麒麟は 鎖ちぎりこう言った Wonder Child!

 6時入りの学校で高3の添削。1限に板書準備をやって、2~5限で高1漢文の授業を。行事関係でずっと潰れており、1月も末になってやっと3学期最初の授業です。3学期は、教科書をストップして独自教材を使用。今回から暫くは白居易で、最近(と言っても高1の生徒が生まれる前)九大の入試で出題された「獏屏賛」を読みます。「獏」は実在の動物ではなく聖獣、日本では悪夢を食べると言われていますが、楽天の文章中では金属のみを食べると言われています(疫病にご利益のある聖獣だそうでタイムリー)。生徒は「聖獣」と言われてピンとくるんでしょうか。『鬼灯の冷徹』の白澤、って言って通じるんでしょうか(もう古いのかどうかすら分かりません)。
 授業では、私の母方の祖父の名前が「池ノ都麒麟」だという話を。祖父の両親が檀家だった寺でつけてもらった名前だ、と聞いたことがあったようななかったような。私の名前も「辰也」ですから一応幻獣・聖獣が含まれていると言えば言えないこともないかも知れません。龍のように力強くという母君だか父親だかの願いが込められているそうですがちょっと惜しかった、結果としては龍のように細長い人間に成長しまして。

 夜は、後輩数学先生と定例の懐石「G」。高3担任で数学担当ですから共通テスト(←名称嫌)後の今がまさに正念場で、「やってもやっても次々に生徒が持ってきて全然終わらないんですよ!」と、毎日毎日半泣きになりながら添削地獄に全てを奪われています。
 まだ現代文はいいんです。殆ど東大か京大しか提出がなく、東大なら1年に2題(文理共通・文系専用)、京大なら1年に3題(文理共通・文系専用・理系専用)が過去問リストに加わるだけです。京大に関してはそんなことはないですが、東大に関してなら、二次現代文の筆者・出典・傍線・設問・解答欄・自作解答例、少なくとも84年以降の40年間分は大体頭に入ってます(2年前のコロナ蟄居の時に1回だけしか発動させていませんが、クオリティを問われないなら生徒答案だけ受け取れば何も見ずに添削するという禁断の術も使えます)。
 ところが、数学はそうはいかない。東大だけでも10題弱(文系4題・理系6題、幾つか重複問題あり)が毎年増えていきますから過去問全てを頭に入れるなんて無理ですし、生徒が持ってくる大学も東京京都大阪九州熊本鹿児島長崎一橋広島東北北海道東工……と数えきれない種類。要するに、生徒が添削を持ってくるたびに新しい問題を1題1題解くことになるんですね。しかも、解くだけならぶっちゃけそんなでもないんでしょうけど、生徒答案がどのような思考を辿っているのかを確認しつつ、どこで躓いたり間違えたりしたのかをトレースしなくてはなりません。うん、やってらんない。
 いつもより2000円高い(料理のグレードが上がって、更に肉料理が1皿加わる)コースを選びました。ドリンクも今日は数学先生のワインに付き合って赤・白1本ずつ。頑張れ~。