絶対押すなよ系のコントみたいだな

 8時半ギリギリに出勤。職員室の前で合唱部高1の生徒が明日の定期演奏会のチケットを届けるために待っていてくれていました。お待たせして申し訳なく。
 午前中は仕事が無く(適当な机仕事を)、午後は中1の「確認テスト」の採点。私は評論を出題。出典は外山滋比古『ことわざの論理』で、私は1979年の東書選書版から取りましたが、21世紀になって同社から新版が、更にちくま学芸文庫からも出ています。「急がば回れ」などの撞着語法(オクシモロン)の論理解説、国語科での事前の問題検討では中1には難しいのではないかと言われましたが、この手の話は(私は)小5か小6かの時に当時通っていたZ塾でも習っていましたし、ぶっちゃけ知らなかったというならちょっと勉強不足なのではないかと思いました。結果は平均7割、漢字・文法の出来具合にはやや不満が残りました(「自発」の意味を知らず、「自戒」が語彙に無い)が、読解記述は一定以上の水準に達しており評価は「やや良い」です。今回は、筆者の文体もそのまま残したような抜き書き記述も、正しいところに着目できていればOKという採点。昔、同テストが「実力テスト」と呼ばれていた時代ならもっと厳しい採点だったと思いますが、現行の「確認テスト」ならそのような採点で、という判断。

 本日は共通テスト(←名称嫌)本番初日で、初日は文系科目ですので国語も行われています。評論・小説の解答プリントは明朝の職員室で作成します(午後は合唱部定演)。

 帰宅後は自炊。もずく酢サラダに豚しゃぶ鍋。
 日本酒は通販で購入した千葉「総乃寒菊」、63回生・67回生で担任を務めたMくん・Mさん兄妹のお母様から贈られた佐賀「光栄菊」を。

 川添愛『世にもあいまいなことばの秘密』読了、★★★★。「AIは『絶対に押すなよ』を理解できるか」という著書の副題だけで面白い人と直ぐに知れるイケイケな言語学者の最新刊、但し「ちくまプリマー」だけあって笑いの要素は抑えめ(というか、ほぼ無し)。言葉は曖昧かつ可変的、例えば。「日本人の中にもマナーが良くない人はいます。なんなら私自身も、マナーが良い方かと言われると、あまり自信がありません」というのは本書53頁の一節。恐らく筆者は態と用いたのでしょう、意味が現在進行形で変容中の一語。この「なんなら」に、違和感はありますか?