私が現在やりたいこと なんですか

 1限で板書準備、2~5限で授業。高1漢文は定期テスト前最後の授業で、嘗てセンター試験に出題された白楽天の五言古詩「放鷹」を解説しました。前回の授業の最後にそのセンター試験の問題を(実力テスト)で解いてもらったのですが、割とよくできる人たちですら問一の脚韻を見事に落としていたのに吃驚。基礎の基礎、普通忘れるか? と突っ込みながら採点したのですが、今日は金体詩の分類・規則等々の話から。
 今の高1(私が担当しているのは内部進学のB~E組のみ)って、比較的真面目に勉強する(そうじゃない人もいます)し、暗記力等の勉強の基礎的素質は悪くないと思うんですけれども、「忘れてもいい知識/忘れたらだめな知識」を弁別するとか、どの科目にどのくらいの程度注力すべきかバランスを整えるとか、そういう方面に弱い(それに頭を使う発想がそもそも足りてないのか、弁別調整のセンスにやや乏しいのか)という印象を持っています。勉強それ自体において頭を使うというのの一つ上、どのように勉強するのかという生活設計に頭を使うことが、高2(F校では「高校生」を終えて「受験生」になるのが高2です)からの課題かな、と。

 仕事から帰ってリビングに入った瞬間の違和感、何だろう、この天花粉みたいな甘やかな匂いは。台所周りから出てくるとは考えづらい匂いの出所が全く思いつかず、まさか侵入者でもあるまいしと若干気味悪くなったのですが、少し経ってから、今朝から新しい線香を使い始めたことに思い至りました。和室のお位牌に「驚かせないでもらえます~?」と軽いクレームを入れながら、遂にここまで人らしい生活に身を浸すようになったか、と改めて驚く。
 夕食はキムチ鍋で、天花粉の匂いはかき消されてしまいました。

 夜中、ベッドに入っても何となく寝付けず、頑張って頑張ってから諦めて起き出し、日付跨ぎの台所で鰈の煮付けを作るなど(平松洋子さんならジャムを煮るところでしょうが、そんな上等なものを味わう舌・作る腕は持っておらず)。タッパーに入れて冷蔵保存ですが、しかしこれを食べるのはいつになることやら。明日は高3現代文(時々小論文・漢文)の添削の最終受付なので夜は外で独り慰労会の予定ですし、明後日からは在佐世保の68回生Fくんに呼び出されて(年休を取って)1泊2日ですし。
 ん~、やっぱり人らしい生活の深みにはまって(?)行ってますね。

 西加奈子『ごはんぐるり』読了、★★★。基本的には面白くて(食べるということに)真剣なエッセイ、という感じなんですけど……男性に求める飲食店エスコートの仕方みたいな箇所で無知は論外完璧はヤラしい、と松本ちえこ「恋人試験」みたいな気持ち悪いこと言ってるのはちょっと残念でした(面倒くさいのは自分でもわかってるけど、みたいな客観アピールも要らなかった。食のエッセイで1冊書ける人間がしっかり印税稼いでるんだから、男性でも女性でも年下でも年上でも自分がどんどんエスコートすりゃいいんですよ。そして、相手に応じて0点・100点・65点を使い分けたらいい)。