止めてくれるな正面さん ズガーンと行かねばならぬのだ

 3日間学校を留守にするとやっぱり仕事はたまるもので、昼前に職員室に入ったら仕事が額面通りの意味で「山積」していました。
 ①高3が独自に持ってくる東大過去問添削が10枚、これは1時間強。
 ②印鑑を押す必要のある書類が10枚、これは1分。
 ③今後の時間割変更の要求が3件、これは10分。
 ④とある事情で必要になった全校の(おおもとの)時間割の修正、これは(取り敢えず)1時間強。

 ④がキツいぞ、④が。今年度何回目だ。国語科ではないとある科の先生から朝方電話がありまして、ご旅行中にお願いしたら申し訳無いので帰って来られるまで待っておりましたが科で大きな事態が出来致しまして、と。うぃずころなのせいでその程度では驚かないくらいには感覚が麻痺していますが、確かに旅行中に連絡を下さらなかったのはご配慮、多分、下さっていたら京都でネカフェに籠ったでしょうから(仕事用のデータは常に身に帯びていますので)。
 こないだも書きましたけど、今年度は凄いですね。「疫病休校」「豪雨電車運休」「信号機故障電車運休」「台風休校」「教員××」「教員●●」「教員▲▲」と、既に7翻、跳ねてますから。数えとまでは言いませんけど、多分今年度、倍満か三倍満くらいは行くんじゃない?(っつったら職場の不幸混乱を願ってるみたいでアレですけど) いっそおおもとの時間割など無くして毎週時間割を発表すればとまで思いかけますが、生徒の「日常性の維持」を考えたらそういう訳にもいきません。

 本来やろうと思っていた自分の授業の準備・テストの採点は、上記①~④の計2時間半が終わった後で漸く始められます。取り敢えず、テスト採点の方は自宅に持ち帰ることにしました。
 15時に学校を出て、徒歩で帰宅。途中、スーパーマーケットの「サンリブ」に寄って食材の調達(自宅着は16時近く)。本日の夜は外で約束が入っていますが、明日以降は再び自炊を。オーブントースターを買ったのでそれを使ったものを作ろうとか、こないだの向田邦子流の豚鍋が美味しかったのであれは近々にもう一回とか、色々と考えながら。
 帰宅後には、幾つかの料理の下拵え。おきゅうとを切ってタッパーに入れて小鉢用に。鰤と鮭の柵は小さく切り分けて、カイワレとコチュジャンソース(コチュジャン・酢・胡麻油・醤油を等分に混ぜて、白ごまとニンニクとを加えたもの)とで和えたら一品が完成、これもタッパーに。等々。こんなこと、コロナの前では考えられないことです(母君のお料理は1年半作りましたが、まさか自分のためになどとは微塵も)。

 よく言われることではありますけど、料理って、本当にその場で作って洗い物をしたら終わりというものではありませんでしたね。
 ・働いてお金を稼ぐ。
 ・分際にあった食費を算出して何が出来るかを弁える。
 ・スーパー等の店で商品を見ながらメニューを考える。
 ・下拵えをしてタッパーに入れたり冷凍をしたりする。
 ・その日の食事を作り、作りながら、食べながら、食べた後、に洗い物をする。
 ・ゴミの分別をして、決められた日にゴミ出しをする。
 この一連の流れが「料理」なのでした。私の場合はままごとに毛すら生えてないレベルのもんですが、家族(特に成長期の子ども)の料理を作るというのはこれ並大抵のことではないな、と。
 自分の食事を作ることが(例えば特講の採点等の)仕事の邪魔をするのは論外なので、取り敢えずこれのために捻出する時間については睡眠時間と読書時間とを削って、仕事の時間はこれまで通りのものから絶対に減らさないようにしています。が、独り身の私ならともかく、前述のように家族のための家事を抱える女性の(勿論、男性の場合もありましょうが)先生方にそれ(仕事の時間を減らすな)を要求するのは無理筋でしょうね。67回生の高3現代文・担任業務をやりながら母君の生活のお手伝いをしていた間はその「無理筋」を通すために道理を引っ込めましたが、母君が結果的に終の棲家となる介護施設「I」に入所なさった時に心のどこかで(利己的な理由で)ホッとしたという程度には草臥れました。他人にやれとは言えません。
 さて、その場合、誰が何をすれば良いのか(問の焦点をぼかしているのは態とです)。

 来年度は高3現代文の担当になりそうです。67回生が高3だった時は、添削作業を中心に1ヶ月300~400時間の労働でした(完全に30で割って休日を無くすとともに、徹夜だけは絶対に避けました)。まぁ、来年もそのくらいの量なんでしょう(67回生の時とは違い担任でない分楽ですね。但し、引き続き時間割を担当した場合はその仕事量が未知数です)。要領の良い先生は同じことをもっと短い時間でこなされるかも知れませんが、私は不器用です。
 多分、特別なことではありません。高校時代に国語科恩師先生にやっていただいたことを、ご本人に返すことが出来ないので下に返しているだけです(勿論、先生と同じ次元のことが出来ているなどと自惚れたことは考えていません)。というか、田舎の進学校が受験生に対するサービスを忘れたら学校が崩壊します。そうなったら商売上がったり、「働いてお金を稼ぐ」という料理の第1ステップから躓くことになります。働いて稼いで作って食べて飲んで元気になってまた働く。
 おきゅうとを刻みながら「これは添削の一環」、東大現代文の添削をしながら「これは料理の一環」。

 というわけで、食器棚を注文したんです。これも添削の一環。

 てなことを言いながら、本日9/21も「自粛御膳」はお休み。居酒屋「もりき」で常連さんたちとワイガヤ。日本酒・焼酎・洋酒等々持ち寄りだったので、私は京都土産の「月の桂」を持参。久しぶりにHさんにもお会いできて良い夜でした。17時から始まって、私は20時前にはお暇。旅行疲れ・飲み疲れですかね。料理のメインは豚汁ならぬ「馬鹿汁」だったんですが、これが臭みも無く予想以上に美味でした。
 京都「月の桂」(純米吟醸酒 柳)、青森「如空」(特別純米酒 金ラベル)。