今日の予定は自分とデート

 先生方からメールで仕事の文章を頂く度、返信に「玉稿拝受、有難う存じます」の一文を書いているのですが、先日、とある若手の先生から「先生のメールのあの4文字、日本語ですか? あ、漢文? それとも、先生だから何かのボケですか?」となかなかな連打を浴び。「えっと、日本語なんだけど……取り敢えず、スタンプだと思っとけば?」と返したら、「あ、そっか、頭良いっすね」とガッテンしてくれました。敗北感。

 3時前に起床、書斎で高3文系漢文、及び自由提出の過去問答案を添削。6時半には入浴まで含めて全て終わったので、母君のお供えをしてから徒歩で学校へ……

 ……の、徒歩通勤が辛い。暑さはすっかり落ち着いて陽気は最高なのですが、私の両膝が泣いておりまして(特に右膝)。理由は完全に判っていて、9月の伏見稲荷神社です。無人をよいことに調子に乗って千本鳥居をバシャバシャ写メってたら、石畳の階段で足を滑らせて見事に両膝を(正座する格好で)打ち付けたやつ。直後は山歩き問題なしでしたし、その後もあんまり気にならなかったのですが、一週間二週間経ってから膝が痛みを思い出した様子で。実際、日常生活にはそんなに異常は無く、起床して暫く歩いた後は痛みも(慣れなんでしょうか)消えてしまうので放っていたんですけれども、起き抜けの痛みが徐々に酷くなってきたので、次に仕事の空きが出来た隙を見て整形外科に行こうかと思っています(土曜日かな)。

 午前中は職員室で授業準備その他のデスクワーク。学校まで来て下さるというので、先日生命保険を更新した会社からの派遣で私の健康調査をして下さる方をお呼び出しして、15分程面談も。結果は異常なし。膝の痛みは関係ないよね、えっと喫煙習慣は人生を通じて無し、お酒は……嗜む程度? 父親の安否は存じません。あと、母君のご病気のことは問題にはならないそうです。

 4限の高2現代文と8限の高3理系東大漢文特講との間が3時間空いているので、年休を取って自宅まで往復しました。スーパーで食材を買い込んでからタクシーで自宅まで、自宅で作業後に学校までの道は徒歩(朝と違ってこちらは全く痛みが無いのです)。

 自宅での作業は食事の準備。18時特講終了後に帰宅をしたら直ぐに「かしゃぷしゅ~」出来るよう、夕食の魚しゃぶの具材と薬味とを全部切りました(シイラ・豆腐・人参・白菜・エリンギ・ネギ)。薬味のネギはタッパー、シイラは刺身皿に大葉を敷いた上に並べてラップ、豆腐と野菜とマロニーとはお節用のお重、に詰めて3つとも冷蔵庫へ。
 それから、ゴーヤを薄く虹型に切ったやつは湯通しをしてからツナ・茗荷と混ぜてタッパーへ。これは小鉢用、毎回少量ずつ取り出して、胡麻油だったりマヨネーズだったりドレッシングだったりで和えて食べます。
 白出汁と水と細かく切った唐辛子とで浅漬け、野菜は白菜・胡瓜・人参・大葉・茗荷。これはジップロックの袋に入れて冷蔵庫。
 胡瓜の斜め薄切り2枚、大葉1枚だけは残しておいて小皿に。これは蟹味噌を入れて小鉢にします。

 学校に戻って高3理系東大漢文特講、ここの40人は例年より雰囲気が明るくて部屋の居心地が良いんですけれども、これは学年主任数学先生の王沢なんでしょうね。
 18時の終了後は問答無用で帰宅、先ずは卓上コンロに昆布入りの水を入れて火を付けます。10分弱で沸騰するまでが勝負。
 ・服を脱いでハンガーに掛ける、部屋着を着る。
 ・冷蔵庫の薬味・魚・お重を取り出して、魚しゃぶの具材をセット、及びつけダレのポン酢も準備する。
 ・小皿5種に色々と盛り付ける(浅漬け・蟹味噌、他)。
 ・箸やグラスやその他を準備する。
 ・最も大切な、ビールと日本酒とを卓に並べる。タンブラーにビールを注ぐのはまだ!
 ……で、鍋のお湯が煮立った瞬間に「かしゃぷしゅ~」。

 10/6の「自粛御膳」。
 シイラしゃぶ鍋・小鉢5種。
 和歌山「黒牛」(純米酒)。

 読書、独酌、独家事、独就寝21時半。内田樹・岩田健太郎『コロナと生きる』読了、★★★。

どんなに若作りしたって、目じりのシワはかくせないわよ。

 高3生の国語の過去問提出(授業・特講のものではなく、自分で解いてくるもの)の依頼が増えてきました。必ずしも授業を担当している漢文だけとは限らず、現代文だろうが古文だろうが小論文だろうが、高3から頼まれたら断るという選択肢はありません。英語科・数学科の先生も同様かな(嘗て担任団所属だったとか、部活繋がりとか、その他色々な理由で色々な先生に頼る生徒が多いです)。現在のところは、週に4~5時間程度という分量ですかね。今後どうなるかは……うん、考えたくない。
 因みに、授業・特講の答案は原則として翌日(土曜の場合のみ月曜)の朝に返却します。が、自由提出の物に関しては数日間の猶予を貰うことにしています。

 私は今年度は時間割担当なのですが、同時に高2の副担任にも所属しています(普通、時間割は学年所属無しなのですが、今年は特例)。ですが、2月の北海道スキー研修の引率は免除させて貰いました。時間割担当が長期間学校を外れるのはリスクがありますし(特にコロナの今年度は)、何より2月の半ばに高3の添削要員が学校に居ないというのはもう「あり得ない」ことなんですね。受験のために関東関西に飛んだ生徒と答案を(ホテル・学校のFAXを介して)やり取りするというのは「あるある」ですが、添削する側の私が学校を離れるというのは流石に無理があります。

 さて、本業(?)の高2現代文は原研哉『白』の2回目の授業を4クラスで。高3文系漢文の授業も1コマ。これは帰りまでに添削をする暇がなかったので、明日未明添削・朝SHR返却の流れ。今週は校内模試の3回目があり、今年度初めて出題をしているので(文理共通評論)、その採点をする時間をどこかで確保しておかなくてはなりません。

 10/5は「自粛御膳」をお休み、自宅徒歩2分の焼鳥「T」を久々に訪問して、The・昔ながら、を味わい。最近仕入れるようになったという日本酒3種類は全てチャレンジ済みだったのでここでは焼酎、帰宅後にリビングで「日本酒チャレンジ」を。
 福岡「寒北斗」(純米酒)。

あ~いやだ。生活に疲れた主婦の顔って。

 早朝起床、部屋風呂でさっぱりしてから荷物を詰めます。ベッドの上、棚の上、冷蔵庫の中、持ってきた傘と全てを指さし確認してからチェックアウト、中洲川端駅から博多駅に向かう地下鉄の中で携帯の充電器を置き忘れてきたことに気づきました。ホテル代、一気に3000円のアップです。新幹線~タクシーで帰宅。

 写真をお見せしたら、事務嬢さんから「ついにここまで来たか」と笑われました。
 10時に「ニトリ」から茶箪笥が届いたのです。全ての食器(半分弱は酒器だな)をボードに並べ、箸やスプーンその他・タッパー類を引き出しに収め、重箱や丼やの大きな物は最下層の大きな引き出しに入れ、炊飯器・T-falの湯沸かし器・オーブントースターまで設置する場所があるので(電子レンジは冷蔵庫の上のまま)、台所のスペースに置かれているものが全て無くなってしまいました。その上、食器棚の横に小さなテーブルを置き、その上に調味料その他を移したので、台所、ちっちゃいオッサンがカーリング出来るんじゃないかというくらい広々。これまでは、極々小さなまな板一枚を置けるか置けないかというくらい物が犇めきあっていたんですが……。
 というか、仕事一義で他は無視の人生を送るはずだったんですよ。恩師先生から「酔精無私」と呼んで頂いたのを殊の外喜んだ時の私は、こんな快て、じゃない堕落しきった生活を送る予定では無かったんですよ。コロナ憎し。

 11時に学校入りして3時間ほどデスクワーク。家に茶箪笥を据えて、国勢調査に答えて、最後に学校で3時間も働いたんだからもうえぇやろと、そのままタクシーで街中に出て、K市昼飲みの聖地・居酒屋「S」で軽いめの読書独酌。入口直ぐに置かれた大きな日本酒セラーの中に「日本酒チャレンジ」未踏破の物があることを確認してから入店。
 豆腐サラダ・じゃがバタ・鶏モモ素揚げ・茶碗蒸し。瓶ビール・秋田「一白水成」(純米吟醸)・黒霧島。焼酎は水割り、氷無しで1:1。

 西鉄K駅構内のスーパーマーケットで食材その他を買い込んでから帰宅、入浴・仮眠。起床後は読書したり書斎で書き物をしたり。そう言えば、一時期は当日更新にまで追いついたこの日記、現在は大体2週間程度遅れで更新をしています(この文章は10/20の未明に更新)。これには仕事上のちょっとした理由があって(コロナは無関係です)、11月には再び追いつくはずです。

 10/4の「自粛お摘まみセット」。
 刺身2点・小鉢4種。新しい蔵の日本酒を開ける必要がないので、セラーの中から開栓済みの銘柄を適当に。

合図に肩をすくめても ちょっぴり眠い

 迷子『プリンタニア・ニッポン(1)』読了、★★★★。

 昨日、原研哉『白』の1回目の授業を終えた後、ある女子に呼び止められて「先生、今日の授業で、『処女作』が何故『処女作』というのかが解りました」とにっこり言われて仰け反りました。「ごめん、意味は判るけどなんて返してもセクハラになりそう!」と最低の返答をするのが精一杯でしたけれども、あれですね、聡いのの表出の仕方が意想外の人がたまに居るという典型でしたね。
 1限が高3文系漢文、2・3限でその添削。4限が高2現代文で、これは昨日4クラスで話した内容と同じ、人によっては『処女作』と呼ばれる所以が解るという講義です。

 13時終業と共に学校を出る……前に、職員室までの電光掲示板を確認。生徒に当日及び翌日の時間割変更を伝えるために設置されているそれ(要するに、今年度は私が操作担当)の画面、思わず書いてしまった「祝!」の文字ににんまり。
 正直、今年度に関しては殆ど諦めていたのですが、その日は意外に早くやってきました。今年度初、全学年時間割変更無し、10/5(月)がその日です。その後は、少なくとも1ヶ月先までは毎日時間割変更があります。

 自宅に戻ってから入浴、着替えたら直ぐに出発。最近ちょっとハマっている土日の福岡博多泊。思うさま飲んでも帰り(電車の時刻、というよりかは電車での寝落ち)の心配が無いというね、生命保険じゃないですが「安心を金で買う」というのはこういうことを言うのだよ、と。
 本日のお相手は67回生我らB組のMくん(九医2年)、文化祭の実行委員長ですから大物の接待です。っつか、11/1(日)にはMくんに2人の副実行委員長(同じくB組から九医2年)を加えた3人を接待する予定。Mくんとは去年一度食事をした(当時未成年のMくんはノンアルコール)ことがあるんですが、副実行委員長2人とは卒業後初なのです。っつーことで、副実行委員長2人がどんな飲み方をするのか(当日の私がどう振る舞えば良いのか)をリサーチしがてら飲もうぜ、と。マッチポンプ感というか合わせ鏡感というか。

 夕方前に到着した中洲川端のホテル、少し時間があったのでホテル徒歩5分の「福岡アジア美術館」で『原田治展 「かわいい」の発見』を観てきました。職場の人にお話ししたら今CMがガンガンに打たれているらしいのですが、ここ暫く全くTVを観ていないので全く知りませんでした。今回の訪問も、ホテル近くに美術館が無いかと検索して偶然見つけたのがきっかけです。
 そう言えば、一昨日久しぶりに入った「ミスド」内のどっかに彼の絵があったのか無かったのか、全く思い出せません。後でMくんに知っているか聞いたら絵を見せても全くピンと来ない様子だったので、若しかしたらもう長い間使われていなかったりするのかも知れません。
 さて、何せ「かわいい」ですから、若い女性やカップルが多いんだろうなぁと思って入場したら、豈図らんや、私よりずっとベテランの男性も多くてちょっと意外。でしたがまぁ、展示を見たら宜なるかなで、何せ「an・an」に「ビックリハウス」に「幻想と怪奇」ですから。雑誌挿絵を集めたコーナーには東山千栄子久保田万太郎、そういう年齢の客層も見込んでいるんでしょうね。
 それにしても、彼の描くハンプティダンプティが可愛すぎて、絵はがきとポーチとをついつい衝動買いしてしまいました。40のオッサンが原田治のポーチて。

 よく考えたら、東京が強盗トラベル解禁になってから初めての週末に中洲(川端)で飲むというそこそこの暴挙に、二十歳になったばかりの医学部生を拉致ってつき合わせるって行為をやってるんですよねぇ、この恩師は。一応、ご家族の許可は取った上での参加ではあるのですが。
 10/3は「自粛御膳」をお休み、店は人気店「せいもん払い」、美味しい物にお詳しい世界史先生のオススメで一度行きたいと思っていました。アラ刺し・ゴマサバ・サラダ・鱧天麩羅・穴子しぐれ煮、で100分。個室でやや高級料理、「高かろう旨かろう」という言葉があるのかは寡聞ですけれども正にそういう印象です。このご時世なのに、17時オープン時に既に数組並んで居ましたからね。因みに、Mくんはそんなにお酒が強くなかったので、支払額は思っていた程ではありませんでした。日本酒は長崎「六十餘洲」(純米酒 山田錦)、佐賀「万齢」(純米酒)。

 現高3・69回生の(残念ながら50回記念の祭りが中止になってしまった)文化祭実行委員長氏が「M先輩たち3人は絶対に(2つ下の)我々を呼び捨てにしない」と言っていたという話を仄聞、まぁそういう人たちだから派手な遊び方や激しい飲み方はしないだろうなぁ、と思っていたんですけれども思っていた以上に真面目みたいで。
 今夜は11/1(日)の打ち合わせという意味では殆ど空振りでした。何しろ、コロナもありますけれどもそもそも3人で遊んだり飲みに行ったりというのを全然してないそうで。医学部生が必ずかどうかは知らないですけどよくやると聞くアルコール体質のテストについては、Mくんはあんまり強くなくて、残る2人(どっちもイニシャルKなんで、取り敢えずKHくんとKNくんと書き分け)は多分強そう、くらい。実際一緒に飲まなきゃ判んないってことですね。

 2軒目は「曇レ日」、これは予て念願、今夜成就の日本酒バー。私の自宅にもある三連小鉢がどうしてこんなにお洒落で美味しくという盛り合わせ(多種多様の中から3点選んで500円)を肴に、定番無しその日次第運次第の日本酒ずらり(1杯5尺)を椀子蕎麦。「日本酒チャレンジ」はここで一気に3銘柄もプラスです(一晩で5蔵!)。岐阜「射美」(純米酒 山田錦)、岩手「菊の司」(季楽 特別純米 茜)、岩手「堀の井」(純米大吟醸 吟ぎんが)。その他には、「十四代」の冷酒(これはアル添でした)、及び「貴」の熱燗。
 Mくんは果物のお酒を舐める程度。「山田錦って、お酒の名前ですか?」という程度にウブなMくんに「酒米、あ、『さかまい』ってのは日本酒を造るためのお米だよぅ(ドヤ)」と、自分で吹かせた先輩風を肩で切りまくり。横並びカウンター10席のお店は予約必須(我々も一週間前に予約しました)、回転は早かったですが常に満席で入れないお客さん(席が空き次第の連絡待ち)が多数でした。

 延長戦(まだ飲むんかい)は薬院まで歩いて屋台「K」。20歳を健全な時刻に帰らせないといけないというなけなしの思いはああって、22時前解散ならまぁぎり合格かなぁ、とは思うんですけれども、薬院の屋台から中洲川端のホテルまでの徒歩移動は、何回お願いしてもタクシーを使わせてくれないMくんに夢先案内を一任するという完全なるオッサンお荷物状態でした。
 これ、11/1(日)の約束、キャンセルになったりするんじゃないでしょうか(後でMくんから11月も宜しく、というLINEが届きました)。

包む

 私はどの授業も開始10分前に教室入りして板書準備をするのですが、先ず5分ほどかけて割と執拗に黒板を掃除します。真っ白にしておくと、そこを汚すことに対する覚悟が生まれるから、と言えば聞こえが良すぎますが、今日から扱う教材は原研哉の『白』。09年東大の入試(57回生が現役生として受験)で使われた本文が教科書に輸入されています。
 紙に文字を書くというのはどういう営みであるのか、「文化」とは何か、僅か50分の授業で(全2回中の1回目で)それを端的に伝えさせてくれるのは正に吟味経て書かれた名文の持つ力ですね。将来訪れる大学入試の本番、緊張の中で自分は何をすることになるのか、を生徒に予め伝えておくことはきっと意味があると思うのです。
 因みに、個人的なチャレンジとして、折角『白』なんだから、今日は50分の授業の板書で黒板消しを1回も使わないぞというチャレンジを。4クラスで授業して本当に一度も黒板消しを使わなかったんですが、2クラスで誤字(塗りつぶし)と脱字(吹き出しを書いて追加)とを出してしまいました。2勝2敗。

 16時から年休を取って、血痰ネーミングショッピングモール「You meタウン」までお散歩。同窓数学・若手体育ご夫妻に次女御爆誕、そのお祝いを購入するのが目的です。「トイザらス」にベビー用品コーナーがあるのを今日まで知らなかったのですが、以前がっ様のベイビーちゃんにもお贈りしたディズニーの「おくるみ」を購入しました。ディズニーの柄になると途端に値が上がります。「おくるみ」は、ベイビーちゃんを「おくるむ」以外にもタオルだったり毛布だったりベビーカーの日除けだったり用途多彩の消耗品だから、貰って迷惑だということはないでしょう。4枚入ってるから、お姉ちゃん(2歳のベテランでもうすぐ3歳)が拗ねちゃわないように1枚分けてあげれば良いですよね。お土産を選ぶセンスが無いのは自分でよく判っているので、大体どんな相手でも十年一日のものになってしまいます。

 その後で書店とスーパーマーケットとを回って、自宅までの帰りはタクシー。今夜は一昨日のおでん鍋の余りがあるので自炊が楽チン。

 10/2の「自粛御膳」。
 マグロ丼・おでん・生春巻・小鉢6種。生春巻は惣菜コーナー、小鉢の中の茹でピーナッツは昨日の「もりき」のお土産です。竹輪麩旨し。
 和歌山「雑賀」(純米吟醸 雄町)。

てめーら、安倍晴明といっても

 授業は高3文系二次漢文、ですが今日の教材は一橋大学第二問から石川淳『江戸文学掌記』より横井也有についての記述、難。これは午前中の授業後に即添削。
 本日は13時から半日の年休を取って帰宅。午後は、市役所での証明書発行と生命保険更新の手続きのアポイントとがあります。

 就職2年目だったでしょうか。その年度より同じ学年(56回生)の担任団で副担任同士としてコンビを組ませて頂きました英語科パイセン(職場では2年だか3年だか先輩のはず)には大変よくしていただきまして、しょっちゅう飲みに行っては職場の愚痴を吐き散らかし合っておりました。で、今では流石に居なくなりましたが、当時は生徒や時には同僚からまで「つき合ってるの?」と言われるセクハラ被害を2人とも受けておりまして、ある時なんて、職員室で堂々と(昭和から教員というベテランのとある先生から)「えっ、二人ってつき合ってるんじゃないの?」と真顔で驚かれ、パイセンが「私、この人のこと異性とは思えません!」とキレ気味に返した言葉に私が「えっ、パイセン、男だったんですか?」と続けて後からしばかれる、なんて微笑ましいエピソードもありました。
 さて、その2年目のもう一つの微笑ましいエピソードに、パイセンから急に「明日印鑑を持って私のお母さんに会って欲しい」と言われてつき合ってもないのに結婚しろとかいうセクハラなのかなと思ったらお母様が生保レディでいらしてその場で保険に加入させられるというパワハラだったというものがありまして。
 あの日に積み立て式、掛け捨て式の2種類の保険に加入して、そうですか、もう15年にもなるんですね(遠い目)。お陰様で15年間大きな病気一つすることなく歩みまして、掛け捨ての方は本当に金を溝(どぶ)に棄てたようなもんなんですけれども(安心を買ったという言い方ありますけど、毎月の引き落としを観る度に心臓がチクリと痛んだやつと相殺されるんじゃない? とも思う)、積み立て式の方が15年間で180万の満期を迎えたらしく(月1万円だったんですね)、あら私過去の私から急に180万円もお金を貰えるの? と驚いている今は最中なんですね。過去の私というのは毎月のカード引き落としという形で私から金を強奪する強盗みたいなものだとばかり思っていたんですけれども、たまにこういう罪滅ぼしをすることもあるんだ、と。

 免許証を持たない私は、私が私であるということを初対面の生保レディAさん(現在の担当は、パイセンのお母様から引き継いだ別の方)に証明するための書類を、市役所に行って発行して貰わないといけないのです。今日はマイナンバー入りの住民票と印鑑証明書とを。
 で、市役所経由で西鉄K駅、ミスドの前で待ち合わせて、そのままミスドでお話をすることに。2人ともドリンクのみの注文で、支払いはAさんが済ませて下さいました。いつの間にか支払いが(従業員さんへの手渡しでは無く)機械に硬貨紙幣を投入する形になっていました(コロナ対策でしょうか)。Aさんはなかなか勝手がお分かりにならない様子でしたが、これは支払い方が変わったからというよりかは、この手の店に全く縁が無いからというのが理由の様子。

 久々のミスド、壁に「滞在2時間まで」とこれははっきりコロナ対策。机と机との間に透明ボードの仕切りもありますので、我々のようなデリケートな話をするのには都合が良かったです。で、2時間は流石にかからないだろうと思っていたら、予想に反して2時間ジャストの時間がかかり。先に180万円の支払いの手続きを終わらせた後、積み立て式・掛け捨て式2種類について新しい保険への更新をするんですね。iPad(みたいなの)をタップしながら、手続きが割と細かくて手間取りました。
 積立型については、月1万から3万に増額することが決定。掛け捨ての方は月の支払いがこれまでより5千円値上がりするものの、保障範囲が15年前のものとは比較にならない程に広いという説明でした。パイセン(のお母様)を通じてですので始めから何を提案されても断る気はありませんでしたが2つだけ、癌治療の保障額と、精神疾患による休職の保障の有無とは確認しておきました。あと、私が死亡した場合のお金の受け取り人に母君をお願いすることが出来なくなっているので、受取人の名前を変更しました(人に言えば、普通はそんなことをしないという受取人です)。

 10/1は「自粛御膳」をお休みして「もりき」でパスタを。折角西鉄に出るのなら街に出て飲もうかとも考えていたのですが、2時間もかかって(終了19時過ぎ)疲れてしまったので、結局家の近所で済ませることに。
 お酒は千葉「稲花」(純米 かもし酒)。

さあ 帰りましょう ソコへ

 若手物理先生に先日お貸しした漫画6種類、特にお気に入りは田村由美『ミステリと言う勿れ』だそうでそれならと学校に置いていた全巻をその場でお貸しして、多分ハマるだろうと思って此元和津也『セトウツミ』も全巻セットで(こちらも大絶賛でした。そりゃそうです、これ、私の中では2010年代最強の格闘漫画ですんで)。
 で、お貸しした漫画の中では唯一、RENA『本橋兄弟』だけが生理的に駄目だったそう。物「だって、耳舐めるんですよ! 耳まで舐めなかったらまだ我慢できましたけど!」 私「あ、BL色が強すぎました?」 年若い先生にセクハラを、反省。

 斉藤美奈子『中古典のすすめ』読了、★★★★★。下を見りゃ傾向が判ります(私は概ね賛同)。
 最高評価……住井すゑ橋のない川』、山本茂実あゝ野麦峠 ある製紙工女哀史』、北杜夫『どくとるマンボウ青春記』、鎌田慧自動車絶望工場 ある季節工の日記』、灰谷健次郎兎の眼』、橋本治桃尻娘』、堀江邦夫『原発ジプシー』、森村誠一悪魔の飽食関東軍細菌戦部隊」恐怖の全貌!』、黒柳徹子『窓ぎわのトットちゃん』。
 最低評価……遠藤周作『わたしが・棄てた・女』、中根千枝『タテ社会の人間関係 単一社会の理論』、イザヤ・ベンダサン『空気の研究』、土居健郎『「甘え」の構造』、井上ひさし『青葉繁れる』、小池真理子『知的悪女のすすめ 翔びたいあなたへ』、鈴木健二『気くばりのすすめ』、渡辺淳一ひとひらの雪』、盛田昭夫石原慎太郎『「NO」と言える日本 新日米関係の方策』、中野孝次『清貧の思想』。

 3時起床、書斎で昨日の特講の添削(3ヶ月遅れた分だけ出来が例年より良かったのは昨日の日記に書いた通りです)、これが3時間。その後で入浴、母君のお供えの準備。7時の時点で少し疲れている(というかおねむな)上に本日は3~7限が5コマ連続授業で250分喋りまくり書きまくりになるので疲労は必至、夜は絶対自炊ではなく外飲みがしたくなる筈……なんですが、冷蔵庫には今日を限りの食材が2~3点。夕方の私を取り逃がさぬよう、出勤前に米を炊き、卓上コンロやお盆に茶碗から日本酒用の片口御猪口まで全て配膳してから出掛けました。今夜は真っ直ぐお帰りなさい。私が私を信じていません。

 という訳で。

 9/30の「自粛御膳」。
 ちりめん山椒ご飯・おでん鍋・小鉢6種。
 秋田「高清水」(デザート純吟)。

 明日は午後に年休。身体を休める為ではなくて、単純に用事がありまして、市役所で住民票その他を出して貰った後、15年前に加入した生命保険の更新手続きがあるのです。

明日会ってね ルルル…ルルル…ルルル…

 本日は4限が高2Aの授業で、外部模試受験の高3は本来なら特講がない日なのですが、以前台風で流れた日の教材が余っていたので補講という形で東大理系漢文。本当なら3ヶ月前に使用予定だった教材(97年・趙翼)を用いたら、少し面白いデータが取れました。
 客人に請われて彼の墓誌を(彼の生前に)書いた、それも思いっきり諂った内容のものを、という体験を詩で表したもの。清代を代表する考証学者ですので、最後は書かれた歴史というのは主観で歪む可能性が、という歴史の改竄に言及しており、これは同年の現代文第一問で出された坂本多加雄天皇論(象徴天皇制度と日本の来歴)』の一節と同じテーマなんですね(要するに、滅茶苦茶難しい問題だということです)。で、例年夏前だか夏の始めだかに演習をさせると、25点満点の平均点が大体7~8点にしかならないんです(良い年でも2桁には乗りません)。が、今日の答案は結果的に平均点が10点を大きく上回りました(流石に15点、6割には届きません)。図らずも、東大理系組が(順調になのかどうかは判りませんし、あくまで平均ではあるのですが)伸びているというのが実証されてちょっと嬉しく。

 9/29の「自粛御膳」。
 鯨刺し・茄子しぐれ炒め・松前納豆和え・小鉢5種。
 何かしようと思って買って冷蔵庫の上に置いていた茄子の存在を数日間すっかり忘れていたバチが当たりました、半分に切ったら、もうすぐ白から黄色に変わりそうな種が、種が。ビジュアル的にグロいんですけれども、捨てるのは冥利が悪いのでおもっきり炒めてから食べました。味は普通ですけど。
 日本酒は埼玉「神亀」(手造り純米酒)。

マスター、ハーゲンをダッツで。チョコをミントで。

 江口夏実鬼灯の冷徹(31)』読了、★★★★★。完結。お見事でした。

 6時に学校入りしてデスクワーク。今日の授業は高2現代文を4コマ、教材は西谷修「問われる『身体』の生命」。心臓死・脳死の状態差を説明し、脳死を「見なしの死」とすれば人格を欠きつつ機能する脳死身体の臓器を「資材化」することが可能だという流れ……だったのですが、とあるクラスの授業後に某くんが保健室で2時間寝込んだという話。担任の先生から「何をやったらそんなことになるんです?」と呆れられたのですが、某くん、内容を熟考する内に気持ち悪くなっちゃったそうです。申し訳無い。
 本来なら高3文系の授業がもう1コマあってその添削もする月曜日なのですが、今日は外部模試があって授業が木曜日に移動しています。その分、自由提出の過去問添削がしっかり2時間分来てましたけど。

 9/28は「自粛御膳」をお休み、二日市「月空」に出て読書独酌。
 17時に電話予約したときのマスター(63回生Mくんパパ)が「今日はゆっくりですから」と仰っていましたが、18時一番乗り90分の滞在で店が貸切だったのは6年間通って流石に初めてだったので驚きました。人気店でもそういうことはあるんですね。因みに、これはこっちの都合ですが秋刀魚塩焼きに心を奪われていつものモモ肉のタタキカルパッチョ風を注文しなかったので、何だか片付かないというか据わりの悪い心地での退店になってしまいました。次は絶対。
 佐賀「基峰鶴」(Greetings 純米吟醸酒)。

 西鉄K駅構内のスーパーで食材を買い込んで帰宅。鯨の赤身を買いました、明日のメインはこれです。家で飲み直さないようにアイスクリームを買いました。肥るのには変わりありませんが。

Eureka! Eureka!

 近内悠太『世界は贈与でできている 資本主義の「すきま」を埋める倫理学』読了、★★★★。

 4時起床で入浴。5時から自宅書斎、8時から職員室でデスクワーク。11時まで働いたら休日業務としてはもう充分だろうと開き直って、まだ60文字ぐらいしか書いてませんけれども南中を待たずに自宅で背徳のカシャプシュ~。
 肴は「自粛ランチ御膳」、ホッケ焼き・牛すじポン酢・小鉢7種。先日京都は「今宵堂」で購入した小皿、及び片口にお猪口を使って甘露じゃ、甘露じゃ。お酒は滋賀「萩乃露」(純米吟醸 十水仕込 雨垂れ石を穿つ)。

 14時から寝溜めをしようとベッドに入ったら、2時間ぐっすり寝た後に急遽すんごいのが降ってきて飛び起きました。寝てる頭にどうやったらこんなのがと我ながら吃驚でしたけれども取り敢えず「休日業務としてはもう充分だろう」という開き直りを神様にダメ出しされたんだと思って大人しく書斎へ。
 「降ってきた」のは時間割変更のアイディア。中学1~3年生の修学旅行が3週連続で続く期間は(他学年の授業をお持ちの担任団がごっそり学校から居なくなるので)時間割が大混乱するんですけれども、そしてそれを何とかやりくりして時間割変更案を作ってはいるんですけれども、一箇所だけどうしても授業を担当する人が足りないだろうというところがあってペンディングしてたんですね。最悪、非常勤の先生に土下座して一日余計に来て(授業をやって)頂くお願いをしようかとすら思っていたんですが、そこのアイディアが降ってきた。「あの学年のあの曜日をこうして、連鎖でこの学年のこの曜日をこうして、連鎖でその学年のその曜日をこうして……」というのを8連鎖したら丸く収まるという作業に20分かけて、それがとんでもなく歪ではありますが取り敢えず形にはなったことに感動して、そのまま時間割の作業を2時間続けてしまいました。昨日の日記に「疲れては(憑かれては)いけない」という恩師先生の言を書いておきながら「おまゆう」も甚だしく。

 実働は8時間弱ですけれども仕事の充実感パネェ、という自己満足が足を「もりき」に向かわせ、昼に「日本酒チャレンジ」を終えているので定番の中から好きな銘柄を幾つか飲んで帰宅、の後は熟睡。