あなたは半條佑と同じ頭脳タイプですか?

 前夜の飲み会で天の一角から「明日は朝から書斎で添削」と繰り返していたあいつ、あれは別に職業倫理だとか社会的常識だとかを司ってる天使みたいなもんじゃありません。添削は朝から始めたら確かに夕方前には終わるわけですが、別に(朝はベッドでゴロゴロして)昼から始めて夜に終わらせたっていいんです。あいつが朝から始める(夕方までに終わる)のに拘ってたのは、偏に『ドラゴンクエストモンスターズ3』を(夜、飲みながら)プレイしたいから。ソフトは購入済みです。『モンスターズ』シリーズは今年で25周年だそう、ならばこれは青少年のものというよりはオッサンオバハンのもの(酒のお供)でしょう。

 ばっちり早朝に起き出して書斎でガシガシ添削。入浴、宅急便受け取り、買い物(往復1時間でスーパーまで食材買い出し)、の中断を3度挟み、15時の時点で80%の進捗。残り20%(2~3時間)は翌未明の私に押しつけて、夕方前から独酌の準備を始めます。本日はスーパーの刺盛りを買い込む贅沢をしましたが、その前にドカンと大きなお料理を1品、小泉武夫風の納豆鍋です。
 出汁は鰹のパックと昆布・イリコとを煮立ててたっぷり、そこに料理酒をドバドバ。具材は、豚肉・鱈・オクラ・長芋・里芋・滑子・糸蒟蒻・豆腐。最後に納豆を2パック分。ポン酢でいただくんですけれども、これがまぁ煮立てた鍋の出汁が時間の経つごとにドロリンドロリンのヌメリンヌメリンになって行って。絹豆腐なんてもう最後はドロヌーバかお前はみたいな形状でしたから(勿論、既に『モンスターズ』は始めています)。独身男がゲームやるだけなのにこんなに精をつけてどうするんでしょうか。小泉武夫のエッセイでは〆がうどんとありましたが、炭水化物はよしときました。
 鍋箸とんすいを洗うのが大変。

 納豆鍋を全て片づけた後は、パックの刺身を萩焼に移して、刺身醤油を備前焼に。さっきまでのビール・焼酎を冷酒に切り換えて、読みさしの芥川『歯車』をお供に。
 岩波文庫版には「玄鶴山房」「歯車」「或阿呆の一生」の3篇が収録されており、私は恥ずかしいことに「玄鶴山房」を初めて読んだんですが、ゾクゾクしますね、これ。若しかしたら「偸盗」の次くらいに好きかも知れない、と読了直後の熱の中で思いました。