板書準備、始業後は授業5コマと回収答案の採点集計と。本日の教材は09年追試験小説、野上弥生子「笛」。夫の「良造」を亡くした「つね」、娘の「きみ」とその夫「新作」とは「つね」の家で同居、孫の「太郎」「次郎」は双子です。そして、「つね」の息子(「きみ」の弟)の「清太」(25歳の工場勤め)が6人目の家族。「太郎」「次郎」が双子ではなく、「清太」にもしも妹がいたら、日曜夕方の茶の間に磯の香りを吹き込んでくる「あの一家」と同じ構成になりますね。板書で家系図を書くたびに、「つね」さんの「つ」の字をカタカナの「フ」に変えたくなる気持ち、教えたことのある教員なら分かって下さるんじゃないでしょうか。「太郎」くんも「タラオ」と呼びたくなる。というか、「きみ」の性格を設問化した問三、誤答選択肢の「そそっかしい行動」なんての、絶対にあのキャラ(頭に団子3つ乗せた主人公)をイメージして作ったでしょ、と言いたい。

 ぶっかけ素麺(2杷100g)の具材は、大葉の上にこんもりの大根おろし、たっぷりのシラス、茗荷1本分の千切り、梅干し。ホッケの開きには昨日作った茗荷酢漬け2本(我ながら本当に茗荷が好きです)。コールスローサラダにはツナ缶。冷奴の薬味は小葱・シラス・鰹節・刻み海苔。
 725蔵目・大阪「元朝」(大吟醸)。アル添ですが、美味。